少子高齢化が進み人口は増加から減少に転じている。2025年には、年齢構成上、人口が最も多い団塊世代約670万人がすべて75歳以上の後期高齢者となる。 国民の5人に1人が75歳以上、3人に1人が65歳以上という超高齢社会の到来、人類が未だかつてまったく体験したことがない未知の領域だ。
内閣官房に「働き方改革実現推進室」が設置され、安倍晋三首相を議長に、閣僚8人と民間人15人を構成メンバーにした「働き方改革実会議」も発足したという。テクノロジーの進化もさらに加速していく。インターネットが出現して世の中は激変したが、今後は、さらにIOT(モノのインターネット)、人工知能(AI)、ロボティックス、宇宙開発、医療など様々な分野での飛躍的な技術革新が見込まれている。 人工知能の能力が人類の叡智を超えるようになるといわれる「テクノロジカル・シンギュラリティ(技術的特異点)」の議論も現実味を増す一方だ。
まさに、江戸時代から明治時代への移行や、太平洋戦争による変化にも匹敵する歴史的大変化が、これからいよいよ本格化していくのだ。その時代に 武士や軍人がいなくなったように、今存在する多くの企業や職業が消えてなくなり、雇用形態も激変するだろう。
依存型、受け身型、横並び重視型のスタイルを返上して、周囲がどうあろうが、自らの世界観や時代感覚に基づいて、積極的に行動する「出る杭」型企業や個人を増やしていかないことには、将来的な展開は望めまい。戦後に創業された世界的企業の代表格であるホンダでは「能ある鷹は爪を出せ!」と言っていたそうだ。 創業者の本田宗一郎氏の言葉として、「通産省(現・経済産業省)に言われたことと全部反対のことをやってきた。だから、ホンダの今日がある」などというものも残っている。
最近の言葉ではKYというのもあるが、 何事もでしゃばらず、謙虚に、自分をアピールするよりも周囲に気を遣い、まずは相手を立てる。これは日本人が長い歴史の中で培ってきた美徳の一つで、特に女性に求められる傾向があった。だから、人の意見に逆らい、場の空気を乱し、出しゃばる人は嫌われる。
ところが21世紀にも通用するソニーやホンダは、むしろ積極的に場の空気を乱すような生意気な人、「出る杭」を好んで求めていたのだった。それは何故かといえば、会社の成長を支えるイノベーションというものは、大抵そういう人から生まれるからだ。あるいは、社会の危機というものも、大概そういう人によって救われる。釈迦もキリストもマホメットも、つまり、世の中全般にとっても同じことだ。
これからの何年かは、ITやIOT等の劇的な進化と人口減少もあいまって、想像絶する大変革が待っている。その変化のスピードが早い。 今までの価値観がガラガラと音を立てて崩れていく。 すでに、誰もが知っているような有名企業も倒産、または合併、買収されるのが日常茶飯事だ。
これからの時代、空気を読んで出しゃばらずなどと、目立たない、何の特徴もないような所は早晩、競争場裏から消えていく運命にある。 変化の時代は、出る杭でなければ生き残れない。(辻野晃一郎 『「出る杭」は伸ばせ!』文芸春秋)
つまり、都市経営=行政、街の考え方においても、圧倒的な違いを明確にできていければ、それが特徴となり、個性となる。そこがウリになる、住みたい街と考えてもらえるウリがあるかどうかだろう。
七夕の日に、そんな事を考えてました。
2017年07月07日
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