米メディアは18日、東西冷戦下の1983年に核戦争の勃発を防いだとされる旧ソ連の軍人が今年5月、ロシアの首都モスクワ近郊で死去していたと伝えた。77歳だった。
米紙ワシントン・ポストなどによると、スタニスラフ・ペトロフ中佐(当時)は83年9月26日夜、米軍の核攻撃を警戒する任務に就いていた際、5発のミサイルが発射されたとの警報を確認した。しかし、同氏は人工衛星監視システムの誤作動の可能性が「50%ある」と判断。規定通りに上官へ報告せず、結果的に報復攻撃を防いだ。
直前の同年9月1日には、ソ連軍が領空侵犯した大韓航空機を撃墜。東西間の緊張が高まっており、ペトロフ氏が「米ミサイル発射」を報告すれば、全面核戦争に発展する可能性があったとされる。
その後、ペトロフ氏は軍内で規定違反を問われ、冷遇されたが、ソ連崩壊後の90年代後半に注目されるようになり、2014年にはデンマークの監督によるドキュメンタリー映画が公開された。
出典: 【ワシントン時事】9月19日
2017年09月21日
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