2015年03月16日

白井市のバス運行は、対北総線値上げ対策

千葉ニュータウンを結ぶ鉄道路線として建設された北総線は、周辺の鉄道路線に比べ運賃が高く、沿線住民の不満になって長年にわたり住民運動が続いています。

新知事として就任したばかりの森田知事のツルのひと声で、長年の懸案だった北総鉄道値下げが成ったことがありました。2010年7月の京成電鉄成田空港線(成田スカイアクセス)開業にあわせ、運賃の値下げが実施されことも含め、値下げへのアプローチが現実のものになってきました。ところが、北総鉄道と沿線自治体などは2009年11月、値下げによる減収の一部を穴埋めする補助金(年間3億円)を自治体が拠出することで合意しても、県主導の値下げ率は、住民団体は20-30%値下げを期待していたのをよそに5%運賃値下げが提案されて、やむなく沿線各市も合意したのでした。

ところが、白井市議会が、値下げ幅が少ないことを不服として予算支出に猛反対。北総線に毎年3000万円も補助金を出すのには下げ幅が低いと、NOを突きつけたのです。3月議会、6月議会と2度にわたって議会が補助金予算を認めないため、県からは他市同様に予算執行を求めて矢の催促。鉄道の運行に響けば、多く損害賠償請求が起こるだろう。例えば、北総鉄道パスモ等のシステム改修費は大などと、様々な外部圧力もあり、三たび補助金支出の補正予算が、9月議会に上程されました。賛成・反対がまさに拮抗していた議会では、議長が討論をしたいと議長席を離れ、代わりの議長が選出(仮議長を引き受けが側が負けるため)されないまま流会となり、10月13日に「専決」に至り、身を切っての支出でした。

これは、鉄道は沿線自治体との連携予算であるため、前市長は国、県などとも確認、協議して専決処分の対処をとったと釈明でした。ところが、翌年最初となる議会は2011年3月、大震災直後の議会でした。そこで前市長への不信任案が出されて多数可決。これに対して、市長に解散権があったが4月が市議改選であったため、自らの自動失職によって出直し市長選を選択したのでした。議会を解散した場合、首長はそのままであるが、議員選挙が行われ新しい議会で再び不信任案が可決されれば今度は失職することになる。2つ目の選択で橋下大阪市長のように辞任をして出直し選挙で信を問う場合は、辞任をして再度立候補して当選しても残存期間のみが任期となり、辞任した者以外の者が当選すれば4年間の任期となる。3つ目の選択は田中康夫(元知事)の例で不信任に対して何らの対応もせずに10日間が経過すれば自動的に失職する。この場合失職し再度立候補することは可能で、当選すれば任期は4年となる。ところが、反対派の女性市議が立候補となり票を分けたために、3月まで部長職であった男性候補の当選となりました。

沿線自治体などからの補助金3億円、県から3億円で北総線の運賃は大人片道普通運賃の場合、京成高砂〜小室間19.8kmが650円。これに対し、途中の新鎌ヶ谷駅で北総線と交差している東武鉄道野田線は柏〜船橋間19.8kmが300円、新京成電鉄新京成線は松戸〜高根木戸間20.1kmが230円で、2010年の値下げ実施後も2倍以上の開きがある。今回、補助金が供出で決裂したため4.6%の値下げから今度は2.3%値上げになったのです。これでは交渉の難しい鉄道会社を相手に、今後の値下げは望めないとの予測がされます。

近隣の新旧の鉄道会社の資本金を比較して、北総鉄道約250億円、東葉高速鉄道約305億円、つくばEX約1850億円です。そもそも、白井市と北総線の関係とは比較にならないほど、自治体が投資しているのです。資本金に占める県や沿線市町村などの自治体の出資分は、北総25%に対して、東葉73%、つくば90%です。さらに、自治体からの無利子融資の額が東葉約63億円に対して、つくばEXは3,220億円を自治体から無利子で融資を受けているということです。北総はといえば、つい数年前まで市中よりはるかに高い財政投融資の金利負担となっていました。北総の決算が、平成12年度から黒字に転換した最大の理由は、財投の金利が下がり、また借り換えも可能になったからだといわれたのもそこだと言われました。今も879億円(12年度末)の有利子負債を抱えており、据え置き運賃のために補助の継続を打診していたのです。

こうした北総線とその後に開通した路線などとの違いは、実は「北総の轍を踏まないためにどうするか」という問題意識から生まれたものです。1972年設立の北総鉄道が終始経営的に苦戦し、利用者に度重なる運賃値上げを押しつけながらも、それでも 「焼け石に水」状態が反面教師≠ニなり、東葉高速(会社設立1981年)、つくばEX(同1991年)と、後に行くほど経営体力的にも公的な支援枠組みの点で手厚くなっていったので、各議会の中では鉄道開発に投資することに多くの反対議員の声も出たのでした。結果的には、鉄道運賃が決して安くはないにしても、確実に人口増加に繋がっているとは言えます。

1972年設立の北総鉄道から1991年設立のつくばEXに至るダイナミックな社会実験≠通じて、正解≠ヘ次第に誰の目にも明らかでした。公的な助成を考えてこそ運賃が低く抑えられ、3000万の助成金などは微々たるもので、EXなどの鉄道の沿線自治体が求められた補助金は月とすっぽんの差だったのです。

補助金を打ち切ったための運賃値上げに対処して、2015年から白井市ではバス便・生活バスちばにうの運行がされ、回数券の売上がうなぎのぼりに増加しています。すると中小企業庁の「がんばる中小企業・小規模事業者・商店街」の表彰を受け、評価されたのです。高い鉄道を使わない事にしても、実際は駅舎耐震化としょうして改修の高額予算を求められ、運賃値上げは実行され、高額運賃の払えない人も考慮してバスを運行、そのためいも補助もしたのであれば、その後も北総線には3000万円の予算以上を累計で支出していることになりそうだが、それはどの程度の論戦が議場で繰り広げられたのだろうか。
 
場外とも言える司法の場で、その後は前市長および現市長に対して、住民団体は裁判を起こし、最高裁までも争われ、元市長は損害賠償を求めることになりました。結果的には、北総線に対して他沿線自治体もその後に予算が組めない事情となりましたから、値上げ断行がされると、市民の懐が痛みます。白井市でのバス便利用急増とは言え、市民にとってと財布と便利と兼ねあったのか、は問題です。住民団体・北実会は、通学定期の値上げがないように、10 年間固定の金額にするために、北総鉄道に対して千葉県は53 億円の貸し付けをして、その返済開始を5 年間猶予し、さらにその間の利子も免除するとまで申し入れたことに、税金の無駄遣いだと更なる抗議をしています。この貸し付けがなければ、通学定期が値上げされるのも必至でしょう、むしろ抗議するのは、沿線六市以外の県民であるべきですが、訴訟と抗議の手段は地元だから手を緩めないというようです。

現・井沢市長は印西市の市長や議長、議会代表者などから成る北総線運賃問題対策協議会(北対協)によって、昨年4月に弁護士や公認会計士、税理士などの専門家に北総鉄道の財務状況の検証を委託、値上げの判断をしました。現市長は「値下げなど課題は多く、まだ北総線問題は道半ばだ」と2期目への意欲を示して、間もなくの市長選に再選を目指しています。
 

我孫子市も、原発由来の放射能問題にからんで終末処理場の件で裁判となり、そこここの自治体で裁判がおきています。県や国を相手取り、住民が声を上げ主張し、正否を問う裁判となります。民主的ではありますが、裁判は手段ではあっても、できる限りその手におよばずに解決できるほうがいいというのが、戦後生昭和世代の私の気持ち、なんですが。


参考:
http://www.chiba-newtown.jp/HokusoKenkyu.htm#Doc16

posted by Nina at 00:56| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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