市内で開かれた会合で、3月に申請を行うことなどを確認した日本のNPO法人「朝鮮通信使縁地連絡協議会」の松原一征理事長(70)と、韓国・釜山市の財団法人「釜山文化財団」の李文燮イムンソプ代表理事(63)は申請書に署名し、記者会見に臨んだ。
日韓関係を巡っては、これまで歴史認識を巡って問題が生じてきたが、松原理事長は「日韓関係の明るいニュースとして、ムードが変わってほしい」、李代表理事は「戦争が多い世界で、どうやって共存していけるかという教えが、通信使の史料に盛り込まれている。登録されることで両国がもっと文化的に交流し、繁栄できる」と述べた。
共同申請の動きに、地元住民らの間では地域の活性化への期待が高まっている。元市教委文化財課長で対馬観光ガイドの会「やんこも」の会長・小島武博さん(67)は、旧対馬藩主・宗家そうけ十万石の城下町として栄えた厳原中心部で、観光客や地元の小中学生に地域の歴史を伝えている。「当時の対馬の人たちの思いや知恵、生き方などを感じ取ってもらいたい」と願い、登録を心待ちにする。
対馬観光物産協会は、観光PR用に厳原中心部の史跡名所や観光地に加え、「城下町日本遺産」「朝鮮通信使」「のんびりウォーキング」の各コースを網羅したまち歩きマップを計5000部作成。韓国語入りも今年度中に5000部作る。同協会事務局や観光情報館「ふれあい処どころつしま」、港のフェリーターミナルなどで配布するという。
小島さんが会長を務める「朝鮮通信使対馬顕彰事業会」は、使節団の来日を実現させた初代対馬藩主の・義智よしとしの銅像建立を計画し、3月末頃に除幕を行う予定だ。「日朝交流の礎を築いた人物の銅像を対馬の歴史、文化のシンボルにしたい」と意欲を見せている。
時事通信が2013年8月から「嫌いな国」(複数回答)に韓国を選んだ人は40〜50%台が続いていたが、2月11〜14日に行った世論調査によると前月調査から5.1ポイント減の38.6%に下がった。30%台になったのは2年7カ月ぶり。
昨年12月の慰安婦問題をめぐる日韓合意を契機に、核実験や長距離弾道ミサイル試射を強行した北朝鮮への対応など政府間の協力を強めていることが影響したもようだ。嫌韓ムードが今後も沈静化に向かうのか注目されている。
出典:
Yomiri On Line 1/30
時事通信 2/19
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