4月の南北首脳会談と5月の朝米首脳会談が可視圏に入るまでは、「朝鮮半島の運転者」名乗ってきた大統領の仲裁努力が大きな役割をしましたが、大統領府は「これからがさらに重要だ」として、慎重な態度を維持した。やっと作られた対話のモメンタムを続けながら、究極的に朝鮮半島の非核化と平和を実現するまで、安心できないからだ。キム報道官は記者団に「息を吹きかけたら飛んでいくのではないか、握ったら壊れてしまうのではないかと、注意深くアプローチしている。相手がいる問題なので、さらに慎重にならざるを得ない」と述べた。
戦争危機説が、朝鮮半島を周辺を覆っていたわずか100日前までは、北朝鮮核問題の実質的な当事者の朝米の指導者が膝をつき合わせる場面を想像するのは極めて難しいことだった。昨年5月就任以来、一貫して韓米協力と対北朝鮮対話をともに強調してきた文大統領の役割が功を奏したというのが、大統領府内外からの評価だ。文大統領は先月10日、金正恩(キム・ジョンウン)委員長の実妹、金与正(キム・ヨジョン)特使が訪韓し、南北首脳会談を提案した時も、「環境を整えて実現させよう」としながら慎重な泰治を示した。
北朝鮮と米国の最高指導者から「会う」という回答を引き出した文大統領の前には、南北首脳会談と朝米首脳会談で朝鮮半島の非核化に向けた実質的な結果が出るよう、主導または仲裁しなければならない課題が残されている。2000年にも、金正日(キム・ジョンイル)総書記とビル・クリントン大統領の朝米首脳会談が結局取りやめになるなど、過去の失敗事例がある。ドナルド・トランプと金正恩という新しい指導者たちが、核兵力の高度化という新たな条件のもと、探索的対話や「言葉対言葉、行動対行動」の原則を越えて直接向かい合う形の対話という点で、期待が高まっているが、これまで経験しなかった問題が生じる可能性もある。
このため、文大統領は、北朝鮮と首脳間のホットラインを設置して南北首脳会談に向けた実務接触を続け、対話・交流の雰囲気を維持していく予定だ。一方、米国に対しては、北朝鮮との対話の意思を撤回しないよう引き止めながら、対話局面の維持に努めなければならない。
文大統領は今後、中国や日本、ロシアなど周辺国から強力な支持と協力を引き出すことにも力を入れるものとみられる。南北米中日ロという北朝鮮核問題の解決に向けた6カ国協議関係国を、同じ方向に導かなければならない。大統領府関係者は「文大統領の視線は南北、朝米のツー・トラックを基に6カ国協議の復元に向かっている」と話した。6カ国協議を通じて、朝鮮半島非核化と恒久的平和を国際社会における不可逆的な流れにしていくということだ。文大統領が同日明らかにした米朝首脳会談に対する立場を「今日の結果が出るまで、関心と愛情を示してくれた世界各国の指導者たちにも感謝の気持ちを伝える」ことで締めくくっただった。
トランプ大統領を含め、米国の主要閣僚と議会指導者らに会ったチョン・ウィヨン大統領府国家安保室長とソ・フン国家情報院長は11日の帰国直後、日本や中国、ロシアを訪問し、訪朝結果を説明する予定だ。大統領府は「ソ・フ国家情報院長とナム・グァンピョ大統領府国家安保室2次長が12〜13日、日本を訪問し、河野太郎外相などに会い、特使団の訪朝結果を共有すると共に、朝鮮半島周辺情勢について協議する予定」だと明らかにした。チョン・ウィヨン大統領府国家安保室長、ソ・フン国家情報院長などは、中国とロシア訪問日程も調整中だ。大統領府関係者は「(中日ロ)首脳らが直接チョン室長などから聞きたいことがあれば、面会することになるかもしれない」と話した。
キム・ボヒョプ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2018-03-10 05:00
http://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/835463.html
訳H.J
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出典HP: HANKYOREH
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/29989.html
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