2016年08月08日

参院選挙と投票率、これからの民主主義

参院選を総括すると、原発事故の影響を抱える福島と、米軍基地問題が深刻な沖縄の2県では自民党は参議院での議席がゼロになった。

 どちらの県にも、戦後、自民党政権が中心になって進めてきた政策が、「理不尽な不利益」をもたらしたと考える住民が多くいる点で共通している。政府と地方自治体の考え方が鋭く対立する象徴的な場所でもある。しかも、議席を失ったのが、福島で岩城光英法相、沖縄で島尻安伊子沖縄・北方相と、現職閣僚2氏だった。
前回までの参院選の歴史で現職閣僚が落選したのは、自民党の橋本竜太郎内閣の大木浩環境庁長官(1998年)と、民主党と国民新党の連立政権だった菅直人内閣の千葉景子法相(2010年)の2度しかない。2閣僚の同時落選は極めて異例だ

若者が5割に届かなかったものの、13年の20歳〜24歳の投票率は31.18%だったのだから、高かったと見てもいい。初めての選挙の投票率を「発射台」と位置づけ、その後、年齢を重ねるに連れた投票率の変化を追っていくと、発射台が高かった年代の人ほど、高齢になってからの投票率がより高くなる傾向がある(参照:『選挙と骨粗しょう症〜50年後の民主主義を殺さないために』)。19歳の投票率が18歳に比べて低かったのは、進学に伴う引っ越しなどで、居住地と住民票のある場所が異なり、投票に行きにくかったという事情が指摘されている。19歳の意識が低かったと断じることはできないし、ほぼ4割の投票率も、発射台としてはまずまずだ。

 諸外国では1970年代に投票年齢の引き下げが相次ぎ、多くの国で全体の投票率が下落した。今回、10代の若者の参加が全体の投票率を押し下げるマイナス要因にはならなかったという意味で、日本は「成功例」に数えてもいい。発射台が高かったことで、今後の投票率向上にも期待が持てる。

 一方で、投票率をめぐり、その向上を図るあまり、大事なことが置き去りにされたような気もした。期日前投票の拡大の副作用だ。

 前回を300万人以上上回る約1599万人、有権者の15%が期日前投票を利用し、全体の投票率は選挙区選で約54%と、前回より2ポイント上昇した。1995年(選挙区選で約45%)のように、投票率が5割を割るような選挙では正当性を疑いたくもなるから、投票率向上の取り組み自体には一定の効果をもたらしているといえる。

 しかし、期日前投票は公示日翌日から可能なため、早めに済ませてしまうと、その後でどれだけ大きな出来事があっても、それを加味しての投票はできない。今回は公示直後に英国の国民投票で欧州連合(EU)からの離脱派が多数を占めて世界経済に激震を与える出来事など、微妙な世相を感知するには期日前投票は不利になる。

 選挙運動ができる17日間(今回は18日間)が、候補者の人柄や見識を見極めるのに十分な時間なのかという疑問もある。組織、政党の話だけで、あるいは印象だけで人を選んでいては、ここでも「損をするのは有権者ばかり」ということになりかねない。選挙のあり方そのものにも、課題を突きつけられたように思える


参照:読売オンライン
posted by Nina at 15:54| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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