第23回参議院選挙の選挙区の投票率は、各都道府県が発表した結果などを朝日新聞社が集計したところ、52・61%だった。沖縄以外の46選挙区すべてで前回より投票率が低下した。
特に低かったのは、青森の46・25%、岡山の48・88%、千葉の49・22%だった。 高かったのは島根の60・89%、山形の60・76%、鳥取の58・88%だった。前回の2010年参院選の57・92%を5・31ポイント下回り、戦後3番目の低さだった。参院選の投票率は1980年に74・54%を記録して以降、低下傾向が続き、95年に最低の44・52%となった。98年に投票時間を2時間延長してからは56〜58%台で推移していた。
今回、千葉では、みんなの党と維新の候補者の選挙協力が割れた頃から1増2議席を与党が占めるとの公算がささやかれ、さらに維新では公認候補者差し替えやら公認辞退の事情までがおきて、選挙戦への期待値が低下したのも理由ともいえそうだ。よく比較に出される埼玉は、自民現職が圧勝、公明とみんなの党(元民主幹部、女性)が残り2議席を占めて、次点には民主(現)、共産、社民が続いていて入れ替えが行われた。千葉と埼玉は3議席でも、選挙に行く行かないではだいぶトレンドは違っていた。ちなみに、神奈川も1増で4議席となっていたが、自民、みんな、公明、民主の各党選出候補でうち女性が二人となった。本年2月24日、民主党大会において「綱領」を制定したことが選ばれるべき人が残るという結果につながったのかもしれないが、茨城でも2議席のうち民主が1議席を守った。東京都は民主が候補者を早期に調整が出来なかった事情が緒を引いてか、民主議席を失った。一方、東京では無所属が当選する現象が続いている。6年前は、川田龍平氏(2年後に、みんなの党入党)が、今回は山本太郎氏が60万票超を取って当選した。栃木、群馬は1議席のままで、民主は議席を得ていない。
政治不信で、政治離れと言われ、金権千葉と言われて久しかった、政治とカネをめぐる問題が思い起こされる。その上、千葉の急増人口に対して参議院議席は、限られた2議席のままだった。保守の牙城ともいわれた千葉では、「消えた年金」問題が追及されて争点となって民主が勢いをつけていった。
前々回の07年の年は与野党が転換する時期だったため58・64%(04年比2・07ポイント増)と近年では比較的高い投票率を記録。09年は衆議院の解散選挙で民主が名実ともに第一党に踊りでるが、民主内部から政治資金の問題が明るみにでたり、消費税引き上げなどが争点となって政治離れの事情はなかなか解消せず、前回10年の投票率は07年比で0・72ポイントの微減に留まって、投票率が大幅上昇するには至らなかった。今回も、千葉は議席数が増えても投票は低下だったのは残念だ。
2013年07月22日
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