既存の住宅を購入すると、土地をふくめ建物にも何千万円もの買い物になる。かつて男子一生の買い物、一家の主になるために身を粉にして働いて、家族に安心を残せる、高い買い物である持ち家とは「生き甲斐」でもあったはず、それが十年以上も経った家の建物としての価値は、日本の不動産市場では減価償却してしまう。つまり、過去の多くの事例だと、価値が半減では収まらない。土地には価値を認めるが、建物は一度使えば、古屋の扱いになるのが相場だった。日本人の新し物好きの傾向と相まって、新築であることが家を買う最大の魅力だと考えられてきたからだ。
それでも、少しずつ、中古住宅はマンションの売り買いに影響されて売買の対象となってきた。ヴィンテージの古モノを自慢する若者はわざわざ敗れたジーンズを履いている。リサイクルショップで掘り出し物を自慢することもフツーになった。お古を馬鹿にするなんて、「モッタイナイ」の精神に反する!と、なってきた。
それでも家に関しては、高い買い物であるにも関わらず「見た目と地区年数」程度で購入を決めていることがほとんどだったし、それ以外に査定の仕方がなかった。また、リフォームをする場合でも、古くなったから、傷んできたから、使いづらくなったからなど、故障、不具合を理由で行うことが大半で、住まいの状態をしっかりチェックした上で適切なメンテナンスは考えられてこなかった。
パリやロンドン、NYでふるーい建物を大事に使っていることが却って不思議だったが、そんな古い家は地震国・日本ではまず対応できないと言われてきた。それでも、耐震建築、改正法などで住宅の耐震化は進んできた。
そこに、少子高齢化で既存住宅のストックが増え続けることになるが、その余波は住まない空家、空き室がふえて防犯上も良くない。そこで、国の政策として、既存住宅の流通を活性化していくことがきまった。そのため、住宅の性能アップした住宅の状態を保持、保障するためインスペクションのニーズがでてきた。そこで住宅の基礎から検査することにより、精密な検査や補修やリフォームが必要かを把握することが可能となってきた。
http://www.mitsui-ht.co.jp/inspection/qa/index.html
国土交通省では、中古住宅売買時に行われる住宅診断について、『既存住宅インスペクション・ガイドライン』(平成25 年6 月)を策定したことによって、これに対応した住宅診断がされるようになり、住宅の快適居住の年数を延ばし、空家が増えないよう長期使用のメンテナンスや中古住宅の売買なども対策がとられるようになってきた。今までになかった住宅の保全技術です、住宅はそれこそ大きな個人財産であり、住みよく安心を長持ちさせるようネットには様々な新技術の情報が紹介されています、チェックしてみて下さい。そして、モッタイナイの精神が好ましいと言われる日本なのですから、地域の資産になるように空家の利活用をして、有用なストックに変えていくよう試みたい。