2014年の都知事選挙は、女性立候補者がゼロ。そして、その時までフランスの首都パリでも、パリ市長となった女性はいませんでした。子育てと女性の就労が政治の一大課題となる大都会の政治に、女性の姿が残念ながら見られませんでした。ところが、同年のフランス統一地方選挙では、パリの政治史上初の女性市長では、アンヌ・イダルゴ氏(当時57歳/与党・社会党/画像左)とナタリー・コシウスコモリゼ氏(当時40歳/保守系野党/画像右)の、女性候補者同士の一騎打ちに。結果、投票率58.4%の選挙でイダルゴ氏が当選しました。スペインから移住してきて、14歳でフランス国籍を取得、30歳で政界入りと言う経歴も注目を浴びていました。立候補する際に、子育て関連の施策を早急に対処することを挙げました。パリでは出生率が高く、働く女性が多いため、5,000箇所の保育施設の増設を挙げていました。また一方で、パリで深刻化する大気汚染への対策として、2007年に導入された「Vélib」(街の各所に自転車を自由に借りて返却できるサービス)に続き、電動スクーターの貸し出しスポットを設ける「Scoolib'」のアイデアを後押していました。どちらも女性だからこそ気づきから政策が編み出された、大切な点といえそうです。
イギリスでも、EU離脱の責任をとって首相交代の選挙が7月にありましたが、女性候補二人の闘いとなって、EU残留派に属していたテリーザ・メイが当選、英国で二人目の女性首相です。小池都知事の当選は、女性が政治のガラスシーリングを突破できると示してみせ、世界中の女性と伍して日本の女性たちをも奮い立たせる雰囲気になってきました。むしろ先進国といわれる政治の世界で、これまでは立候補する時点で女性にはチャンスが巡ってこなかったからこそ、今回は小池の乱といわれるように、打って出る立候補となったのだと、小池氏自らが告白していました。突然の辞任劇にも、以前の都知事選出馬の想いが小池氏の出馬への伏線にあり、自民党の候補者選びの体制が整う前にとマスコミに発表、その小池の乱を追いかけるマスコミ陣、大政党組織の掟をはねのけて立候補したことへの締め付け、都議会の自民党都連のドンという構図が明るみに出て、都民の関心をひきつけ、291万票を味方につけることができたという、専門家の分析でした。
すでに時代の趨勢である、女性リーダーが、大都市パリ、ローマに、そして英国首相に、女性のリーダーを選んだのです。しかし、東京よりも先に女性知事を誕生させた千葉は、千葉県で最初に女性市長誕生ですらも瓦解、県議も市議も女性は増えるなどもなく、停滞という感じでしたから、やはり東京の動きはカンフル剤です。TVコメンテターの中には、パリ市長から大統領が誕生するなどもある、いずれは知事から首相も狙うのではなどと怪気炎の話も飛び出していました。
2016年09月07日
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