味噌はたんぱく質やアミノ酸などが豊富で、栄養バランスに優れた発酵食品。
世界の無形文化遺産となって、ますますの和食への関心が高まり、日本酒の上手さも知られてきて、輸出が急増する中、最近では味噌にも注目が集まり、空前の“MISOブーム”が巻き起こっている。
経産省の統計によれば、40年前の海外への味噌の輸出量は1012トンで2億6000万円程度だったが、2010年に1万トンを超え、一昨年は約1万5000トン、金額にして約30億円以上にまで増えている。
「まだ統計は出ていませんが、昨年も1万5000トン以上の輸出が見込まれている。国内にはおよそ8百の事業所があり、市場規模は出荷額ベースで1276億円。人口減少の影響もあって国内の出荷・消費はここ数年、微減か横ばいが続いている。一方で、それを補うかたちで輸出が伸び続けている。
農水省のデータでは、海外の和食レストランは'06年に2万4000軒だったのが、昨年には11万8000軒となり、この10年余りで約5倍に増えている。
「和食は健康にいいという世界的な健康志向の強まりに加え、日本を訪れる外国人観光客の口コミも大きい。経産省発表による味噌の輸出先の内訳は、北米とアジア地域が全体の7割を占め、次にEUとなっている。中でも最も多いのがアメリカで、業界最大手のマルコメ(本社:長野県長野市)はロサンゼルスの工場で現地生産しているが、それでも足りずに日本から輸出している。それほど需要が高まっている」(フードライター)
各味噌メーカーは、さらに輸出を増やすために商品開発を続ける。特に注目されているのが、長野県に本社を置く業界3位、ひかり味噌が売り出す“オーガニック味噌”だという。
「この味噌は、赤、白、減塩、西京、だし、玄米、豆豆腐と種類が豊富で、パッケージは英語表記。白・赤味噌については7カ国語のラベルも用意され、アジアやEU諸国でロングセラー商品となっている。即席味噌汁の売上も好調です」(料理研究家)
またEU域内では、チーズやワインなど発酵食品になじみがあり、味噌を受け入れやすい土壌がある。こうした和食ブームに乗り、政府は農林水産物・食品の輸出額を19年に1兆円にする目標を掲げています」(経済ジャーナリスト)
17年の味噌の輸出先は、北米とアジア地域が全体の7割を占め、次いでEUとなっている。1月から11月の累計で、輸出量がもっとも多いのは米国で3818トン。以下、韓国1385トン、タイ949トン、中国858トン、台湾801トンとなっている。EU域内では、フランス599トン、英国550トン、オランダ368トンなどが目立つ。意外なところではサウジアラビア、カタールなど中東諸国の名前も出てくる。味噌は今や世界各地に、その味を広めているのだ。
2018年02月24日
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