そんな事情を抱え、安倍首相は17日、米大統領選で勝利した共和党のトランプ氏に面談を予定する。日露関係の進展に関してだけ言えばトランプ氏が大統領になったことで年末のプーチン大統領との会談はやりやすい。またトランプ氏が米軍基地についても撤退を示唆しているという意味でも、就任前に話す重要性が増したのだろう。今9月訪米のおりに、クリントン氏にのみ面談して、トランプ軽視とみられるのに先手を打ったが、就任前の人物との会談(?)は異例。19日からペルーで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席する安倍首相が「ニューヨークを(政府専用機の)給油地にできる」と持ちかけると、トランプ氏は「17日にニューヨークにいるようにする。食事でもしようか」と応じ、すぐさま日程調整が進んだという。
トランプ勝利となった9日の金融・資本市場は、米政策の先行き不透明感が意識され、東京市場では日経平均株価が919円安と急落、円相場は1ドル=101円台まで急伸した。今後の日米関係や相場にどのような影響が出るのかの不透明感からの影響だが、10日の日米株式相場はともに上昇。アベノミックスの名のみになりつつある状況を打開したいのが内情だ。
財務省は、国の借金が6月末時点から9兆1069億円増え、過去最高を更新したと伝えている。10月1日時点の人口推計(概算値1億2693万人)を基に単純計算すると、国民1人当たりの借金は約837万円になる。急速な高齢化で社会保障費が膨らむ中、不足する税収を賄う国債の発行額が増えた。厚生労働省は2017年度予算の概算要求で高齢化に伴う社会保障費の自然増を6400億円と見込んでおり、国の借金は今後も増加する傾向にある。
国の借金は16年度末に1119兆3000億円まで膨らむ見通しで、各地方への交付金などが縮小される可能性が以前より強まっている。
時事通信11月10日
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