2019年09月16日

『記憶にございません』

映画『記憶にございません』が公開された、政治をコメディタッチに善処したのは脚本・三谷幸喜ならではだ。かつて、老獪な政治家たちが平気で事実を認めずに、裁判でも「記憶にございません」と責任逃れをして、巷でも無責任な時流を表すことばだと当時の政治方たちを批判したという、実際の話を改めて多くの人が思い出したことだろう。

ストーリーは、国民から嫌われ、史上最低の支持率を叩き出した総理大臣・黒田啓介が主人公。ある日、一般市民の投げた石が頭に当たり、彼は記憶喪失になってしまう。金と権力に目がない悪徳政治家だった黒田が、一夜にして善良で純朴な普通の「おじさん」に変貌してしまった。国政の混乱を避けるため、国民はもちろん、大臣たち、家族にさえ、記憶を失ったことを隠し、直近の秘書官たちに助けられながら、なんとか日々の公務をこなしていく。やがて、あらゆるしがらみから開放され、真摯に政治と向かい合うことになった黒田は、次第にこの国の未来を考えた政治に変えたいと思い始める、というもの。

主人公の総理大臣を熱演した中井貴一は「脚本が完璧。役者が小賢しいことを考えないでできる。それがコメディになる理想的な形だった」と、三谷監督を称賛。さらに「アドリブは、ほぼない」としながらも、三谷監督から「冒頭の『クソ野郎!』のセリフはアドリブだったよ」と指摘されると「そう言えば、あれはアドリブでした」と初日の舞台あいさつで笑った。

映画のメガホンを取った三谷幸喜監督は「本当は(米大統領役に)男性をキャスティングする予定だった。ただ予算の関係でジャック・ニコルソン、トム・ハンクスを断念して…。そうなったら木村女史しかいない」と冗談交じりに語りつつ「素晴らしかったです。ただ、セリフがほぼ英語なので、僕も何言ってるか分からない。雰囲気がよかったです」と大絶賛(?)していた。

木村佳乃がアメリカ初の日系女性大統領を演じ、舞台挨拶冒頭でも流ちょうな英語を披露した木村は「身に余る光栄な役。とにかく中学校時代、アメリカに住んだことがあってよかった。両親に感謝したい。オファーを頂いた時は、驚いてひっくり返りましたし、本当に緊張しました。」と、米国でも未だ誕生していない女性大統領役に感無量。役作りについて話題が及ぶと「ただ英語をしゃべるだけでなく、大統領として話す。ヒラリー・クリントンさんの演説をYouTubeで何回も観て、研究しました。外国の方は手振りが多い。その部分も頑張りました」と振り返り、苦労をにじませた。

 そのほか、ディーン・フジオカ、石田ゆり子、草刈正雄、佐藤浩市、小池栄子、斉藤由貴、吉田羊、後藤淳平(ジャルジャル)など、実力派が勢ぞろいした映画は、この頃、テレビ社会の主流になってきたお笑い系タレントを排して、演技派の正攻法で製作したようだ。真面目に面白いので、政治と宗教は避けるという常識?を面白おかしく覆してくれそうだ。
みんなで観てこそと、社会をおもろく、仕切り直してくれそうだ。
posted by Nina at 04:40| 千葉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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