住民に怒りと焦燥感、
東京電力福島第1原発事故の影響で放射性物質に汚染された焼却灰が手賀沼終末処理場(我孫子・印西市境)で一時保管されている問題で、柏市議会の放射能等災害対策特別委員会(末永康文委員長)のメンバー12人が5日、処理場内の灰の保管状況を視察した。柏、松戸、流山3市の執行部・議会が搬入開始後、同処理場を公式に訪問するのは初めて。すでに3カ月以上経過してからの視察に加え、新政権発足で最終処分場の建設が不透明となっており、住民側の焦燥感や怒りが募っている。
処理場の入り口に、我孫子市の反対住民約30人が詰めかける中、柏市議を乗せた大型バスが午後2時過ぎに到着。約30分間、県の職員から、一時保管施設(テント倉庫)内に保管された灰について説明を受けた。
視察後、施設を出ようとした大型バスの前で、住民側が「柏市の汚染灰は、柏市で保管」「一時保管でも安全最優先で」などのプラカードを掲げて座り込みし、大型バスの通行を阻止。処理場の出口で立ち往生したバスから末永委員長が出てきて話し合いに応じることになり、住民側は安全な施設の設置を県に申し入れるよう要望した。これに対し、末永委員長は「この問題の一番の責任は東電であり国だ。住民の気持ちも理解できるので、今後、議会で対応を検討したい」と理解を求めた。
しかし、住民側は怒りが募るばかり。柏市には、搬出者として県に施設の安全確保を求めるよう要望したが断られ、国の公害等調整委員会の調停でも、調停の結論が出るまで灰の搬入を停止するよう申し入れたが、停止されなかった。1キロ当たり8000ベクレル超の高濃度の焼却灰は着実に搬入され、昨年12月以降、柏、松戸、流山3市からの灰の保管量は約397トンに達し、柏市だけで167トンが運ばれている。
住民団体「広域近隣住民連合会」の小林博三津事務局長(我孫子市)は「一時保管施設には柏市(のコンクリート製の保管庫)と同じ対策をやってほしい。末永委員長は我々住民側に理解を示していたが、結果的には、灰は搬入されているので、言動にずれがある」と批判した。
http://mainichi.jp/area/chiba/news/20130406ddlk12040090000c.html
毎日新聞 2013年04月06日 地方版
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