2018年12月11日

原発再稼働で、再生可能エネルギーの出力を制御

ポーランドで開催中の国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)で、温暖化対策の国別ランキングを発表した。日本は5段階評価で最低のグループとなる49位(昨年50位)だった。ランキング1〜3位は該当なし。温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」が掲げる産業革命前そこで、からの気温上昇を2度未満に抑える目標達成に向けて、十分な取り組みをしている国がなかったためだという。

 日本は、過去5年で再生可能エネルギー導入が進んだが、2030年度までに13年度比26%減という温室効果ガス削減目標などが不十分だと評価された。その後、原発の再稼働が進んで8基態勢となり、季節や時間帯によっては電力が余るようになってきた。今年10月以降はたびたび一部の再生エネをストップ(出力制御)するようになった。

 日本では「優先給電ルール」があり、電力が余る場合は火力発電を抑制し、他地域へ送電するなどする。そうしても電力が余る場合、太陽光や風力を抑制すると順番が決まっている。再生エネのほうを止める根拠は、原発の出力を抑える運転は、調整に時間がかかり、設備にも負担がかかるとして行わないことに。資源エネルギー庁は「制御の順番は電源の特性に応じて決めている」と説明するが、「原発温存」を疑問視する声は少なくない。

 NPO法人「環境エネルギー政策研究所」の飯田哲也所長は「原発の出力制御は可能。燃料費がかからない再生エネを最大限使うべきだ」と指摘する。原発の出力制御は原発の発電比率が8割近いフランスなどで実施され、政府内でも「将来の検討課題」との声が漏れる。エネ庁が「原発優先」にこだわり続ける背景には、東電その経営問題がある。東電が福島第1原発の廃炉や賠償費用を賄うには、収支改善効果が大きい柏崎刈羽原発の再稼働が不可欠だ。

 FIT導入以降、日照条件が良く土地も安い九州では、太陽光が急速に広がった。太陽光や風力は条件に恵まれた四国、北海道、東北などでも拡大した。さらに再可能エネルギーの普及が進めば良さそうだが、国のルールが優先されるので出力制御が各地で頻発しかねない。発電事業に詳しいコンサルタントは政府の再生エネ推進策に苦言を呈する。「優先給電ルールもFITも全国一律なのがそもそもおかしい。九州だけ原発を先に抑制するなど、地域ごとの実情に合わせて運用すべきだった」

 北海道で起きたブラックアウト(大規模停電)も、電力自由化による競争激化に苦しむ北海道電力が、収支改善のため泊原発の再稼働へ経営資源を優先投下し、発電負担を苫東厚真火力発電所へ一極集中させていたことが一因だった。

 1965年以来建設され稼動していた原子力発電は57基である。こららの原発を温存しようとする政府と電力事情が生むひずみがありありだ。2015年8月11日に川内原発1号機が再稼働後、現在では玄海原発3,4号機、川内原発1,2号機の4機は九州にある。他に、伊方原発3号機、高浜原発4号機、及び大飯原発3、4号機、全国で8機が再稼働しており、半分が九州である。エネルギー業界関係者は「日本のエネルギー政策全体が原発に縛られ、ゆがめられている。それが別々の形で象徴的に表れたのが北海道と九州だった」 と指摘した。

 ランキングは、世界56カ国と欧州連合(EU)を対象に、国民1人当たりの温室効果ガス排出量▽エネルギー供給に占める再生可能エネルギーの割合――など14の指標を分析した。

 4位は再生可能エネルギーなどの指標で評価が高かったスウェーデン(同4位)。5位はモロッコ(同6位)、6位はリトアニア(同5位)だった。

 中国は世界最大の排出国であるが、日本ほど原発がないので、再生可能エネルギー導入拡大などの評価で33位(同41位)、前回より5段階評価となって、初めて真ん中のグループに入った。
   
 パリ協定からの離脱を表明した米国は59位(同56位)。最下位はサウジアラビア。

参照:毎日新聞(12/5、11)

posted by Nina at 18:41| 千葉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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