世界銀行は、ワシントンで開く国際通貨基金(IMF)・世銀総会に合わせ、貧困に関する最新のデータを公表した。それによると、毎日1.9ドル(約190円)未満で暮らす「極度の貧困」状態にある人口が2013年に全世界で約7億6660万人となり、前年に比べ1億1430万人減少したとする報告書を発表した。世界の総人口に占める極度の貧困者の割合は13年に10.7%で、前年比1.7ポイント低下した。特に中国、インド、インドネシアでは、経済成長によって貧困層が激減した。中国とインドネシアの経済成長などを背景に、東アジア太平洋地域の貧困者が7100万人と、前年から半減した。
貧困層が集中しているのは依然、サハラ以南アフリカで、全人口の41%が極度の貧困状態にある。その多くが地方部に暮らし、教育を受ける機会がほとんどない。その他、地域別の極度の貧困者の割合は、南アジア15.1%、ラテンアメリカ・カリブ地域5.4%、東南アジア太平洋地域3.5%となっている。、貧困者数が世界の過半を占める南アジアとサハラ砂漠以南のアフリカ地域では改善が進んでいない。世銀は30年までに極度の貧困を事実上なくす目標を掲げている。世銀のキム総裁は、貧困が多い国の不平等な状況を解消し、「経済成長を促進する必要がある」と訴えた。
出典:ワシントン時事 10/2
2016年10月02日
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