1位 フィジー(89)
2位 フィリピン(79)
2位 中国(79)
4位 ベトナム(78)
4位 インドネシア(78)
6位 パナマ(77)
6位 パプアニューギニア(77)
8位 パラグアイ(74)
8位 バングラデシュ(74)
10位 アルゼンチン(72)
10位 メキシコ(72)
カッコ内の数字は純粋幸福度(「幸福を感じている人の比率」-「不幸を感じている人の比率」)です。調査対象国は66カ国で、純粋幸福度の平均値は59ポイント。今回の調査で唯一80ポイント以上を獲得した「フィジー」(89ポイント)は、昨年の順位が2位、一昨年も1位、と圧倒的な強さを誇っています。「不幸を感じている人の比率」をマイナスせず、「幸福を感じている人の比率」だけだと、フィジーは91ポイント! これもダントツの1位で二冠達成です!
さて、日本を含む「先進7カ国(G7)」のランキングはどんな結果になったでしょうか。
25位 日本(55) ※2015年は28位
29位 カナダ(50)
33位 アメリカ(48)
35位 イギリス(47)
37位 ドイツ(46)
44位 フランス(43)
52位 イタリア(38)
世界平均の59ポイントを超えている国はなく(G7平均は47)、日本が少し善戦してます。北欧5カ国はどうでしょう?
13位 アイスランド(70)
22位 ノルウェー(56)
22位 デンマーク(56)
26位 スウェーデン(54)
52位 フィンランド(38)
世界平均の59ポイントを超えている国はアイスランドだけ。北欧5カ国の平均は55なので日本と同じレベルです。なぜ中国が2位なのか、データ詳細を確認したところ、中国の場合、国全体での調査ではなく都市部に限定されているので、だいぶ偏りがあるようです。
フィジーの村では家同士の垣根がない「つながり」の範囲がすごく広いので、結婚式や葬式、出産祝い、誕生日会などの集まり(フィジーでは「ファンクション」という)が日常的に発生します。ファンクション(集まり)があると、参加者たちが分担して準備・運営等を行うこととなり、まさに各自が機能(=ファンクション)することが必要になります。人は「誰かに必要とされている」「誰かに貢献できている」と感じるとき、幸せを実感しやすいので、頻繁に集まりがあることがフィジーの幸せを作っている1つの要因なのでしょう。
また、集まり(コミュニケーションの機会)を量産することでコミュニティの結束が強化され、幸せの源が持続可能なものへと発展しています。「家族」という言葉の範囲が村単位のコミュニティであるフィジーでは、他人の幸せも家族の幸せとして感じることができるので、不動の幸福先進国として君臨し続けているのでしょう。
国連のスポンサーを受けて、コロンビア大学が設立している「持続可能な社会の発展を目指すネットワーク(Sustainable Development Solutions Network; SDSN)」という組織があります。この組織は、2012年から、毎年「世界幸福度調査(The World Happiness Index)」という報告書を出しています。この報告書の中に「世界幸福度ランキング(Ranking of Happiness)」というのを先日掲載しました。こちらでで、幸福度とされているのは、人々がより安全・健康に生きられるよう、どれだけ優れた社会効率を追求しているかを調べて、数値として表現しているものです。世界の157カ国が調査対象とされています。
その最新版(2016年版)が発表になっています。北欧諸国でも常に上位にランキングされるスウェーデンでは、専業主婦率がわずか2%。ほとんどの女性が結婚後も仕事を持ち、そのお蔭なのか国民の幸福度ランキングは世界トップレベル。日本の専業主婦率は38%で家庭をしっかり守ることが重要と考えるのに、日々の幸福度はとかなり低い。働かない「専業主婦=幸せ」と考える女性が多いのに、満たされない裏腹な結果です。
では、スウェーデン女性たちは、これまでどんな事をして自らを幸せと自負するようになったのでしょうか。調べてみると、かつては女性が外で働くなどは、家庭が疎かになると国の政策を拒否していたのですが、それでも問題について話し合おうと、女性たちは各地で集会を開き、議論を始めたのだというのでした。そこで出た結論は、「女性の代わりに福祉を担う保育所や介護施設などを増やす必要がある」というものでした。そして実際に仕組みづくりを進めるため、女性たちが政治にどんどん進出していったのです。その結果、育児や介護支援サービスの拡充に多くの予算が配分され、法律や制度も仕事と家庭を両立しやすいように変わりました。家計を一手に担っていた男性も、家事や育児に参加できるようになったのです。税金は高くても、いざという時には守ってもらえる福祉社会ですから、気持ちにもゆとりがあるのでしょう。スウェーデンでは議員の40%以上が女性です。
日本の女性議員は今もって10%程度。子育て、介護、独居など女性が直面する問題なのですから、女性自らが関与しなければ、この国は良くは変わりません。日本は、不安ばかりを家庭内では言いながら、集会を開いて議論するなどは起きてこなかったのも、違いだったと分かりました。誰かが解決してくれることを望んで、じれったい思いではいるのでなくて、良くなるように行動してみる。デモに行くなどは言語道断、思いもよらない女性が多いとは思いますが、まずは市議会あたりからアクセスして、一緒に街を良くするよう考えてみましょう。
北欧の国々は、話し合って解決する文化が根付いているが、日本では女性はとくにはっきりと意見を言うなどはハシタナイと思われていた文化があるのではないでしょうか。教養があるとは、泰然としている、意見を言わないと、穏やかで一目おかれたりする場合が多いので、これまで意見を言う人は煙たがられる存在になりがちでした。みんなを幸せにするためなら意見を出して、みると事態は相当に変わるのでは。
デンマーク(1位)、スイス(2位)、アイスランド(3位)、ノルウェイ(4位)、フィンランド(5位)といったあたりです。その後、カナダ(6位)、オランダ(7位)、ニュージーランド(8位)、オーストラリア(9位)、スウェーデン(10位)と幸福度の高い北欧の国々が続きます。
少し飛ばして、アメリカ’(13位)、ドイツ(16位)、シンガポール(22位)、イギリス(23位)、フランス(32位)、タイ(33位)、台湾(35位)、イタリア(50位)といった国々が、日本(53位)よりも上にいます。日本以上に苦しい状況にあるのは、韓国(58位)、中国(83位)、インド(118位)です。
こうしたランキングは指標によって、先にあげたフィージー場合おも、結果に違いがあります。それでも、いずれのランキングにして、低い幸福度であるのは変わりません。今はSNSを通じて誰もが国の意思決定に影響を与えることができます。女性たちの声で世論が動くこと、国の仕組みを変えることができるのです。一人一人がとても大きな力を持っているのですから、身の回りの問題から気になる事を洗い出して良くしていきましょう。
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