2017年11月01日

インターネットの次にくるもの

ケビン・ケリー「インターネットの次に来るもの」(NHK出版)、副題として「未来を決める12の法則」とあります。ともかく前向きですから、ご紹介です。

表紙をめくったカバーに「人間の歴史の中で何かを始めるのに今ほど最高の時はない。今こそが、未来の人々が振り返って『あの頃に生きて戻れれば 』という時なのだ、まだ遅くない。 」とあります。著者は哲学的な洞察が強いので抽象的な議論もあり、少々難解ではあります。 12章に分かれ副題にあるように12の法則を解説しています。

著者の基本的な言明は「今振り返ってみると、コンピューターの時代は、それらが電話に繋がれるまで、本格的に始まっていなかったのだ。コンピューターだけあっても無力だった。コンピューターのもたらしたすべての効果は、 1980年代初頭にコンピューターが電話と結びついてお互いが融合し、強固な複合体になって初めて現れたものだ」

そして「その後30年にわたって、コンピューターの計算能力とコミュニケーション・テクノロジーの融合が広がり、速度を増し、開花し進化していった。このインターネットとウェブ 、モバイルの融合されたシステムは、グローバル化した現代社会の中心へ躍り出た」さらに「重要なのは、この大きな歴史的な流れが、いまだに健在で進化していることで、それはこのトレンドが今後数十年ずっと増大しつづけることの強い確証にもなっている 」そして「本書では、今後30年を形作ることになる12の不可避のテクノロジーについて述べることにする」です。

自分の未来の可能性を信じる人、未来を模索する人、組織の未来を託された人には必読の書です。各章でのキーワードを紹介しましょう。

1. Becoming
インターネットに関しては、まだ何も始まっていないのだ。常に動き続けるものは、もはや動きとして気付かない。今こそが、人間の歴史の中で、これほど始めるのに最高の時はない。まだ遅くはないのだ。

2. Screening
本の民とスクリーンの民の間で、文化的な衝突が起こる。
本を読書中に、心の赴くバーチャルな場「読書空間」では、頭はスクリーンで読んでいる時と違う働きをする。 ウェブで何時間読んでいても、こうした読書空間に行き着く事は決してない。
ウィキペディアは最初のネットワーク化した本だ。
スクリーンは何かをあなたに説得するより、行動を引き起こす

3. Filtering
潤沢な世界において、唯一の希少性は人間のアテンションにある。
グーグルやフェイスブックの凄さは、コモディティー化したアテンションを、フィルタリングする巨大なインフラにある。すべてのテクノロジーのコストがゼロに向かっていく中で、唯一コストが増加しているのは人間の経験だ、これはコピーできない。
自分自身の行動を反映した助言やオススメに耳を傾けることで、自分が誰であるかについて見聞するのだ。
現代の経済はその中心部分で、個別化と差異化の力が働いている、それはフィルタリング・テクノロジーによってさらに増強されるだろう。

4. Questioning 
ウィキペディアの成功は、私の想像を遥かに超えるものだった。 3,500万件以上の記事が288の言語で書かれていたのだ。共同作業が力を増幅させることは、いつの時代も明白で、それは都市や文明によって証明されている。
ウィキペディア、 リナックス 、 フェイスブック 、ウーバーといった集産主義的組織は、産業化時代の個人にはできないようなことを実現してくれる。我々はソーシャルコミュニケーションをいじくり始めたばかりだ。ハイパーリンク、 WiFi 、GPS 、このレベルのイノベーションはまだ始まったばかりなのだ。
我々は起きそうもないことが起きるのが日常になる世界に向かっている。

良い時間の浪費は、創造性を高める前提条件だと思っている。さらに重要な事は遊びと仕事を合体することだ。科学は、我々の知識より無知を増やす方法なのだ。良い質問を生み出すこと、答えを理解することの労力の間には非対称性がある。質問はもっと価値を持つという逆転現象が起きているのだ。
質問をしていくとは、答える事よりも力強いのだ。

5. Beginning
シンギュラリティは物理学の用語で、そこから先は未知のフロンティアが広がるその境界を示す言葉だ。
これからの30年は、より流れていき、よりシェアしていき、よりトラッキングし、よりアクセスし、よりインタラクションし、よりスクリーンで読み、よりリミックスし、よりフィルタリングし、よりコグニファイし、より質問し、より良くなっていく。
我々は「始まっていく」 そのとば口に入るのだ。 「始まっていく」ことは、まだ始まったばかりだ。

6. Cognifying
AI企業ディープマインド(アルファGoの開発者)はゲームの遊び方を教える事はせず、遊び方をどうやって学ぶかを教えた。2002年頃Googleのラリー・ペイジは「僕らが本当に作っているのは、 AIなんだよ」と答えた。

7. Flowing
今はコンピューター化の第3段階に移行、現在主要な単位は流れとストリーミングにある。ストリーミングが取って代わる事は不可避なのだ。インターネットは世界最大のコピーマシンだ。

8. Accessing
デジタルテクノロジーは、製品のサービスへの移行を促すことで非物質化を加速する。
名詞は動詞へと変容する。
今では、ほとんど誰もがポケットにスーパーコンピュータを入れている。
これから30年、非物質化、分散化、リアルタイム化、プラットホームの有効化、クラウド化の傾向は衰えることはないだろう。
所有するよりアクセスすることで、私はいつも柔軟で新鮮な気持ちでいられる。

9. Sharing
オンラインの大衆は驚くほどシェアに積極的だ。
この10年で商業的に最も成功した三つのクリエイティブな会社、 グーグル、 フェイスブック 、 ツイッターは正しく評価されていなかったシェアを使ってだれも考えつかなかった方法で価値を生み出している。
私は常時つながっている。私がシェアし、シェアされているものは、ひっきりなしのアップデートとバージョンアップだが、そうした着実な前進こそが、私に活力を与える。

10. Remixing
本当の持続的な経済成長は、新しい資源から生まれるのではなく、既に存在する資源を再編成することで、その価値が上がり、それで達成されるのだ。
グーグルのクラウドのAIは、視覚的知能を急速に成長させている。
リミックスする、既存の素材を再構成したり再利用したりすること。

11. Interacting
現在のVRの急速な進歩を駆り立てているものは、プレゼンスとインタラクションだ。プレゼンスこそ、現在のVRの売りだ。
第二世代のVRテクノロジーは「ライトフィールド」投影だ、マイクロソフトのホロレンズとマジックリード社だ。VR画像は半透明のバイザーに投影される。
インタラクションは手話により近いものになっていくだろう。
破壊的変化を起こす最初の技術的プラットホームがパソコンだった。モバイルがその次のプラットホームで、すべてを革命的に変えてしまった。次に破壊的変化を起こすプラットホームがVRである。

12. Tracking
デジタルトラッキングによる定量化が、全く新しい身体感覚に取り込まれたのだ。
ライフストリームとは活発なトラッキングだとも考えられる。
受け身型のトラッキングはライフログと呼ばれる、それはただシンプルに機械的に自動的にすべてのもの完璧を追跡する。
コンピューターの能力を創造的に浪費することは、多くの最も成功したデジタル製品と企業の秘訣である。
あらゆるIoT 、そのIoTが浮かぶクラウドの本質はデータの追跡だ。
2020年までには毎年540億のセンサーが製造されるようになる。そして我々を監視する。


posted by Nina at 00:00| 千葉 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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