GW明けに、我孫子市議会の常任委員会メンバーと議会事務局職員、企画財政部部長とで石川県野々市市、白山市に視察にいってまいりました。それをもとに今議会の質問をいたします。
そこで、「住みよい街づくりランキング」に連続上位ランクする街の様子、大学連携による転入人口の若返りについて伺ってまいりました。今後、我孫子市が住んで佳しと思われて転入、移住する人が増えていくにはどうすることが出来るのか、足元を見直す機会になりました。
近年、各自治体が『都市データパック』(東洋経済社によって、全国813市=全国790 市と東京23 区をデータ化した一冊を毎年刊行)で比較しやすくなったことから、それをもとに「住みよさランキング」の順位づけがされるようになって、今月にも24回目のランキングが発表です。2016年の現状として、我孫子市は「総合ランキングは全国」で431位、中どころと概要しておくことができるかと思います。最近は、インターネットの普及で、更に様々な指標、項目からランキングの対象になって自治体の将来性、公共費用の高安を比較して発表するようになってまいりました。その際にもっとも重要な要素が、人口の動向です。
そこで今回の質問では、我孫子の人口増加策の観点から、次の6項目によって、市長、執行部の考えを問います。
1)街の安全度と今後
ともかく、自分の住んでいる街内は安心安全面に関しては、県内はむろん、全国でも上位のはずだと思っている市民が多いとおもう。そうでなくては困るのだが、先にあげたランキングによれば我孫子市の安心度は全国で796位/813都市、千葉県内でみてもランキングで34位/37市とは、来年はどうなるかと思ってしまう。ランキング上昇の要因がないとランキングが変わらないと、更に下がる懸念もある。
低評価になっている我孫子の安全度であるが、これはどういう事だろうか。新たに住宅を選択するファミリーにとって、できるだけ安全に住もうと考えるものだ。こうしたランキングに影響される事がないようにしていきたい。民間会社のデータを元に不動産会社や銀行までもが独自のランキングをインターネットで発表するようになって、低位に評価されるのを「そんなの関係ない!」と無視できないのではないか。我孫子住民としては、実態に即していないと感じるが、実際に安全度をどのように把握されるか。県全体でも低評価だが、我孫子市としてはどのような位置づけだと認識されているか、次の
ア. ランキングの安心度の算定と影響
イ. 千葉県内の安全の位置づけの実際
について、市の見解をお示しください。
また、本年、1月、通学途中で起きた小学校3年生のベトナム少女の殺害遺棄事件で、遺体の発見現場が我孫子であった。そのことから、日々、ニュースでは常に我孫子の地名を連呼して報道を続けていた。なかなか犯人像が解明されないまま、我孫子市内でもどこに犯人が潜伏しているのかと保護者たちには不安になった。我孫子署には報道陣が押し寄せた。4月になって、犯人と思われる人物が分かってくると、守るべき大人が幼い少女に手を下したという思わぬ事態で、これも社会的なショックだった。これでは、親たちは近所の知っている人に声を掛けられても目を合せない、話をしないというような躾になりそうだ。このような事件の後、学校ではどのような対策を考えていくか。他方、大人とのコミュニケーションを取る際の注意と共に、町中での挨拶が損なわれずにできるような指導は心がけてほしいと、私は考えるのだが
ウ. 学校での対処、挨拶の指導はどのようにされるか、教育長にご答弁をお願いします。
2)住みよさランキング
ランキングで、総合評価全国1位は、隣町の印西市(千葉)だった。ランキングは昨年まで23回続いてきて、震災の年、2011年を除き、毎年更新される。震災で、本市、および周辺市はホットスポットであると分り、特に若い世帯が多数引っ越していった。ところが、印西は2012 年には総合評価において1位となって、その後5 年連続1位を続けてきた。この住みやすさランキングの算出項目には「安心度」で、印西は全国641 位と、この項目についていえば下位ほうだが、他の4 部門の評価が相対的に高く、震災後からずうと総合1位を継続してきた。「利便度」が全国3 位、「快適度」が15 位での2 部門が全国トップクラスの評価を得ている。(富裕度全国60位、住居充実176 位)だったことから総合1位になったとされる。このランキングデータでは人口、世帯数などを一つの指標としているとわかるが、総合評価が高いところはその人口が増加し続けている。
私たちの議員視察で、初日に訪れた野々市市(石川県)の「利便度」は5年連続き1 位だった。安心度トップ3(2015)で、我孫子と同様に緑豊かで落ち着いた街並みだったが、ランキング上では我孫子と大きな開きをみせている。因みに、震災翌々年2013年も「住みよさランキング」総合評価1位は千葉県印西市だったが、2位が野々市市だった。野々市市は車で30分も走れば、金沢駅に行くことができ、同じく30分くらいで海に行け、山には一時間、冬はスキーもスノボもできて、コストコまで出来ている。野々市町は自然動態の人口増加数約400人は県内第1位。
さらに、総合3位にランクされたのがお隣り守谷市だ。合併で、中核市になった柏も千葉県内上位、全国でも100位前後でした。というのであれば、こういった我孫子ぐるりの周りの都市と、そこそこランキング順位が近いのではと思うのに、予想に反して、我孫子はぐっと低位の評価に甘んじている。私には、現況は都市間の若い世代の人口争奪戦の時代になってきたように見える。つまり、こうしたデータを住宅購入や賃貸マンションなどを考える若い家族に見せて、不動産会社や銀行が引っ越し家族に判断を促す、そのデータ提供先の関係企業と契約が進む、など等の展開を期待がありそうだ。そこで、
ア. ランキングは実際を反映しているか 市の見解をお尋ねする。
こうしたランキングによって、マンション、アパートを決めたり、土地・住宅の購入して転居する人の判断に影響が出るのではないか。市としてはこうしたランキングをどう捉えて、対処するのか伺いたい。
イ. 影響をどうとらえるか
東洋経済だけでなく、住宅のSUMO、三菱UFJ銀行、SBI証券によってもランキングの公表がされるようになってきたが、市としてはこれらが住宅取得や移り住もうかと考える人たちに影響があるか無しか、どう考えているのか?
3)移住者の促進
総務省では、「全国移住ナビ」を開設、
https://www.iju-navi.soumu.go.jp/onl/chiba/?cd_jichitai=12000
インターネット検索できる。そこに各県の項目があって、クリックすると「千葉県は、暮らし満足度日本一を目指しています」と出てきて、転入してくる人に移住を呼びかけている。
人口減少の時代に入って、これもITサイトを利用することで、地方の過疎化を防ぐための情報提供をしようというものようだ。驚くことに我孫子よりも、ずっと転入人口の多い、つくば市も「移住」のパンフレットを作って、移住してくるように呼び掛けていた。これまで、移住という定義は、都心ではない相当奥地の地域に定住しもらうよう促進策とイコールなのかと思えたが、どうも、過疎の町が移住策に取り組むという考えでなく、人口の増加は多いに越したことはない、そこでまず、
ア. 我孫子市が「移住という定義」をどうとらえるか、市に伺います。
続いて、我孫子市として次の点について見解をお示しください
イ. 今後に積極的に移住対策をされていくか。
4)市外、都心の大学連携
大学施設が立地する町は、こうした都市ランキングで比較的上位にランクインしている。つまり、学生が街に住むことは、卒業の度にまた新たな大学生がやって来ることなので、常に二十代前後の世代が住み替えてくれるということだと、白山市の視察で確認してきた。大学が無い街もあることから考えると、我孫子には二つの大学および大学院があるので、恵まれているといえる。
我孫子へのアクセスは、直通乗り換えなしで東京・品川からも1時間圏内で接続した。これまで以上に便利になった。もとから、常磐線で上野、そして成田線で成田へ、千代田線で、原宿、赤坂にも直結、この街へ乗り換えなしで来られる。ということは、改めて考えてみれば、JRで東京芸術大学、国立東京海洋大学、千代田線接続では明治、中央、日本大学の学生も乗り換えなしで、新御茶ノ水から千代田線で直結。成田線、常磐線を利用して、国際福祉医療大学、日本ウエルネススポーツ大学、流通経済大学、周辺の日本語学校から通い易いエリアだ。そこで、
ア、大学生、大学院の学生(18−27歳位)の転入者、転出者数を把握されているか、また、
イ. 大学生への誘致を積極的に行うべきだと考えるが、当市としてはどのような対策をしているか。日本に来ている留学生の動向を捉えているか お示しください。
5)国際化の推進と友好都市の選定
ベトナムの小学生の少女の痛ましい事件がおきた。入学式、卒業式の時期になっても犯人が判明せず、我孫子に遺体遺棄があったことが連日、報道された。大使館の職員も我孫子署に来ていたということで、早期解決できるかどうかは国際問題の様相ともなっていた。こうした中で、残念な結果にはなったが、容疑者を我孫子市外で特定することができ、事件解明の方向性がでてきて被害者のご両親もいくらか落ち着かれたと思える。
その後に石川視察に行ったのだが、その視察先で出た話でも、近年にベトナムから来る人が激増している事情が、わかった。グローバル化、国際的な事象が身近になってくる現在、我孫子では積極的に友好都市を模索すべき時ではないか。
これまで、つまり「ふるさと創生」と言っていて各自治体に一億円をバラまいた頃から20年以上も経ち、各地で行われてきた国際交流も変わってきた。そのころ青少年、市民の数名が代表団となって親善交流に送りだされる事が主流だった。これはこれで重要な意味があったと思う。また、それとは少し異なり、個人やグループの発意で市長のメッセージを携えて渡航し、親善する人達もいた。我孫子ではフィンランド、クロアチアなどに子供の絵画交流や演劇交流を市長が応援してきた。韓国やインドネシアからの市議や市長が視察団が訪れ、我孫子市として受け入れたのもグローバル化、国際親善の一端だったと思う。
しかし、時折、我孫子市はなぜ姉妹都市交流をしないのかと残念がる声も耳にした。
私は、市に国際交流推進をするよう、当時にあった3つの市民グループに呼び掛け、結果、それがAIRA設立につながった。創設期のメンバーは我孫子市にようやく設置された国際交流基金を使って、数人の人だけが海外派遣するようなことではなく、国際交流の内容を濃いものに進めていくことを希望していたように思う。当時に熱心に耳を貸してくれた市の職員とも何度も話し合いを重ね、地道に築きあげて、もちろんいろいろな問題もあったりしたが、評価される成果もたくさん積み上げてきたと思う。
25年の筋道を振り返って、我孫子は他市とは違う、けれど良い国際交流を進めることが出来てきたと思う。因みに、当時にも我孫子市民には語学堪能で活発に海外に仕事や勉学、旅行で行く方が多かったし、駐在家族として海外体験をする方が多かったせいか、外国人の日本語習得に力を貸そうと熱心であって、国際交流協会AIRAが音頭取りをして、青少年の海外渡航をさせようとの交流話は、私の耳にも入ってこなかった。
で、今回、改めて近隣市を茨城の守屋、取手、牛久、竜ケ崎市も知れべたところ、姉妹都市交流の相手がない街は我孫子だけであったと知った。さらに我孫子を健全に豊かな場所にするために、我孫子の友好交流に一つ目的をもったパートナーをもって次のステージ、にしていくのは、市民活動に任せるばかりでなく、市も考えていただきたいと思う。
ア.我孫子市への短期滞在などによる転入策も加味した友好都市交流を考えいく。
イ.街の特徴、例えば鳥やウナギというシンボルによって我孫子のことを国内外にPRできるような交流をすることが出来るので、こうした国際交流は当市のプラスにもなる、発展的に試みる時ではないか。
6)湖北台団地の対策
柏市は、住みよさランキング(UFJ)によると、県下総合8位、全国総合114位。安全度は、県下25位と全国738位となっている。裕福度、快適度とも県内十位以内だ。
その柏市、豊四季団地が築後40年の時期に建て替えを始めていった。我孫子にも湖北台団地があり、参考になる事例だ。1970年に建てられた2,458戸の公団で92棟という中規模で開発されたのだという。湖北駅に近い好立地であるが、築47年が経過した。お住まいの方や自治会長さんにも最近の様子を伺った。住民の高齢化、建物の老朽化、空き家という問題も起きているのではないのか、柏市には、官庁の出先機関、国立大学もあって、豊四季団地の問題をモデルケースとして、建て替え、住み替えを始めたのは築40年の時だ。湖北にはどのような見通しを立てるか、具体的なお考えはいかがか。
2017年06月08日
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