世界経済フォーラムがまとめた2017年の旅行・観光競争力ランキングで、日本が世界で4位と前回15年の9位から大きく順位を上げた。07年の調査開始以来、初めてイギリス(今回、5位)、米国(前回4位)、豪州(7位)、イタリア(8位)を抜いて、過去最高の順位になった。
価格競争力が大幅に改善したほか政府がどれだけ観光を重んじるかを示す項目でも大きく上昇。訪日外国人の増加を裏付ける結果だ。
日本は「客の待遇」が前回に続き首位で、「おもてなし」への評価が高い。今回はさらに「チケットへのサーチャージ(加算金)・空港使用料」などが改善し、前回119位だった価格競争力を94位にまで押し上げた。「政府による観光産業の優先度合い」は16位と前回より大幅に上昇した。
首位は2回連続でスペイン。歴年1位の観光の王者がテロの影響でランクを落として、それでも2位だった。観光立国宣言を小泉首相がぶち上げた時、日本のランキングは韓国、中国、香港よりも下位で、貿易立国一本槍から観光にもシフトするとの掛け声だったのだから、いい目の付け所だった。1千万人の観光客もいなかったのが、今は4千万人を目指す破竹の勢いに乗っている。今や、ランキング1位を目指しても、2020年のオリンピックもあるのだから、夢じゃない。
上位10カ国の顔ぶれは前回と同じで、欧州勢が半分超を占める構図が続いた。
参照:2/8【日経 ジュネーブ=原克彦】
日本での観光の魅力について、CNNのレポートがあった。
それによると、日本人はおしゃれで、多くの人が大変創造的な身なりをしているとの評価である。例えば古都京都の祇園では、文字通り頭からつま先まで、伝統的な足袋と着物に身を包んだ舞妓さんたちが普通に街を歩いている。東京では通りを歩いていると、不可解なコスチュームに身を包んだ人々に出くわす。今や秋葉原は、ハイテク、ロールプレイングゲーム、マンガなどに熱烈な関心を持つ「オタク」と呼ばれる人々のメッカとなっている。
日本の人々はどこでも、困っている外国人旅行者を見つけると喜んで助けくれるし、先入観を打ち破るような驚きを与えてくれる。日本には安くて便利な公共交通機関があるし、比較的安い食べ物がどこでも手に入る。デパートの地下の食料品売り場には、寿司、うなぎのかば焼き、お好み焼きなど、さまざまな食品が売っており、価格も破産するほど高いということはない。新たなファッション「可愛い」を提示し、おじぎを大切にする点も評価している。
特に秋葉原周辺には無数のマンガ店やメイドカフェが立ち並ぶ。またフレンチ風のメイドやアニメのキャラクターの格好をした少女を数多く見かける。これは「コスプレ」と呼ばれ、彼らは好みのアニメやマンガのキャラクターのコスチュームを着て、そのキャラになりきる。秋葉原は未来と過去、ハイテクとファンタジーが融合している場所だ。東京の地下鉄や大通りでは、美へのきめ細かな配慮や「人はカンバスである」との哲学が身なりに表れている人を数多く見かける。ただ通り過ぎる人々を眺めるだけでも日本をもう1度訪れる価値はある。
日本は今でもハイテク大国だ。「電気街」として知られる秋葉原では、電器店が迷路のように立ち並び、ロボット、テレビ、ビデオゲームなど、ハイテク製品は何でも手に入るが、ここは単なる電気街ではない、不思議なファッションスポットだ。
日本には、世界に類を見ない壮大な高層ビル、素晴らしい幹線道路や鉄道網が作られてきたが、一方で強力な精神が宿る荘厳な建造物も作られてきた。
東京から約50キロ離れた古都鎌倉には、これまで見てきた仏像の中で一、二を争う見事な大仏がある。また1000年もの間日本の都だった京都は、日本の他の場所と同様、現代技術と伝統という対照的な2つが共存する場所だ。京都は人口約150万人の現代的な大都市だが、このような都市は世界に類を見ない。
京都は、地域全体に数千の神社や寺があり、さらに低層の木造住宅が立ち並ぶ祇園の街がある。祇園では、顔を白く塗った芸者(京都では芸妓と呼ばれる)たちが、音楽、舞踊、茶道などの日本の伝統芸能のけいこに勤しんでいる。
また京都は、歴史、伝統芸術、古代宗教の街であると同時に、任天堂のゲーム機「Wii」や小説家、村上春樹が誕生した場所でもある。
日本人のきれい好きは、日常生活のあらゆる面に見られる。日本は白い手袋をはめている女性(たまに男性も)をよく見かける地球上で最後の場所かもしれない。また、人々が定期的に外科手術用マスクを着けている世界初の場所かもしれない。
また日本の美徳を語る上で、トイレへの言及は欠かせない。驚くべき現代技術が詰まった日本のトイレに多くの旅行者が深く感謝している。
参照:http://www.cnn.co.jp/travel/35023868-3.html
2017年04月10日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック