アメリカの高齢男性に多い疾患は心臓病と癌だが、トランプはどちらも無縁。在任中にほかの病気を患ったとしても、医療チームが迅速に対応するだろう。
ただし、そんな事態が起こったとき、国民に公表される可能性は低い。アメリカには大統領の健康状態が覆い隠されてきた長い歴史なのだという。
1981年には当時70歳のレーガンが銃撃され重傷を負ったが、国民には彼が死にかけたことなど知らされなかった。アイゼンハワーは55年、65歳直前で心筋梗塞に。米史上最年少で就任したケネディも、慢性疾患のアジソン病を患っていたが、公表されることはなかった。
レーガン後の大統領は皆、比較的健康だったようだ(その情報も、ほとんどは退任後に公になった)。父ブッシュには甲状腺疾患と不整脈があったが、それ以外は元気だった。クリントンはジャンクフード好きで有名だったが、心臓病を患ったのは退任後だった。息子ブッシュは運動熱心で、健康状態は最高。オバマは就任前に禁煙し、体形も運動習慣も維持し続けた。
そして、トランプだ。飲酒も喫煙もせず、服用している薬も心疾患予防には効果的。現代では平均寿命も延びているし、体に負担の少ない治療法も豊富だ。
だが、もし大統領の健康に問題が生じたとしても、絶えず目を光らせているメディアですら、少なくともすぐにはその実態をつかめないだろう。大統領の健康問題はトップシークレット――それがアメリカの伝統なのだから。
出典:Newsweek(2017年1月26日)
マーク・シーゲル(ニューヨーク大学医学大学院教授)
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