昨年から気になっているのは、人口の増減と乗降客数、市税動向とラスパイレス指数です。
千葉県外房の人口規模・1万2千人の小さな町、一宮町が話題になります。我孫子の別荘よりも以前から、別荘地として知られ、「東の大磯」には要人の別荘が多々あったといいます。風光明媚な海辺の町には、学生だった芥川龍之介も滞在し、史跡になっています。
我孫子と同様、めぼしい産業もありませんが、1970年以降、一貫して人口を伸ばし、現在でも20~39歳女性人口が2010~40年の間に一宮町は「26.4%しか減らない。これは、東京ベッドタウンである、八千代市、鎌ヶ谷市、成田市、柏市に次ぐ、千葉県内では極めて優秀な数字だということで、我孫子も見習いたいところです。人口規模が小さいですから、駅で乗り降りする人の総数は少ないのですが、1965年以来、外房線内で乗降客数をずっと3000人前後を維持しています。県の発表では、ラスパイレス指数は下位です。
一宮町より規模の大きい都市の中心駅は勝浦、安房鴨川、大原等ですが、その駅も相当に抑えて、上総一ノ宮が多い、しかも2市は減少傾向ですから、快挙ともいえる数値だといえます。外房で社会増の自治体は、一宮町の他には、長生村、鴨川市くらいしかありません。一宮町の特筆すべきは、転入元の第一位は、なんと「東京23区」なのです。そして転入元5位は「横浜市」、つまり一宮町は、都会から移住者を惹きつける町なのです。
一宮町は、東京通勤圏から外れた田舎町にもかかわらず、なぜか転入が転出を上回る、これは研究する価値があります。一宮町にはめぼしい産業、大きな雇用者はありません。町民勤労者の15%くらいは、近くの茂原市に通勤しています。アウトレットモールなど、大きな商業施設があるわけでもありませんし、大規模な開発計画などもない、ここまでは我孫子も同様です。霞が関、東京・上野駅にも直通50分内外のベッドタウン、千代田線始発駅という点では、条件的には悪くない我孫子は、しかし、人口増の東葛飾においては、珍しく社会減と大幅な乗降客数減が続いているのです。
サーフィンができる「なかなかイケてる田舎町」、一宮町のウリはもうひとつあり、国内有数のサーフポイント(一宮・東浪見・志田下など)が多くある魅力です。 東京からのアクセスの良さと、過ごしやすい自然環境に恵まれ、別荘地から通勤圏の居住地として注目されています。通勤快速の始発駅になっている上総一ノ宮駅。毎日の通勤も座って行けることも大きな魅力です。東京からアクセスが便利、快速電車が10~20分おきに出ており、80分で着ける。特急料金のかからないサーフィンの出来る町に住める!? 海・農地・山の自然が近くにあるので、新鮮でおいしい野菜や魚も安く手に入り、生活費が安い。マリンスポーツの他にも乗馬やゴルフも町内で楽しむことができます。
今どき物価が安い高いと言っても、コンビニで売っているものの値段は同じ、ガソリンもほぼ同じ、そこで、この町の公務員給与が国家公務員と比較して高いか低いかを、先ほどの指数でみると、つつましい一宮町は、国家公務員を100として、歴年、それよりは低かったわけです。片や、我孫子は、全国トップクラスの指数であったことを、ランキング発表で市民も知るようになった。職員は給与に見合って仕事をするのではないと思うが、かえって、小さい町のほうが、財政状況を我がことに考えることが出来るのかしらんと揶揄されそうだ。霞が関の国家公務員ばかりではなく、千葉の市町村職員だって、研究もしなくちゃなりません。将来的に財政を立て直すため、新たな取り組みをしている地域を調べてみるべきだと思ったところです。
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