年齢を重ねるにつれて足腰が弱くなったり、杖に頼ったりが普通。だが、なかには年齢などもろともせず、スポーツやエクササイズに精を出す人もたくさんいる。そんな、活発な老齢者が内外に結構いらしゃるのを知ると励みになる。
先月は、なんと92歳という年齢でフルマラソンを完走し、女性最年長の世界記録を樹立したというのだ!!私など、100メートル走でも全力疾走できるか疑わしい一人(駅まで走るが、家族に言われると歩いてるという風情だそう)になって、まさに信じがたい人並みでない女神的な存在だ。
2015年5月31日、米カリフォルニア州でサンディエゴ・ロックンロールマラソンが開催された。42.195キロを走るフルマラソンだ。ハリエット・トンプソンさんは、ノースカロライナ州から参加した、92歳と65日。今回で、ロックンロールマラソンに参加するのは16回目で、76歳でマラソンを始めるまでに、白血病とリンパ腫を患っていたという。しかし、見事に癌(がん)を2回も克服し、16年も続けてフルマラソンに参加するまで元気になった。
7時間24分36秒というタイムでゴールし、フルマラソンを完走した女性最高齢の世界記録を樹立した。それまでは、2010年にホノルルマラソンを完走した92歳と19日のグラディス・ブリルさんが、女性最高齢の世界記録を保持していた。
実は、ハリエットさんの偉業はそれだけではない。2014年のロックンロール・マラソンでは7時間7分42秒という記録でゴールし、彼女の年齢枠で世界記録を打ち立ていた。さらに、白血病とリンパ腫の慈善団体「「Leukemia and Lymphoma Society」のためにフルマラソンに参加し続けている彼女は、今までに10万ドル(約1380万円)もの寄付金を集めるに至っている。女性世界最高齢の記録だけでなくタイムでも世界記録を残し、チャリティで多額の寄付金まで集めたハリエットさんは、まさに “スーパー・ウーマン” と呼ぶにふさわしい女性だ。こんなおばあちゃんの話を聞いたら、「もう歳だから……」などと簡単に言い訳はできなさそうである。
日本では、北上陸上競技場で開かれているアジアと全日本のマスターズ陸上競技選手権大会(アジアマスターズ陸上競技協会など主催、朝日新聞社など共催)が開かれてきたが、100メートル走に昨年9月の大会期間中に誕生日を迎えた大会最高齢者の104歳、宮崎秀吉さん(京都市)が出場し、こちらも注目された。
100歳を超すクラスに出場したのは宮崎さんだけで、記録は34秒61だった。4年前に自身が出した100歳超の世界記録29秒83には及ばなかったが、「満足。100点満点」と喜んだ。
元気の秘訣は「欲をかかないことと、食べ物に気をつけること」。口に入れたら30回かむようにしているという。大会にはこれからも出場し、「来年は世界新記録を出したい」と元気いっぱいだ。
さらに、全日本大会に夫婦で参加されている日本人も見事な成績だ。27年連続出場の日本記録を更新した石川董(ただし)さん(81)=奥州市江刺区=は100メートルに出場し、15秒60で80〜84歳クラスの2位に入った。「念願の『夫婦で計60個目』のメダルになった」と喜んだ。石川さんは2月に左足の病気で大きな手術をし、4週間ほど松葉杖の生活を送った。プールで水中を歩くリハビリを繰り返し、「何とかスタートラインに立てた状態だった」という。その中で結果を出すことができ、「夫婦であと3年出場し、連続30回を目指したい」と益々張り切って、アッパレなご夫婦だ。
2015年06月06日
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