2017年04月24日

ジェンダーフリー、男性のオシャレ心

 男女の性差をなくす「ジェンダーフリー」と言う言葉、千葉県議会、都議会、国会を巻き込んで一大論争になったのは、今から15年以上前のことだった。カタカナ英語への誤解もあったようで、ジェンダーを「セックス(性)」と取り違え、その垣根を取り払うという「フリー」に対して、議員たちの中には、男女の役割分担という既存概念を変えようとの意識に抵抗があった。特に、中堅若手議員が猛反発だった。男らしさ、女らしさは問題だ、セックスフリーになるような誤解をはびこらせるなどと指摘した。揚句の果てに、社会の風紀を乱す、男女のトイレが一緒になっていいのか、男の子に「こいのぼり」女の子に「ひな人形」という事を否定する社会になるとの解釈をする議員もいた。「ジェンダーフリー社会」の到来に対する危機感をもつ方々が、長いこと論争が続いて、そして、震源地の千葉県議会は男女参画条例が設置されない全国唯一の県のまま、今に至る。

 しかし、今、男性をターゲットにしたさまざまな化粧品を紹介する「ジェンダーレス」な進展がおきている。ビジネスマナーとして女性に不快に思われないような「清潔感」が意識されて、脂ぎった感は時代遅れになって、さっぱりした素肌を保つ必要が出てきた。もっとも、女性向け化粧品市場が飽和状態にあるという背景がある。化粧品メーカーにとって、男性向け化粧品は売り上げ拡大が見込める有望市場となってきた。鏡を通学カバンに偲ばせる男子も多いのだから、財布に余裕の成人男性の門戸を開くため、男性の容姿への意識を高めてもらい、よりスマートなお洒落をしてもらい、需要を拡大したいとの各社が積極的に男性をターゲットにしている。

 まず、若年層のシェービングのスキンケア意識の高まりや高年層の使用率向上で伸長した。16年以降もフェイスケアや男性の不快臭ケアを訴求したアイテムなどが市場をけん引すると見て、15年比1・5%増の1116億円を見込む。堅調な成長が続く男性用化粧品で、縮小傾向にあるのがスタイリング剤。マンダムによると16年のスタイリング剤市場は10年前に比べて31・1%縮小。

ポマードで固めた髪形も、七三に分けて櫛目がはっきり見せる銀行マン、高級官吏もいない。今や、さらに自然な髪形、ポップ感のあるヘアスタイルへ進化、主要顧客の若年男性の意識に変化が起きている。

 一方で、男性のスキンケアや体臭ケア意識は高まっており、同社も「ギャツビー」シリーズからフェイシャルペーパーやデオドラントスプレーなどを積極的に投入している。

 東京・銀座にオープンした「GINZA SIX(銀座シックス、東京都中央区)」。モノだけを売る従来型の商業施設とは異なり、体験や文化の発信地として、銀座の街を大きく変えると期待されている大型商業施設だ。地下1階の化粧品フロアには高級化粧品ブランドの旗艦店などがひしめく。 大手化粧品メーカーの資生堂は銀座シックスの直営店「SHISEIDO」で男性向けサービスを充実した。女性用化粧品と併設して、男性用化粧品「SHISEIDO MEN(資生堂メン)」の専用コーナーを設置。化粧品カウンターでは美容部員が男性の肌を測定器でカウンセリングをしたり、スキンケアやクリームなどのスキンケア方法や眉の手入れのアドバイスをしたりする。資生堂のプレステージブランド事業本部マーケティング部では、「男性のおしゃれ意識が高まっているが、化粧品フロアや店舗のお客さまは女性がメイン。男性から『行きづらい』という声が上がっていた」と話す。そこで男性も買いやすい売り場づくりを目指す。6月に「おしゃれ男子の身だしなみセミナー」も開催予定だ。

 同じく銀座シックスの化粧品フロアに出店する美容室「GINZA PEEK―A―BOO AVEDA GINZA SIX」も男性顧客の来店を見込む。都内中心の9店舗の系列店では約3割が男性客。相手からどう見られているかや、清潔にみられたいといったニーズを持つビジネスパーソンが多くなって、男性のオシャレの潜在意識に注意が向くようになっている。

 整髪剤に関心が多い中で、どんな白髪染めを選べば良いのか分からないといった30―44歳男性の悩みに対応した新商品でエントリー層を狙うのは、白髪染め商品を販売するホーユー(名古屋市東区、水野真紀夫社長)だ。同年齢層は髪に白髪が交じる“ちらほら白髪”が気になり始めるが、「『白髪染めは面倒』『いかにも白髪染めという商品は買いづらい』との抵抗がある」(ホーユー)と分析。2月に発売した新製品「メンズビゲン ワンタッチカラー」はブラシとボトルを一体化した容器を採用し、髪をとかしながら片手で簡単に塗れる。テレビCMのイメージキャラクターに俳優・タレントの滝沢秀明さんを起用するなど、40―50代を中心に支持を得ている従来の“白髪”染めからマイナスイメージを刷新した。

最近はヒゲの手入れとして全てそる(シェービングする)だけでなく、ヒゲをデザインして楽しむ(トリミングする)男性も多い。男性がヒゲや体毛を自身で整える「メンズグルーミング」について、髭剃りメーカーmのフィリップスによると、16年上半期のグルーミング市場は数量ベースで前年比31%増加したという。 同社は日本法人などを通じ、2ミリメートル単位・5段階で毛の長さ調節ができるボディーグルーマーや、ヒゲ吸引システム搭載でヒゲそりの面倒な後片付けを簡単にしヒゲトリマーを販売。男性のニーズに合った製品を販売してメンズグルーミングの需要取り込みを図っている。

 それでも主な男性用化粧品市場を構成する製品はスタイリング剤、シャンプー・リンス、メンズスカルプケアだ。富士経済の調査によると、2015年の男性用化粧品市場はシャンプー・リンス、ボディーケアで男性の加齢臭ケアを訴求したブランドが好調だとする。男性用化粧品市場は年々、規模を拡大しているものの、化粧品全体に占めるシェアは、まだ4・9%(2015年度、矢野経済研究所調べ)にとどまる。

 ピアスでお洒落をする若者、カラフルなシャツのビジネスマンも増えているのは、男性にも美顔、化粧への興味、潜在顧客も多いはずと、急成長を期待し、化粧品メーカーは化粧品を買わなくなっている女性マーケートではなく、男性の化粧への関心へ向けて新規開拓しだしたのだ。男性のオシャレ心をくすぐることが「ジェンダーフリー」を促進することになりそうだ。

参照:日刊工業新聞 4/23
posted by Nina at 00:00| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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