働く女性たちE-womenに属する参加者に、安倍政権続投の可否をアンケートしたところ、続投に反対が7割以上となっていました、その意見の主だったものを纏めていましたので、下記にご紹介です。
国の予算をどこに振り向けるか、という論議をするときに、大砲(軍事)かバター(民生)か、という言い方をします。GDPの成長があまり期待できない時代ですから、大砲かバターかの問いは切実度がましています。>自民党の次の総裁に期待する政策として、「防衛費の青天井の予算から、福祉、医療、教育、子育て、少子高齢化へのシフトを強く望む」という意見が出ました。来年度予算の編成に向けた各省庁の概算要求では、防衛省の防衛関係費が今年度の予算額に比べ7.1%増で、厚生労働省の2.5%増よりも伸び率が大きく、いわば突出した数字になっていますから、大砲よりもバターという意見が出てくるのだと思います。「老後も年金だけで安心して暮らせる」のような年金改革を政策として望む意見もありました。これもバター重視論でしょう。
上記のように、バター派の人は、安倍首相の続投にはノーという傾向が強いようですが、安倍首相の外交政策や安全保障政策は、北朝鮮や中国などとの緊張を高めるという不安を感じるのでしょう。「内心は、憲法改正をしたいだけ」と続投にはノーという判断でした。安全保障論議で、憲法9条の2項(戦力不保持)の削除を求める石破氏は、安倍首相以上のタカ派のように思えますが、憲法改正には「国民の深い理解が必要」として、納得を得るために時間をかけてもという立場を示したことから、いまでは「隠れ護憲論者」といった見方もされているようです。安全保障や外交、憲法改正については、安倍氏と石破氏との論争をじっくりと聞く場が期待されてきました。
次に、女性たちのアベノミクスの評価はどうか。「日銀に株価を上げさせ、表面上はアベノミクスがうまくいっているように装っている」ん)という厳しい見方がある一方、「安倍政権のまま遂行するほうが安定感がある」という見方には、アベノミクスによる経済の安定感も含まれているのでしょう、続投にはイエスという判断です。同じイエスでも、アベノミクスの成長戦略に懐疑的な見方も出ました。安倍首相が掲げる「一億総活躍、生涯現役」のスローガンは聞こえがいいが、年金の原資がないから、「もっと長く家族全員で働いてください、というのが本音」というわけです。ポストアベノミクスを掲げる石破氏は、「真の地方創成」を掲げています。大事な視点だと思いますが、具体的にどんな政策を求めているのか、ふたりのアベノミクス論争もぜひ、聞きたいです。
オリンピック後の景気後退など「様々な不都合なことは後任者に責任転嫁されてしまう」という意見です。大胆な金融緩和策を長く続ければ、それだけリスクも高まっているように思えます。オリンピックのあとは、景気が落ち込むのが通例のようで、2020年の東京オリンピックでも、そうなるのかどうかわかりませんが、ポスト安倍政権がいつになるのかは別にして、その政権がアベノミクスのツケを支払うことになりそうです。
さて、リーダーシップという点からは、安倍さんと石破さんへの評価と期待はどうでしょうか。「安倍一強」という見方もある一方、世界を見渡せば、米国のトランプ政権、ロシアのプーチン政権、中国の習近平政権など、強いリーダーシップが必要な時代なのかもしれません。石破さんもリーダーシップという点では、自信があるのではないでしょうか。
2018年09月05日
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