1万人近い人たちの脳画像を分析したところ、脳に関する“ある事実”がわかったのだそうです。
その事実とは、「チャンスを与えれば、脳はいつまでも成長し続ける」ということでした。
一般的には、身体の機能は10代から20代にかけて発達し、30代、40代から穏やかに衰えていくと考えられています。そして、脳も同じような成長の軌跡をたどると思われています。しかし、これは必ずしも正しくありません。実は人の脳には未開発の部分がたくさん残っていて、そうしたエリアでは成長前の多数の脳細胞が情報や経験を吸収しようと待機しています。この成長前の脳細胞に適切な刺激を適切なタイミングで与えれば、脳はみるみる新しい姿に変わっていくのです。脳を鍛えるには、できるだけ多くの「経験」を積まなければいけません。
脳にとっての「経験」とは、神経細胞にどんな情報が届けれられたか、どのように栄養を摂取したか、また、環境の変化にどう対応したかなどですが、これらが豊かであればあるほど脳は個性的になります。脳が経験を積むためには、実際の生活でもさまざまなことに挑戦しなければいけません。
人は、失敗を語るときは謙虚になる。 恥ずかしい体験やつらかった体験を語るとき、人格そのものがにじみ出る。死に臨んで、もっとも後悔することの一つが、失敗を恐れて挑戦をしなかったことだという。
挑戦を恐れない人は、「絶対に成功する」という根拠のない自信や夢や希望を持っている。
100歳まで元気に活動している人たちをつぶさに観察していると、「ときめき脳」を刺激するために、さまざまなチャレンジをし、それがまた、「ときめき脳」を刺激していることに気づきました。
たとえば、1年に100日以上スキーを楽しんでいた三浦敬三さん。三浦敬三さんはスキーをしたいという思いから、食事に注意し、運動を心がけ、それが100歳になっても元気でいられることにつながっていったのです。
スキーが「ときめき脳」を刺激して、大きなモチベーションになったのです。
100歳を過ぎても元気で自活している昇地(しょうち)三郎さんは105歳になるが、中国語を95歳からはじめ、100歳を過ぎてから3年連続して世界一周を果たしている。
122歳まで生き、世界一長生きしたとしてギネスブックに掲載されているフランス人女性ジャンヌ・カルマンさんは、85歳でフェンシングをはじめたり、100歳を超えて自転車を乗りまわしていたという。
ひょんなことから出会ったマスターズ陸上というものを知ったのは92歳のときでした。
20歳で結核を患って以降、運動などやってこなかったのですが、初めからすんなりと競技に入り込むことができ、その後『走る』ということの面白さにのめり込んでいったのです。
競技を通じて、多くの友人ができたのも長く続けられた一つの要因かもしれません。
歳を取ってくると、独りきりになることが一番つらいことですから、友人と共に成績を競うということは、何歳になっても楽しく、人生を豊かなものにしてくれます。100歳のときに、100メートル走で29秒83という100歳の部での世界記録を出したのです。
趣味の世界で日本一を取りたいという目標は、日本を飛び越えて世界で一番という余禄付きで達成できたのです。多くのテレビや新聞からの取材を受け、大学からは研究対象に選ばれ、京都府からは毎年表彰を受けています。そして最近は陸上競技の103歳の『最高齢スプリンター』として、ギネスワールドレコーズにも公認されたのです。
世間の年寄り衆に言いたいことは、別にマスターズ陸上でなくてもいいのだが、生きているうちにコレをやったというような『何か』を残そうと思い、そういった何かを見つけることが、人生を充実させ、それが長生きの秘訣となるということだと思います。
人は、いくつになっても何かにときめいていれば、若くいられる。
参照:
宮崎秀吉『103歳世界最速のおじいちゃんスプリンター』日本文芸社
2015年02月11日
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