さて、日本と言えば、お茶、お茶と言えば、茶道の抹茶。これがお菓子になって、海外の観光客にも大人気の土産だともいうのですから、捨て置けません。
日本でお茶に凝ったのが、安土桃山時代の時代の大茶会の席主となった豊臣秀吉。淀君は「茶々」と言れ、その懐刀の石田三成は「三献茶」の逸話があり、それぞれが色々な意味で「茶」にかかわった事から、結局は身を滅ぼす羽目になったとも言えます。
お茶は世界の歴史文化に欠かせないものと言えますが、世界でもっとも古いお茶の本といわれるのは、さすが中国にあり、『茶経(ちゃきょう)』という記録です。唐の時代に陸羽(りくう)によって書かれ、3巻10章から成っていて、茶の起源、歴史、製造具、茶道具、いれ方、飲み方、産地、心得にまで及びます。こうした中国と国境を接するインド、ロシアではチャイと呼ばれているのも、中国語の茶から伝播してきた証拠です。
中国でも最初は、固形茶を焼いて削り出すという方法を用いて、茶葉本来の風味を引き出す固形茶を挽いて、粉末を煮出す方法でした。煎じ薬のような扱われ方で嗜好品ではありませんでした。漢の時代から飲茶されるようになっていましたが、唐の時代(618〜907年)に、お茶を飲む習慣は全国に広がります。このころのお茶は、茶葉を粉々にして固形にし、乾燥させた緊圧茶(固形茶)が主流でした。中国全土で栽培されるようになって、消費地への運搬には固形茶が便利でした。このころ、固形の緊圧茶を「餅茶(びんちゃ)」と呼んでいました。
宋の時代になると、お茶は貴族から役人や文人など富裕な市民のものへと変遷していき、お茶を飲みながら詩を吟じ、書をたしなみ、絵を描き、哲学を論じたと言われます。時に遊びとして「闘茶」と称してお茶の良し悪しを鑑定し、茶器の良否を競うこともあったそうです。飲み方も、緊圧茶の茶葉をすった粉末を茶碗に入れてお湯とかき混ぜるという、日本の抹茶のような飲み方が行われていました。このころには、日本の茶道と同じような竹製の茶筅が使われています。また「餅茶」の呼び方が変わって「団茶」と呼ばれるようになりました。
明の時代になると、お茶は大変動の時代を迎え、貴族と富裕市民に限られていた喫茶の習慣が、一般市民へと普及していきました。清の時代になると、中国茶葉や茶具はほぼ完成し、茶文化は最盛期を迎えます。福建省では青茶(烏龍茶)が開発され、「花茶」とともに愛飲されるようになりました。また、青茶ならではの香りを追求する過程で、工夫茶(くんふうちゃ)の手法が開発されました。
工夫茶とは、時間と手間をかけてゆっくりと丁寧にいれるお茶を意味します。お茶の魅力を引き出す茶器を使っていれ、まず聞香杯(もんこうはい)で「香り」を楽しみ、次に茶杯で「味」を楽しみます。中国茶が香りを大切にし、「花茶」が大いに普及しているのは、このころからの習慣といえるでしょう。
清の時代になると、中国茶葉や茶具はほぼ完成し、茶文化は最盛期を迎えます。福建省では青茶(烏龍茶)が開発され、「花茶」とともに愛飲されるようになりました。また、青茶ならではのすばらしい香りを追求する過程で、工夫茶(くんふうちゃ)の手法が開発された。工夫茶とは、時間と手間をかけてゆっくりと丁寧にいれるお茶を意味します。お茶の魅力を引き出す茶器を使っていれ、まず聞香杯(もんこうはい)で「香り」を楽しみ、次に茶杯で「味」を楽しみます。中国茶が香りを大切にし、「花茶」が大いに普及しているのは、このころからの習慣といえるでしょう。
清が崩壊すると、中国は列国の侵略を受けますが、茶壷製作や茶葉の栽培はより発展しました。中華人民共和国の建国(1951年)後、中国茶は順調に発展を続けていましたが、毛沢東の文化大革命(1966〜1976年)により、お茶は贅沢の象徴として弾圧され、栽培は制限されました。代わって台湾や香港で茶芸とお茶の栽培がより発展し、現在では台湾茶は世界的に有名になりました。
参照:
伊藤園HP http://ocha.tv/history/chinese_tea_history/
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