日本は、近代化の歴史を振り返ってみると、世界から物事を輸入して、それを徹底的に改善し、自分たちのものにすることに長けています。で、いまこそ輸入しなければならないのは、幸福度ランキングの高い北欧の小国が、どのような社会福祉を設計し運用しているのかということだと思います(もちろん、北欧の全てを肯定するわけではありません)。
現在の日本は、10兆円ともなってきた介護保険の財源が、2025年には、2倍の20兆円必要になるという試算があります。そもそもこの財源確保自体ができるかどうか怪ぶまれているのです。また、介護業界も深刻な人手不足にあり、外国人の人材育成の策が進められることになっています。
ところで、日本は、国連の予算のうち約11%(2番目に多い)を出している国です。国連のスポンサーを受けて、コロンビア大学が設立している「持続可能な社会の発展を目指すネットワーク(Sustainable Development Solutions Network; SDSN)」という組織があります。この組織は、2012年から、毎年「世界幸福度調査(The World Happiness Index)」という報告書を出しています。この報告書は、CNNをはじめとした欧米のメディアでは大きく取り上げられています。
こうした報告書の中に「世界幸福度ランキング(Ranking of Happiness)」というものがあります。ここで、幸福度とされているのは、人々がより安全・健康に生きられるよう、どれだけ優れた社会効率を追求しているかを調べて、数値として表現しているものです。世界の157カ国が調査対象とされています。3月20日、最新の「世界幸福度報告書2017」を発表されていました。
ランキングは2012年に開始され、今年で5回目となる。155カ国を対象に、1人当たりの国内総生産(GDP)や健康寿命、困難時に信頼できる人がいるかどうか、政府や企業における汚職からの自由度などを手掛かりに幸福度を調査したものです。
1─10位はノルウエー、デンマーク、アイスランド、スイス、フィンランド、オランダ、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア、スウェーデン。
このほか、気になる国として、ドイツは16位、英国は19位、フランスは31位、米国は1ランク下がって14位だった。日本は51位、シンガポールが26位、タイが32位、台湾が33位などとなった。日本の幸福度は、前年53位、一昨年は46位だったので状況は、戦後のままで改善されていないコンプレックスのままなのかもしれません。幸福を数えるより、幸せになれないマインドなのだとしたら、少しは問題が考え方にあるのだとなりますが、それなりに満足しているのではないかなと思うのは穿ったみかたでしょうか。温泉も、和食も、身近にあって、世界一の長寿を祝うことが出来る国民が「幸せ」を実感できない理由とは、国、県、地方の政治に満足してこられなかった恨みでしょうか。
地球研究所の所長でSDSNを統括するコロンビア大学のジェフリー・サックス教授はインタビューで、米国のランク低下は不平等と不信感、汚職が原因と指摘。さらに、トランプ政権が実現を目指す経済政策は事態を悪化させるとし「富裕層対象の減税、一部の人々の保険制度からの除外、軍事費捻出のための食事配給削減と、全政策が不平等を助長するものだ。提案されているすべてが間違った方向に向いている」と述べました。
日本は、幸せな北欧の小国を羨ましくおもう、なぜなら日本が世界第3位の経済大国(名目GDPベース)の割には、51位という低い幸福度にあるからです。大きな経済規模と、低い幸福度ランキングが示しているのは「お金は稼ぐけれど、それを人々の幸福を高めるために、効率的に分配できない」というのでは、日本社会の問題です。
この状況が打破できないと、私たちは、道端で老人が息絶えているのを「下層老人」などと呼んで当たり前という社会を生み出してしまいます。すでにマンションの個室だけなのでなく、ふつうに戸建に独居していも起き孤独死は起きています。実際に見てみないと分からないけれど、北欧の介護はどこまで進んでいるのか、知ってみたくなりました。ランキングばかり気にしてもつまらないが、幸せを多くの人が感じられるほうが良いにきまっている。いくつかの「住みよい街ランキング」検索してチェックしてみると当市の結果が低いが、我孫子市民として、本音はどうなのだろうか?
2017年06月24日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック