2019年03月20日

日韓関係悪化を取りまく事情

 韓国の三一独立運動から100年となったことから、法政大学大学院教授・真壁昭夫氏の次のような論文が掲載されていて興味深かった。
                   =============

 日本にとって、韓国は我慢の限界を超えた。決定的となったのが、韓国最高裁による元徴用工への賠償命令だ。この判決は、日韓関係を戦後最悪の状況に陥れた。判決は日韓両国の協定に対する違反行為だ。韓国政府は協定違反の状態を是正しようとしていない。
 3月に入り、原告側は韓国国内にある三菱重工の資産差し押さえに向けた手続きを開始すると表明した。さらに、韓国の弁護団は、欧州における三菱重工の資産差し押さえすら目指している。日本人の常識では考えられないほど、韓国世論がわが国の企業経営に影響を及ぼしている。
 これまで日本は努めて冷静に、一縷の望みをかけて韓国に対して日韓請求権協定に基づいた協議を行うことを求めてきた。しかし、事態は悪化の一途をたどっている。世論に迎合せざるを得ない韓国政府が、日本側の呼びかけに応じることは想定しづらい。
 この状況を受け日本は、韓国が冷静に協議に応じると期待するのはあきらめた。わが国は、韓国を放っておく(相手にしない)わけにはいかなくなったのである。日本政府は、自国の企業を守らなければならない。原告側が資産の差し押さえに踏み切れば、わが国企業には“実害”が生じる。それを防ぐにために、政府は協議の余地を残しつつも、韓国の行動が一線を越えた際には報復措置を発動する姿勢を明確に示した。
 政府は韓国への対抗措置として100程度の選択肢をリストアップし始めた。
 具体的には、韓国製品への関税引き上げ、半導体関連素材の輸出制限などが検討されている。その上、政府は、送金の停止、およびビザの発給停止など、かなり強硬な措置も検討している。韓国側の出方次第で、さらなる報復措置が検討されるだろう。
 また、日本政府はわが国企業の資産が韓国の原告団によって現金化された場合、韓国との協議をあきらめる方針を固めたようだ。その際、政府は日韓請求権協定に記された“紛争の解決”に従い、第三国を交えた仲裁委員会の設置を求めるだろう。

■韓国の経済界などから相次ぐ危機感表明
 日本が対抗措置を準備し始めたことを受けて、韓国の経済界などは、「日本が政策転換を真剣に検討し始めた」と相次いで危機感を表明し始めた。経済人会議の延期決定に関して、韓国国内では外交問題が民間レベルの協力を困難にさせているとの指摘がある。
 韓国国内の知日派は、「過去の政権否定の延長線上で対日強硬姿勢をとるのは、国家としての信用失墜に直結する」と、深刻な認識を示している。
 これまで文氏は、政権内から「知日派」を追いやった。その分、韓国が日本と交渉することすらままならない。ただ、3月に入り、ようやく文大統領も事態の深刻さに気づき始めたようだ。 “三・一運動”から100年を記念する式典で、文氏は元徴用工への賠償問題に触れなかった。また、3月に入り文政権は内閣改造を行った。日本での勤務経験がある南官杓(ナム・グァンピョ)氏が駐日大使に内定した。それらは文氏なりの危機感の表れだろう。
 ただ、文氏が世論に迎合せざるを得ない状況に変わりはない。客観的に考えると、文大統領が日韓関係の修復に本腰を入れることはかなり難しい。韓国が日本の要望に応じる形で日韓関係が修復されるとは想定しづらい。
 企業への実害が発生する恐れが高まっている中、わが国が韓国に過度に配慮する必要はない。国際社会の中で、日本はより多くの味方を得ることに取り組めばよい。重要なのは、日本の対応と主張の正当性を冷静かつ明確に国際世論に伝え、理解と賛同を得ることだ。韓国に対しては過去の請求権を順守することを求めればよい。
 韓国国内では、反日感情にもかかわらずわが国が主導したTPP11に加盟すべきとの見方も多い。日本がTPPを拡大させ、米国に代わる多国間経済連携を促進する役割を発揮できれば、韓国国内での危機感はさらに高まるかもしれない。
 日本は、請求権協定などの政府間合意と現在進行形の経済連携協定などを駆使し、国際世論を味方につけることを最優先すべきだ。それが、対日強硬姿勢を強める韓国世論を抑え、極東地域の安定のために日韓関係を修復する現実的な方策だろう。

出典:ダイヤモンドonline(3/19)
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/韓国は日本にとっての「我慢の限界」をついに超えてしまった/ar-BBUW2ns?ocid=spartandhp#page=2 第一工業大学助教・村岡敬明氏の論文によって明らかなように、韓国の「血縁・地縁」の歴史は,韓国人にとって単なる過去ではない。一族の血縁の歴史は,地縁という価値観にもつながっている。過去の地域間抗争は現在の政治にも色濃く影響し,高権力と地位が「血縁・地縁」における集団闘争の 究極の産物となって,現代韓国政治に重くのしかかっているのである。 軍閥時代から民政時代に移行しても,「血縁・地縁」が複雑に絡んだ地域抗争は一向に収まる兆しを見せない。その他に,韓国だけの特徴として,後任者は前任者のやり方を正反対の方向に変えてしまうという習慣がある。それは政治から企業まで徹底しており,政府も企業も上司が変わると,仕事の全貌が変わってしまう。日本社会のように前例に従うという考え方は,韓国には存在しない。韓国では政治や企業という組織において,前例は前任者のやり方であり,後任者にと って全否定の対象なのである。
 2017年の大統領選挙戦の中で、文在寅氏は「過去の政治」との決別を主張した。理由は、政財界の癒着などを放置してきた過去の政権に怒り、不満を募らせる民衆の支持を取り込むためだ。文氏は革新を主張して点数を稼ぎ、大統領の座を射止めることはできた。しかし、文大統領は有権者の不満を解消できなかった。
 韓国世論はその状況に、一段の不満を募らせた。特に、最低賃金引き上げ計画の撤回は人々を失望させた。多くの国民が、「文氏に裏切られた」との認識を強めた。その結果、大統領支持率が急落した。文政権が重視してきた北朝鮮との融和政策も行き詰まった。なぜなら、北朝鮮は中国との関係を修復し、韓国と関係を強化する必要性を感じていないからだ。
 目玉政策が失敗し、文大統領は世論の反日感情を利用して政策の空回りから目をそらせるという韓国政治の常套手段に頼ることになった。韓国の政治は、怒る世論という濁流に押し流される小舟に例えられるほどに、韓国国民が政府へ運動の矛先を向けるとなると民衆が自発的に結集して政治に対峙するデモが起き、世論の影響力は強い。それは李承晩が大統領であった1960 年に起きた学生を中心とする民衆デモによって大統領が失脚し,米国に亡命したという歴史による。 それ以後の歴代大統領がも恐れるのは,北朝鮮の再南下と民衆デモである。学生や市民などの政府に対する意識は,「国民が本気になれば,政府はいつでも倒せるのだ」という体験を軸にし、いざとなると民衆デモに結集する。軍事政権下に支えられた大統領の強大な権力を もってしても,民衆デモの恐ろしさは無視できないという、世界でも韓国は非常に特殊な歴史的体験をしている。
 文政権もこうした強い世論に押し流されざるを得なくなり、それは国家間の合意すら順守できなくなった。文政権は1965年の日韓請求権協定を無視し、日本企業に元徴用工への賠償を命じた最高裁判決を尊重する姿勢をとり続けている。また、文氏は、2015年に日韓が慰安婦問題に関して「最終的かつ不可逆的に解決された」ことを確認した政府間合意をも盆を返した。いずれも、世論を押さえる最後の切り札=反日姿勢を取るという、国際的信頼より国内感情の配慮となるのだ。
 文大統領が政治生命を維持するためには、世論に迎合する姿勢をとって反日政策を旗印にして進める他に有効な策が見当たらないのだろう。よって対日強硬姿勢をとり、わが国を批判すること以外、文政権が命脈を保つことは難しくなっているということは文政権の終盤にきているともいえそうだ。
 文政権はかなり行き詰まっている。短期間でこの状況が改善される展開は想定することが難しい。


参照;file:///C:/Users/KAIZU/AppData/Local/Microsoft/Windows/INetCache/IE/84FWUF9Y/16.村岡日本語論文_10p.pdf
posted by Nina at 00:00| 千葉 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
カテゴリ
日記(3399)
ニオュ(0)
歴史(0)
chiba(60)