本書では、転職、副業、起業するうえで抑えておきたい、著者ならではの思考術を余すことなく公開。
〈本書の内容〉
●第1章 老後に野垂れ死にたくなければ、一刻も早く会社を去れ
●第2章 スキルアップする暇があったら地方に飛び込め! 一発逆転の転職術
●第3章 語学は後回しでいい。さっさと海外で働いてしまえ
●第4章 会社を辞められないなら、一つの趣味に全精力を傾けよ
●第5章 勤めながらでもOK! 超速で自分の会社を設立せよ
●第6章 自分を縛りつける「壁」を壊して、賢く
未来の予測に最も役立つのが、人口学だと言われている。何年後かの人口は、ほぼ正確に予測できるからだ。
国立社会保障・人口問題研究所によれば、2042年、65歳以上の高齢者は3935万人にも達するという。
2053年には人口も1億を下回ると予測されているから、人口の40%近くが高齢者になるという計算だ。
だから、人口減少と少子高齢化に伴って起こる未来予測は、時期のずれは少しはあったとしても、ほぼ正確に必ず起こる。
人口減少と少子高齢化によって引き起こされる問題は多岐にわたる。
たとえば、「大学の倒産」「地方の中小企業の後継者難による廃業や倒産」「地方の伝統行事の消滅」「さらなる人手不足」「地方の交通機関の撤退や縮小」「空き家や耕作放棄地の増大」「地方の市町村の消滅」「税収減による公共サービスの低下や劣化」「町内会や自治会の崩壊」等々だ。
政治や経済や経営、あるいは、IT技術などの未来の予測はつけにくくても、人口減少と高齢化社会は見える未来だ。
変化は加速し、様々な方向に波及し、その結果、思ってもみなかった方向に進むからだ。
本書には、厳しい指摘だけでなく、これからをどうすればいいかというポジティブな策も数多く列挙されている。
確かに、どんな天変地異が起ころうとも、日本に100%やってくる未来が、人口減少と少子高齢化であるのは間違いない。
2040年ごろには、ほとんどの団塊ジュニア世代が65歳以上となり、高齢人口がピークを迎える。
地方に行くと、その割合はさらに増える。
秋田県に至っては、2045年に人口の50%以上が65歳以上の高齢者になると予測されている。
このような状況が予想できるわけだが、本当に恐ろしいのは何かといえば、「お金」の問題である。
客観的に考えていくと、どう見積もっても、ミドル・エイジは、この先、いばらの道を歩まざるをえない。
まずは年金と社会保険の問題だ。 今の40代が高齢者になるころには、年金の給付額は大幅に減るのは間違いない。
現行の制度のままでは現役世代がつぶれてしまうから、社会保険は持ちこたえられなくなる。
そうなると、キーワードは「地方」と「海外」だ。 高齢者への社会保険の給付を減らすことも起きるだろう。
健康保険や介護保険を利用するときの自己負担割合で 現在の医療費の負担割合は70歳までが3割、70〜74歳が2割(現役並みの所得者は3割)、75歳以上が1割(同)だが、これにメスが入るのも避けられない。70歳までは5〜6割を負担、75歳以上も3〜4割を負担という予想もできる。
そんな厳しい状況に拍車をかけるのは、増税だ。
2018年3月の時点で、国の借金は1087兆8130億円に膨れあがっている。
借金を返すにも、国の基本的な収支をあらわすプライマリーバランスはずっとマイナス(赤字)だから、減るどころか増える一方。
今でも返せないのに、今後は人口減によって、さらに税収が減るから、もはや生易しいやり方では返せまい。
いずれにしても、国として税金を上げるのは避けれられないことだ。
こうした経済環境の変化を勘案すると、残念ながら、次のような未来が予想できる。
それは、「老後のそれなりの資金がなければ、生活苦に陥る」ということだ。
医療や介護サービスもお金がかかる。
預貯金を減らすだけのような老後を漫然と迎えるだけでは、その先は生活苦が待っている。
そうならないためには、いまのうちから手を打つことが必要だ。
その1つは、稼いだお金を貯めて、それを資産運用に回すこと。
資産運用も大事だが、最も重要なのは、お金を稼げる自分であり続けることだ。
60代になっても70代になっても稼ぐことができれば、社会保険に頼らなくても、インフレが来ても打つ手は見つかる。
「人口減少と少子高齢化」の時代を面白きことなきを面白く、たくましく生き抜きたい。
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