2015年03月13日

県議らの政務活動費の調査

全国47都道府県議会で平成25年度に政務活動費を支給した約2700人の議員全員の使途を調べた。
 その結果、政治資金の支出との二重計上や政治資金パーティーへの支出など、不適切な処理や、税金で賄う政務活動費の支出としては疑問が生じる事例が多数見つかった。関連の収支報告を修正する総額は5千万円に上るとみられる。

 これまで、政務活動費をめぐり、具体的な支出を全国一斉に調査した例はなく、寄付を主な原資に後援会活動などに充てる「政治資金」と、本来の議員活動などで政策立案のために県議の公費から支給された「政務活動費」とが、ずさんな会計処理になっている実態が朝日新聞の調査で初めて明らかになった。

 野々村竜太郎・元兵庫県議(48)による不適切な支出が発覚したことを受け、昨年9月以降、議員全員の収支報告書と領収書類の写し計63万枚などを分析し、疑問が生じた支出について今年1月下旬から議員や支出先に取材した。

 議員や会派が関連の支出に問題があると認めた主なものは、政治資金との二重計上=19都府県の30人▽政治資金パーティーへの参加費=6都県の11人・1会派▽本人や配偶者、親族が関係する企業への支出=3県の3人▽領収書類の重複または不足=1人・3会派――だった。

 政治資金との二重計上は、いずれかの支出が架空だった疑いがある。
 判明した事例では、視察費や広報誌の印刷代などで、議員の後援会などが政治資金から支出したと報告しながら、政務活動費でも同じ支出を計上している例が多く、総額は1013万円に上った。大半の議員は理由について「事務員のミス」と説明した。30人全員が関連する収支を修正する意向を示している。政治団体の収支を修正するのは29人にのぼる見通しで、1人は政務活動費の支出を修正した。11日までに修正済みの総額は940万円となった。

 政治団体が資金集め目的で開く政治資金パーティーへの支出は公費を特定の政治家への支援に使うことになりかねない。すべての議会で支出は原則認められていないが、7都県の38人と1会派で支出が判明した。しかし、本紙の指摘で修正を決めたのは11人と1会派にとどまっている。修正する議員は「マニュアル違反とは知らなかった」「政治資金パーティーとは思っていなかった」などと説明。一方、問題はないとした議員の多くは「意見交換は議員にとって貴重な機会」などと語った。

 自身や配偶者、2親等内の親族が役員を務める会社に100万円以上を支出した議員を調べると、19都道府県の34人に上り、計6223万円を充てていた。愛知の議員は自身が社長を務める企業に対し、事務所家賃の全額を支出。本紙の指摘を受け、「誤解を招きかねない」として、家賃分も含めた過去3年分の政務活動費の全額1690万円を返還した。さらに2人が今後見直すとしたが、29人は「自分の利益につながっていない」「身内の方が仕事が頼みやすい」などとして、問題ないとの考えを示した。

 領収書類の問題では、神奈川の民主会派が87組の領収書類が重複していたことを認め、自民、公明の両会派は領収書類の不足を認めた。民主会派については、本紙の指摘を機に県議会事務局が調べたところ、108万円分の支出の裏付けがないことが判明した。自民、公明の会派も「数十万円分の不足」(両会派)があるという。さらに、公明会派に飲酒を伴う会合への支出についてただしたところ、会派は数十万円分の支出を取り消すことにした。

 調査では、事務所の賃料などを政務活動費と後援会で分担した際の収支報告の食い違いも多数見つかり、福岡の議員は後援会の収入を過去3年分で計1482万円増額する修正を行った。

 本紙の指摘で問題を認めた議員・会派が関連の収支報告を修正するのは、平成25年度分だけで2100万円に上るとみられ、過去分も含めた修正総額は5千万円になる見込みだ。このうち、議員・会派が政務活動費の収支報告を修正する額は1900万円にとどまり、残りは政治団体の収支を修正する意向だ。政治団体分を修正すれば、政務活動費の返還は迫られない。

     ◇

 朝日新聞は引き続き、政務活動費の公開度やチェック態勢など制度の現状と課題を検証するとともに、公私混同などの疑いがある不透明な支出についても随時掲載します。

     ◇

 〈政務活動費〉 議員報酬とは別に、地方議員の政策立案を支援する経費として、都道府県議と市区町村議を対象に自治体が支給する公費。
 平成25年3月の改正地方自治法施行で「政務調査費」から改称され、調査研究目的以外にも使途が広がったが、選挙活動や後援会活動には充当できない。支給額は自治体が条例で定める。
 都道府県と市区町村の全1788議会のうち53%の939議会(1月1日時点)で支給している。都道府県議の場合、平成25年度度の支給総額は121億3千万円。議員1人あたりの年間支給額は720万(東京)〜240万円(徳島)。市議の場合はその10分の1程度という場合が多い。支給方法には議員個人や会派別、選択制などがある。当然そのための領収書類を提出すべきであるが、これまで各自治体では議会事務局への提出は求められてい時期が長くあった。岡山を除く46都道府県議会では、1円以上の領収書類の提出が義務づけられ、支給された翌年度から公開対象になる。岡山も、本年度分から1円以上での提出を義務づける。昨年7月、野々村竜太郎・元兵庫県議(48)による不適切な支出が発覚して以降、各地で議員の支出が問題視されている。


参照:
朝日新聞 2015年3月13(金)
posted by Nina at 21:00| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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