2019年03月04日

韓国の元駐日大使に聞く:「反日ではない」と言えない韓国の国内事情

 戦後最悪の日韓関係となっています。昨年秋から元徴用工への賠償をめぐる裁判や慰安婦問題、レーダー照射問題などが次々と浮上し、韓国政府の対応を伝える報道を聞いて、不可逆的な日韓関係の構築を期待していた日本国民の間でも韓国に対してかつてないほどの疑問や不信感が渦巻いています。三一独立運動から100年でもあり、『週刊ダイヤモンド』2月23日号の特集は、その背景を元駐日韓国大使(Kak-Soo Shin)に聞きました。そうした韓国の対応について表に出ている声だけが韓国全体の日本に対する考え方ではないと元大使は、変化する北朝鮮の見合わせて冷静な判断を求めています。ここに記事の抜粋を紹介します。(聞き手/『週刊ダイヤモンド』編集部 片田江康男)

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 米朝会議後、アメリカの態度は非核化が出来るまで制裁を維持するつもりです。韓米はワーキンググループを発足させ、これまでの意見の食い違いを調整を図ろうとしています。北朝鮮の核開発は続けられていると見られています。国際社会は今、北朝鮮に対して非常に厳しい目を向けています。非核化には米国と日本との協力は欠かせません。今の文在寅政権の対北朝鮮政策が国際社会と歩調が合っていないのは、極東アジアの平和構築に不安定要素を作ってしまいます。韓国は日本との関係がいかに大切であるかということを、よく考えるべきだと思います。そして日本も、韓国が大事な存在だということを考えるべきです。

 私(Kak-Soo Shin)は1977年に韓国外交部に入り、その時から韓日関係のコードワードだったのが「未来志向」です。40年経っても変わらないでいますね。それに未来志向というのは、過去をすべて忘れるというような印象をも与えています。そうではなくて、過去も現在も未来も、ともに考えることが大事で、それが韓日関係を進展させるために必要だと思います。

 南北融和を目指すこと自体は、分断国家として当然の外交目標です。その方針自体が間違っているというわけではありません。ただ核武装が実際に近づいているということをよく理解して、南北融和よりも核問題の解決が優先されるべきだということです。韓国は今、ちょっと急いでしまっています。このままでは、北朝鮮の思惑通りになってしまうということを心配しています。

 ですから、徴用工の問題についても文在寅政権が引き起こした問題ということではないということを振り返って欲しいのです。「強制連行先で被爆した責任は三菱重工や日本政府にある」として未払い賃金や損害賠償を求めた「三菱広島元徴用工裁判」は広島最高裁において勝訴しました。中国人強制連行については、新潟勝訴、福岡敗訴、広島勝訴と司法判断が揺れていますが、一連の裁判は日弁連が支援していました。知日派であった李明博大統領の政権終盤となった時期に、2012 年5月24日、大法院判決(大法院は二つの判決を出しており、ひとつは朝鮮人女子勤労挺身隊として三菱航空機製作所に動員され、広島の工場にて被爆し、日本の敗戦直後、韓国に戻った韓国人たちが原告となった裁判が日本で敗訴。三菱重工に対して韓国の裁判所に提訴した訴訟では旧日本製鉄に徴用された原告らの事案も裁かれた)が出ました。

 こうなると韓国政府は、それまでの日韓基本条約に従うにも、この判決が出ては司法の判断に従わないと、韓国憲法に反することになります。一方で、司法の判断に従えば、日本との外交紛争に発展する。政権は板挟みになってしまいました。さら悪い事に、判決後の7月11日には大統領の 兄の李相得逮捕、李政権は動きが取りにくくなりました。8月10日 - 韓国の歴代大統領として初めて竹島(韓国名:独島)に上陸する挙に出たり、同月14日 - 韓国教員大学校での講演で天皇の謝罪を要求する話を出すようにまでなりました。

 不評をかった李政権に代わって朴槿恵が政権を取って、初の女性大統領となっても、日韓関係は硬直したままでした。それでも2015年12月28日には日本政府とを成立させ、2016年3月には日米韓が対北朝鮮ではあらゆる協力をすることで一致させました。さらに、同年6月には北朝鮮への対策で日米韓は初のミサイル防衛共同演習を行ったのです。また、職務停止直前の同年11月には再び日米韓で合同訓練を行い、野党の反対を押し切って日韓の初の防衛協力協定を締結しました。しかし、12月9日、国会で弾劾訴追案が可決され、罷免され収監されいます。つまり、2012年の司法の判断後、立法府の最高責任者二人が建て続いて逮捕、起訴されて、しかも朴政権は任期中に逮捕となりました。続いて2018年には李前大統領も、3月に 横領・収賄などの容疑でソウル中央地検に逮捕、4月に起訴されています。

 韓国国内では民衆がデモに次ぐデモを辞さない事情になって、政治に対する不満がおさまらない。そこで反日活動をする団体が表だっての活動する条件が常に起きてしまうのです。

 日本企業は中国強制労働被害者への戦後補償について、基金を設立して和解のために努力していました。日本政府は中国にODAを通して、賠償金よりも遥かに大きな資金を拠出しています。

 私(Kak-Soo Shin)は慰安婦問題日韓合意で設置した財団の解散には反対でした。しかし、解散してしまった。韓国政府は日本から拠出されて使った残りの57億ウォンを、合意の精神に合う形で、どのように使っていくのか。日本政府と協力して具体的な案を韓国側がつくっていくことが重要です。そうでなければ、進展しません。

 過去史の問題は、アイデンティティの問題であり、慰安婦、徴用工といった高齢の被害者への気持ち、ハートの問題で、他の事とは違います。もちろんハートで判断するということは確かにあると思いますが、社会の全てがそこだけを取沙汰すということでもないです。ですから、今年も750万人以上の韓国人が日本を訪れています。これは、日本人が強制連行された者の人権に対しても裁判を起こすという対応して、広島などのいくつかの裁判で原告勝訴を勝ち取ったのに始まり、日本人の良いところを認めているからです。

 他方、韓国にある種の「親日フレーム」があり、その枠にはまって韓日関係を重要視、関係改善へ向けて発言することを難しくする雰囲気があります。更に、その雰囲気をSNSが増幅するのです。そのため、一般には親日と思われるような声は表向きにはなかなか出せません。このような韓日関係が好ましくないと思っている人はたくさんいます。ですから表に出ている声が、韓国全体の考え方だと思ってはだめです。いずれ世代も代わり、メディアの報道の仕方も変わると思います。こうした韓国の事情を知らないで両国民の誤解、偏見を助長されてしまわぬよう、緻密な努力が必要で、もっと国民交流と文化交流を強化すべき時です。



 韓国大法院では、日本の寺院から盗まれ韓国で発見された仏像2体(それぞれ8世紀と14世紀に朝鮮半島で作られたとされる)のうち1体について、元の所有者と主張する韓国の寺院側の請求に基づき、日本に渡った経緯が分かるまでの占有移転・占有名義変更を禁じた大田(テジョン)地方法院の仮処分決定している。
posted by Nina at 00:00| 千葉 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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