ご自身も剣の道を究めようとされ、その指導もされた方がおられたが、そのような方でも晩年の十年くらいは脳卒中のために四肢麻痺で、口もきけない日々を過ごすことになった。 剣で鍛えた体はなかなか衰えず、かえって長く苦しむ結果になったのです。
この事例、あるいは人の上に立つような仕事上、あるいは本人の修業上のことで徳を積むだけでは充分でないことを示している。
このような方々も、身を慎み、一人でできたような大言せず、他人の批判をしないなどという日々の努力のほうが重要だと述べる。
禅の書に、「好事も無きにしかず」とか「無事是貴人(ぶじこれきにん)」などと書かれている。
これは、「楽中苦あり、苦中楽あり」という因縁の法則にも関係している。
「好事も無きにしかず」とは、 良き事や目出たいことに執着するな、安易に好事を喜ぶな次が怖いぞとの戒め。
人の上に立つ人、指導する立場になって、 本を書いたり、講師になったりすると、どうしてもそこに慢心、驕りが生まれやすい。
注意を言う人もいなくなり、一見 順調なときほど落とし穴があり、人生のひっかけ問題もある。
是がすなわち、「好事魔多し」。
若い時には、表だって評価されることもない、または不遇だったとしても、それは借金があって払って返していくのだから、その後努力が尊い学びになる。
しかし、晩年何かよいことが起こるということは、不幸が待ち構えているかもしれず、晩年に美味い話は、むしろない方がよい。
だったら、人に分ける方が心豊かに生きられる。
幸田露伴は、「惜福、分福、植福」と、好事の時にあっては三福が有効だと訓える。
惜福とは、福を使い尽くさないこと、惜しむこと。大事に使うこと。
分福とは、まわりのみんなに福を分けること。
植福とは、福の種をまき、その木を植え、子孫(後世)にその果実を残すこと。
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