北アメリカが原産地で、日本へは明治時代に導入されたのだそうで、学名:Magnolia grandifloraは別名をハクレンボク(白蓮木)。日本では泰山木・大山木といいます。大輪の白い花と、常緑で光沢のある葉の深緑色との対比は非常に美しいものです。
植樹したての最初の1,2年は、フェンスよりも背が低く、幹も細々としていても、大きな純白の香りのよい花をいくつも咲かせました。その後、どんどん伸び大きくなるため、バサバッサと剪定して、我が家のタイサンボクは花が咲く木であったとも忘れていました。それが、筑波大のキャンパスブリッジから見下ろす場所に大きく枝葉を広げるタイサンボクにいくつも白い花をつけてるのに出会って、その馥郁たる香りをさせているのに気付いて、ウチの樹は怠け者化した、と思っていました。そのうちに、葉の裏面に、蜂が巣をつけて決死の覚悟で巣を落とすという、面倒なことが二年ほど続きました。昨年、次の年に花を付けなかったら、切ってしまおうかと思って、ともかく延びる芽を摘むのを少しゆるめにし、久々に肥料を捲いたり、水やりを心掛けたところ、ついに花が一つ咲いたのでした。
この際に花言葉を調べると「前途洋々(今後の人生が大きく開けていて」 「希望に満ちあふれている)」 「壮麗(大きく立派で美しい)」 「威厳をつける」だそうです。待ったかいがありました!この花の甘い香りはゲラン、ジバンシィといった香水にも入っているのだとか。
前年には、桃の木の葉が病気になってばかりいて、花などつくわけがないという状態でしたので、この際に切ってしまおうかと思っていたら、春先に鈴なりの桃色の花をつけたので、当ブログでも花の写真を掲載しました。しかも、実まで鈴なりに成りとなったため、摘果して、実が大きくなるのを待っていると、家族で愉しむに十分なほどに、完熟小粒桃を味わう事ができました。夏椿もしばらく花がつかなくなったのに、10ほども花をつけ、しかし、今年の夏前には半分が枯れ木になっておりました。樹はそれなりに、主人の気分(手入れ)で、根付いて以降の無関心を感じ取るのかしらんと思うこの頃。ノウゼンカズラとムクゲノの花がたわわにフェンス越しの路に落ちないよう、今年は早めに枝を切り、それでも落花を帚で追いかけっこの掃除です。
お隣のお宅の駐車場に越境し、頭上の電線に近づこうとする勢いになっているので、これをどう矯めるか、抜いてしまうか、
"To be or not to be "の課題です。
<育成要領>
タイサンボクは剪定しても芽吹きやすく、バッサリいっても、スグに元の樹形に戻るので、 一般家庭では樹高を抑えるよう枝を切り、上方の枝の混み過ぎた枝を間引き、伸びすぎた枝を切る。枝を切る際は中途の位置で切ると見た目が不自然になるので、分岐している付け根で切る。
タイサンボクは花が散ってまもなくして、枝の内部で花芽が形成される。この花芽が翌年の花になるので、その枝を切り詰めると花が咲かなくなる。花の終わるまでの時期に間延びした枝は花芽にならない。生長する 勢いの強い枝を見極めやすい10月〜12月が、花芽かどうかが一目で分かる剪定適期だ。それ以上遅いと花芽を切ってしまうことになる。花芽は比較的短い枝、芽が吹かないやや勢いの弱い枝につきやすい傾向があるので、この短い枝はできるだけいじらないようにする。
タイサンボクは年間で50cmほど生育するため、放置していると20mにもなり、はしごを掛けても剪定できないことに。通常のタイサンボクはかなり生長しないと花が咲かず、 花径は30センチほど、花冠は杯状となり、日本の樹木の花としては最大である。樹の先端に上向きに開花し、開花後に大きな花は茶色く変色して見苦しく、どちらかというと、樹形を楽しむもの。 一般家庭での植栽には樹高が低い園芸品種’リトルジェム’がよい。若木のうちから花をつけ、かなり低いところにある枝にも花が咲く。花径15pほどの白い大きな花が咲き、ほどよい香りもあり、枝が伸びるにつれて次々と開花、四季咲き性が強く、春から晩秋まで開花する。リトルジェム’でも放任すると3〜5mほどになる。
定植する際、やや湿り気のある肥沃な土が適し、やせた土地では腐葉土、元肥をやる程度で。肥料を与えるとすれば、2月、3月頃と花後すぐに油かすと化成肥料を同量混ぜ合わせたものを少量与えるが、肥料が多すぎると花がつきにくくなるので注意。一般家庭では大きくなりすぎても困るので不要。元々亜熱帯の植物なので、夏の暑さに強く、水やり不要。真夏にあまりに日照りが続くようであれば、水やりする程度。
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