政治の場にもっと女性を――。女性たちが各地で声を上げ始めたのは、おたかさんと呼ばれた土井たか子社民党党首のころからだ。そして、相変わらずの状況はさして30年たったも変わっていないが、そうした声が上がるたびに、その奇声の主が違うという事だけだろう。
今月7日、東京都内で「もう、いい加減にして『オッサン政治』!」と題した「怒れる大女子会」が開かれ、約100人が参加した。参加者はグループに分かれ、集団的自衛権や放射能汚染、貧困、育児と仕事などについて意見交換した。「子どもが戦争に行かなきゃならなくなるのは絶対だめ」「男だってつらくなっている。男対女ではなく、生きづらい人全体が助かる制度がいる」などの意見が出た。
主催者の一人、太田啓子弁護士は「独善的で、一色の意見で塗り込めるオッサン政治がはびこっている」とし、「変えるには政治家に多様性が必要だ」と話した。「大女子会」は先月に続いて2回目。共感した女性たちが各地で同種の「女子会」を開いている。
フェイスブックページは、https://www.facebook.com/dojyoshi
プラカードなどに使えるデザインもつくったというが、それは作業としては面白いけれど実質的な変化を産むには程遠い。何に使うかといえば、候補者の街頭演説に行くときに、質問や要望を書くなどして自由に使ってもらうのだという。結局、誰が出馬までするかというと、ネックは選挙費用だろう、女性は堅実だからお金をかけても戻ってこなリスクがある場合は、近寄らない傾向が男性よりも強いからではないか。
http://strg.m9d.jp/dojoshi/card.pdf
解散前の衆院の女性議員の割合は8・1%と国際的に見ても極端に低い。世界的に見て、日本の選挙の場合、供託金という申し入れ金が格段に高いからだ。今回の衆院選では、候補者1191人のうち女性は198人で、全体の16・6%にすぎない。市議会選挙でも高級エステ器具くらいの費用を供託金として納めなくてはならない、きまりだ。各国それは十分の一程度のようだ。
「女性と人権全国ネットワーク」は、ジェンダー視点をもつ女性候補をホームページで公表し、ツイッターなどで応援するキャンペーンを始めた。女性団体が手をつなぎ、政治の場に女性を増やす活動をしようと2013年に結成、DV(夫婦や恋人間での暴力)やセクハラの問題などに取り組んできた。近藤恵子共同代表は「女性をめぐる課題は、女性議員を増やさなければ解決しないという意見で一致した」と話す。選択的夫婦別姓や母子家庭への支援など8項目について考えをきく公開質問状を作成。各地の女性グループが衆院選の候補者に送り、回答を集めてホームページで公表する。その回答やこれまでの活動実績を踏まえ、所属政党にかかわらず、これまでに27人の応援を決めたという。
「この人を国会へ」全国キャンペーンのサイトは、https://twitter.com/coco_vote_me
ツイッターの#(ハッシュタグ)この人を国会へ でも情報を発信する。
「オッサン政治」にもの申そうと1912年にできたフェイスブック上のグループ「全日本おばちゃん党」は各政党の女性候補者の割合を分析して発信している。代表代行の谷口真由美・大阪国際大准教授は、「女やったら誰でもいいのかと言われるが、今は男やったら誰でもいいという状態。女性9割、男性1割の国会で、男性が輝く社会と言われたらどう思うか、考えてみてほしい」という。
おばちゃん党のフェイスブックページは、https://www.facebook.com/obachanparty(岡林佐和、山田佳奈)
参照:
朝日新聞デジタル
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