ランドセルが5個、市役所守衛によって発見された。
このストーリーは、テレビアニメの主人公が施設で育ち、長じて覆面レスラー・タイガーマスクとなった話から、実際のリングに「タイガーマスク」タイアップ企画として覆面レスラーが誕生した。リングで高い人気を誇るようになり、瓢箪からコマならぬ、アニメがもたらした現実世界のプロレスラーとなって人気を博し、現在まで引き継がれている。アニメでは悪役相手に活躍し、出身施設にファイトマネーを寄付する心優しいヒーローであり、覆面を脱いだときの名が伊達直人なのである。その恵まれない子供への姿勢に感銘を受けた奇特な男性が、自身の幼少期の貧しい体験を思いかえして、井伊達直人との名でランドセルをプレゼントすることにした。初代タイガーマスクとしてリングで活躍したプロレスラーの佐山聡さんが、平成23年に恵まれない子供を支援する「初代タイガーマスク基金」を立ち上げていたので、伊達直人の名によってランドセルを寄附する活動を既に19年も続けていた河村正剛さんは狭山さんに同年に名乗り出た。河村さんの熱い思いに心を打たれて佐山さんも意気投合、河村さんに同基金に理事として参加してもらったという。そして、昨年に正体を明かしたという訳だった。 河村さんは伊達直人としての正体を「普通の人」と強調する。一方で、自身がきっかけとなって広がった現象については「ありがたい。世の中には優しい方がたくさんいると感じた」という。社会的にも養護施設にたいして世の中の関心が高まったことなど、一定の手応えを感じたという。
そして、河村さんは 「できる範囲でいい。まずは自分の家族を愛して抱きしめてほしい。みんながそうすれば、愛情にあぶれる子供はいなくなる」
我孫子の市民グループの方々から、市議会にはランドセルが変えない子どももいる、生活保護を受ける家庭への学費支援が入学後に行われることに対して、入学前に準備金を支給するように手続きを見直してほしいとの意見が出されて、我孫子市議会もこの要請を指示して、予算執行が早められることになった。ランドセルが変えない家庭がなくなるはずであるが、ちょうどこの決定がされた直後にも、今年もランドセルが届けられていたことは、善意のひとのいることに冬の陽だまりのような温かさを感じる。
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