それから、70年余の歳月がたちますが、国内外の下記@〜⓸の国際調査結果を元に、「日本人の情報民度」を検証したデータがあります(青山貞一:2012年)。その結果、日本人が世界で最もマスコミ報道を鵜呑みにし、信じやすいことがわかったと言います。
@株式会社 日本リサーチセンター
Aギャラップ(米国)
B株式会社 ノルド社会環境調査研究所
C財団法人 新聞通信調査会
たとえば、公益財団法人 新聞通信調査会による全国世論調査の結果を発表したが、各メディアの情報の信頼度に関する質問で「全面的に信頼している」を100点とした場合、 NHKテレビが73・5点、新聞が70・9点、民放テレビは63・6点、インターネットは58・2点であった。2010年末
イギリス 14%
アメリカ 26%
ロシア 29%
イタリア 34%
フランス 35%
ドイツ 36%
インド 60%
ナイジェリア 63%
中国 64%
韓国 65%
フィリピン 69.5%
日本 70.2%
日本人は世界で一番、マスコミの報道を鵜呑みにする、いわば「情報リテラシーが低い」国民と言えるようです。
それこそ、江戸時代の識字率は世界で最も優秀で、それ以降の時代に新聞発行部数、新聞メディアの一般普及率は軍を抜いて高い。日本人は、読んで聞いて社会を理解するノウハウをいち早く持ったと言えます。しかし、戦争中は大本営の発表に疑いを持たず戦争へと誘導された歴史があります。
現代のメディアの大きな矛盾は、スポンサーの影響力が大きくあります。全てが怪しいとは言いませんが、情報が企業の都合の上に誘導されていく、国内世論や常識や価値観を意図的に作られている事もあります。マスコミの情報操作による世論誘導に最も陥りやすくなっています。
「朝日新聞は中国の意向に沿わない記事は書かない」と1970年広岡知男社長が明言しといわれていますが、前回の衆議院選の時に、安倍総理が古館一郎がキャスターを務める報道ステーションだけ出演しないという事がありました。録画で前後を切り貼りして編集する報道に警笛を鳴らしたのだとも言われます。こうした事情も私たちは理解し、ただ単に得られる情報を鵜呑みにするのではなく、自分で調べ、見聞きしなければなりません。
上記のデータ分析で、つまり日本人の70%は自分の頭で考えず(思考停止)、テレビ、新聞、週刊誌などのマスコミの情報を鵜呑みにしていること、情報操作による世論誘導をされやすい国民性であることが分かります。自分で中身を確かめず、ブランド、権威で判断してしまうことにも通じます。しかしながら、日本にあっても70%以外の人々は、インターネット時代にあって、YouTube、USTREAM, Daily-motionなど、ソーシャルメディアを使うので、テレビ、新聞の情報以外の情報に触れ、自然に海外の情報を得るようになっている。またKindle、各種PC,iPad、スマホを身近に持って、自分でさまざまなルートで情報を得、自分で考え、自分で判断している人たちがいるのは、今後にこの部分のシェアがひろまるよう期待します。
※情報リテラシーとは、情報を鵜呑みにせず、事実認識と価値判断を自らする。
参考HP:http://eritokyo.jp/independent/aoyama-democ14060...html
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