2014年06月20日

武力行使にあたらないPKO、復興支援までが憲法9条の解釈のはず

6月19日、自民党の高村正彦副総裁は、朝日新聞の取材に対し、国連安全保障理事会決議に基づいて侵略行為などを行った国を制裁する集団安全保障について、日本が武力行使をできるようにする方向で調整に入ったことを明らかにした。

 歴代内閣が集団的自衛権の行使とともに認めてこなかった集団安全保障での武力行使を認めれば、日本の安全保障政策の大きな転換だ。 

 高村氏は「新3要件で、集団安全保障の武力の行使もしばる」とも述べた。爆撃などの戦闘行為は認められないが、機雷の爆破による除去などに限定した行為は許されるとの考えを示したものだ。別の自民党幹部も同日、「集団安全保障でも機雷掃海はできる。そうしないとおかしい」と語った。政府高官も、こうした考えを公明党に提示することを認めている。政府・自民党は集団的自衛権の行使を認める閣議決定の際、こうした方針を盛り込みたい考えだ。

 安倍晋三首相は記者会見や国会答弁で、集団安全保障での武力行使については「自衛隊が武力行使を目的として、湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことは決してない」と繰り返し否定してきた。集団安全保障は他国への制裁であり、日本の防衛と直接関係がないため、「集団的自衛権よりも集団安全保障に基づく武力行使の方がハードルは高い。憲法改正で対応すべきだ」(官邸関係者)との考えからだ。集団的自衛権を使えるには、自身が示した自衛権発動の新しい3要件について、「国民の権利が根底から覆される事態であれば、国連の集団安全保障でも適用できる」と語った。

 しかし、政府・自民党内で、集団安全保障でも武力行使を認めないと問題が生じる、との指摘が出た。議論の対象は、首相が集団的自衛権の必要性を説明する際に取り上げてきた中東ペルシャ湾のホルムズ海峡での機雷除去の例だ。仮に、自衛隊がホルムズ海峡にまかれた機雷を、集団的自衛権を使って取り除いていたとする。その途中に、国連安保理が決議を出せば、事態は「集団安全保障」に変わる。今のままでは、自衛隊は活動を中止しなくてはならなくなる。

 自民党の与党協議メンバーの一人は「首相が集団安全保障にしばりをかけ過ぎてしまったことは失敗だった」と漏らす。ただ、公明党は憲法解釈の拡大に懸念が強く、異論が出そうだ。首相と公明党の山口那津男代表は19日昼、首相官邸で会談した。(蔵前勝久)


 ■無制限に広がる恐れ

 《解説》政府はこれまで集団的自衛権の行使は認めるものの、集団安全保障については憲法解釈の変更をせず、武力行使を認めない方針を強調してきた。なぜならば、集団的自衛権と集団安全保障には本質的な違いがあるからだ。自衛権は集団的、個別的であれ、あくまでも他国や自国を「守る」ことが目的だ。

 しかし、集団安全保障はルール違反をした国に加盟国が武力を使って制裁を加えるものだ。ルールを守らない国を「たたく」行為で、攻撃的な性格を持っており、同じ武力行使と言ってもまるで次元が異なる。驚くべき方針転換だ。

 政府・自民党は集団安全保障の武力行使は「機雷除去」を念頭に「限定的」だと強調する。
 しかし敵国が、戦闘中の機雷除去をしている自衛艦に攻撃してくることは当然予想される。いくら「限定的」と強調したところで、現実の戦闘行為に線引きをするのは極めて難しい。政府内でもさすがに「実現は難しいのでは」(官邸関係者)との慎重論も上がるほどだ。

 このままなし崩し的に集団安全保障の武力行使が認められれば、日本の海外での武力行使は無制限に広がるおそれがある。(園田耕司)

 ◆キーワード

 <集団的自衛権> 密接な関係にある他国が攻撃された場合、反撃する権利のことだ。日本の歴代内閣は、日本は集団的自衛権を持ってはいるが、行使は憲法上許されないと解釈してきた。

 <集団安全保障>は、武力攻撃を行った国に、国連加盟国による国連軍や国連決議に基づく多国籍軍が軍事力によって制裁すること。日本は武力を使う国連軍や多国籍軍への参加は、憲法9条を踏まえて認めていない。ただ国連平和維持活動(PKO)などで、武力行使にあたらない復興支援は進めている。


朝日新聞デジタル 6/19


 
posted by Nina at 00:00| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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