無能唱元師の言葉に、 『「魅は与によって生じ、求(ぐ)によって滅す」 (人蕩し術)』、というものがある。魅力というのは、人に与えることによって生まれるが、求めることによって無くなってしまう。 欲しい欲しいとねだる人や、いつももらってばかりで一つも返さない人には魅力を感じない。
「返報性の原理」という言葉がある。人は何か他の人からプレゼントやおみやげをもらったりすると、その相手に対して「お返しをしなければいけないと思う」、この感情を言う。魅力のない人は、この返報性の原理からはずれている人だ。下心なしに、与えることの多い、魅力ある人をめざしたい。
カート・モーテンセン は、『心をつかむ技術』の中で、誰かから何かをしてもらったときに、「なんとしてでも、このお返しをしなければならない」という心理が働くという。「人に親切にすれば自分も親切にしてもらえる(情けは人の為ならず)」ということわざは、どの文化圏にもあてはまるようだ。たとえば、相手が笑顔を見せてくれれば自分も笑顔を見せようとするし、相手がほめてくれれば気分は高揚する。 あなたが与えることができるものを考えてみよう。たとえば、次のようなリストができる。サービス、情報、譲歩、秘密、ほめ言葉、笑顔、贈り物、招待状、時間・・・。相手があなたの行為を誠実で、妙な下心がないと思う場合に限られるし、それが伝わらなくてはリターンはされない。心をつかむ達人になるためには、まず自らの動機が不純でないか、自らが何を還元していきたいと考えているか、きちんと伝わるかも検証すべきだ。
市役所が関わる農産物直販所は、この冬の急激な寒さもあって野菜の出荷量が減った。特に加工品の売り上げは、その人件費の方が高額になって、売り上げに見合わないでいるとの報告が上がった。ますますのサービス向上を考えて、無駄を省く、商圏の拡大を図って、当初に目標とした額に近づけるよう目指さないといけないだろう。つくし野では、商店街がかつて40軒以上もの時期があって、ショッピングセンターに、手芸店、本屋、文具店、ケーキ店、喫茶店、花屋もあった。どんどん増える子供たちに対応しなくてはならず、学校はプレハブ校舎を急ぎ、当時に三菱銀行には、連絡ボードで「譲ります」のコーナーがあって、そういえばそれで子供用のバイオリンを譲ってもらった記憶がある。
東急で開発された街なのでその中心に東急ストアがあって、室内プールを備えた施設、ゴルフの打ちっぱなし練習場もあった。しかし、二年前の10月に東京三菱UFJのATM機能だけになったその場所も撤去となった。その間に、東急ストアは営業を富士ガーデンに代わり、大学生になっていた娘はバイトしていた。しかし、それもある時期に閉鎖になって、二年ほども閉鎖のままだった。幸いに近所にはイシイ青果店があったので、ご近所へ配達をしてくれていた。それでも住民努力で東急にかけあって「生鮮食品館」というスーパーが雑貨なども扱う、複合スパーとして営業そ始めた。小さな喫茶店がバス通り沿いにできた、久寺家商店街と言われたところにもカフェができた。集合住宅が20棟以上も建ち、戸建て住宅がその周りを囲む、世帯数は一見変らないが、かつての4人家族の働き盛りは高齢者となり、子供は巣立ってしまえば必然的に消費は半減以上ということだ。
東急はスーパーの駐車場部分の地権者だったが、3区画の建売住宅として販売、場合によって残りの部分も転売するという話になった。土地建物は複雑な権利関係で表向きには見えないが、それでは残る20台分もない駐車場部分も無計画に住宅になってしまったら「生鮮食品館」の来店者が車で来なくなってしまう。その間に、スーパーの部分の土地建物の権利が東急から他者に移っていた。生鮮館が店を閉じるという話になったのはATMが無くなって一年後のことだった。幸いに、新たな引き合いがあって「新鮮市場」となってスーパーが再開された。安売り広告で行列ができるほどの来客数だが、それは「あびこん」開設当初の現象にも見られた。
同じことをしていたら、人は来ない。やさしい事ではないが、リピートしてもらう魅力を工夫しなくてはいけない。市役所は住民へのサービス業でもあることもよくよく意識して、これからは、財源が減少し、公共サービスに関しては値上げもありだとなるとも考えられるのだから、サービスをどのように提供して、市民の支持を得られるか、きちんと認識していかなくてはならない。今まではリピートを求めるなど考えずとも職員給与は確保され、退職金・年金がつつがなく払われた。(因みに、議員年金があると思われるいるらしいが、2016年の時点で議員年金も破綻しており、かつ議員には退職金はあるわけないのですが、一説に秘書がいて、かばん持ちがいる国会議員と同様な待遇に市議会議員も待遇されていると誤解する人もいるらしい)住民税が街の主だった収入である街は、よほど住民の暮らしに目端を聞かせていかないといけない。
2018年09月30日
この記事へのコメント
コメントを書く