2014年08月17日

日中合作ドラマ「大地の子」

 動画で過去のTVドラマが視られる。戦争によって引き起こされる人々の苦しみ、悲しみを捉えたドラマ『大地の子』も今では、動画サイトで見ることが出来る。山崎豊子の小説で、中国残留孤児についてNHKがドラマ化、放映当時に日本中の感涙をさそった陸一心(りくいっしん)を主人公にした波乱万丈の物語だ。

 当時は日中友好のムードが盛り上がろうとの機運であり、共同制作により3分の2が中国で、通算128日間という長期ロケを行った(ドラマ化され、1995年11月11日から12月23日まで放送)。日本では名作ドラマと日中友好への呼び水ともなったが、省略されていた40分が新たに加え、再編集したアンコール版が1996年3月11日から3月20日まで放送された(全11回)。また、中国側への配慮から、主人公が文化大革命中に受けた拷問や、主人公の妹が夫と姑から虐待される描写がカットされたり、一心の訪日時に彼を陥れる同僚にも言い分や立場があるようなフォローなど、全体的に原作よりもソフトに修正されている。中国では反日愛国教育に適わないこともあって一般に放映されず、一部でのみ評価を得るにとどまった。しかし、今後、こうした日本人の姿を動画などで知る中国人留学生も増えると思うので、日本への反日攻勢も少しずつ変わっていくと思うし、当然、日本人もこうした戦争によっておこった日中の人々の葛藤を知るべきだろう。

 原作者の山崎豊子は、本作品を書くために、1984年から胡耀邦総書記に3回面会し、取材許可を取り、当時外国人に開放されていない農村地区をまわり300人以上の戦争孤児から取材した。山崎は「中国大陸のそこここで、自分が日本人であることも分からず、小学校にも行かせてもらえず牛馬の如く酷使されているのが本当の戦争孤児ですよと・・・、私はこれまでの色々な取材をしましたが、泣きながら取材したのは初めてです。敗戦で置き去りにされた子どもたちが、その幼い背に大人たちの罪業を一身に背負わされて小日本鬼子(シアリーペンクイツ)日本帝国主義の民といじめられ耐えてきた事実、日本の現在の繁栄は戦争孤児の上に成り立っているものである事を知ってほしい。大地の子だけは私は命を懸けて書いてまいりました。」とも話している。

 第一回のドラマの動画


<あらすじ>
信濃郷満州開拓団の長男・松本勝男は、日本の敗戦後、ソ連軍の攻撃などにより祖父と母を失い、妹とも生き別れになってしまう。父親は徴兵されており、勝男のいる満州にはいなかった。

過酷な体験のあまり、自分の身分や言葉など全ての記憶を失った勝男は、放浪中に人買いに捕まり、中国人農家に売られて酷使される日々を送ることになる。度重なる虐待に耐えかねて逃げ出したものの、再び人買いの手にかかり売られそうになった勝男を助けたのは、小学校教師の陸徳志(りくとくし)であった。子供のない陸徳志夫妻は勝男に一心という名を与え、貧しいながらも実の子のように愛情をこめて育てる。

優秀な青年に育った一心は大連にある大学に進学。恋人である趙丹青に日本人であるがゆえに別れを切り出される等差別を受けながらも、中国の発展のため尽くそうと決心する。しかし、彼の背後には文化大革命の嵐が押し寄せつつあった。やがて一心は、日本人であるという理由で槍玉に挙げられ、囚人として労働改造所に送られる。初めダム建設の苛酷な労働を強いられたが、黄河の氾濫により全て徒労に終わる。そして更に奥地の労改に送られ、そこで日本語を話す羊飼いの黄書海と知り合い、母国語である日本語を習得する。日本語というかすかな生きがいを見つけたのもつかの間、他の囚人の脱走幇助の冤罪を着せられ懲役刑が確定してしまう。更にふとした怪我から破傷風にかかり生命の危機にさらされるも後に妻となる江月梅に命を救われる。また彼女は匿名で徳志に音信不通となっていた一心の所在を知らせる手紙を送り、徳志ははじめて一心の置かれている悲惨な境遇を知るに至った。徳志の命がけの嘆願と、共産党幹部となった親友袁力本の奔走の甲斐あり釈放された一心は、労働改造所時代の命の恩人である看護師・江月梅と結婚、日中共同の一大プロジェクトである製鉄所建設チームの一員として働くことになる。

一方、中国に協力を要請された日本の東洋製鉄では、一心(勝男)の実父である松本耕次を上海事務所長に派遣する。松本はかつて自分の徴兵中に満州で消息を絶った妻子の行方を今も求め続けていた。苦労の末、ようやく一心の妹であるあつ子(中国名:張玉花)を見つけ出した松本だが、寒村の農家に嫁がされた彼女は過労の果てに病(脊椎カリエス)を得て、すでに死の床にあった。同じ頃、一心もまた唯一の肉親である妹を探し、村にたどりついていた。あつ子の死を契機に、間近にいながら親子とは気づかなかった一心と松本は、ここで初めて互いの関係を知り、確執を越えて数十年ぶりの再会を喜び合う。

その後、プロジェクトの一環で日本に出張した一心は、松本の家を訪れる。しかし、この訪問が原因で、一心はほどなくして以前から彼を快く思っていなかった同僚(趙丹青の夫)の策略により産業スパイとして告発され、プロジェクトから外された上に内蒙古の製鉄所へ左遷させられてしまう。初めは失意に暮れていた一心だったが、やがて製品の改良などを通じて内蒙古の仲間達と深い絆で結ばれる。

時を経て、丹青は一心を陥れた夫の策謀を知り、共産党幹部に告発。冤罪が解けた一心は再びプロジェクトに復帰、7年がかりで完成した製鉄所の高炉に火が入り、日中の参画者の心は一つになる。
プロジェクト終了後、一心は徳志の勧めで松本と父子水入らずの長江下りの旅行に出かける。雄大な長江を下る船の上で、松本は一心に日本へ来て一緒に暮らさないかと持ちかけた。日本の父と、中国の父。二人の父への愛情に一心の心は揺れ動くが、彼は苦悩の末、涙ながらに「私はこの大地の子です。」と答え、中国に残ることを決意することになるが、日中の家族に心が篤く繋がっているのを視聴者は涙して見守ったのである。



posted by Nina at 02:51| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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