3月で、51歳になった松田聖子は、80年にデビューした。90年代、2000年代に渉って『女性自身』や『婦人公論』その他の雑誌、TVなどのメディアにおいて「生き方に憧れる女性有名人」「輝いてる女性有名人」「スターだと思う有名人」「永遠のアイドルだと思う有名人」などの好感度アンケートでは常に上位にランクインを続けて、印象的なCMにも始終起用されてきた。2007年4月9日、「松田聖子的生き方」とそれに共感する同世代の女性たちに焦点を当てたドキュメンタリー番組、NHKスペシャル『松田聖子 女性の時代の物語』が放送され、放送後も『朝日新聞』の天声人語(4月15日付)にも取り上げられるなど話題を呼んだ。大宅壮一文庫創設以来の人名索引総合ランキングでは「松田聖子」が1位(2011年3月)となっており、「日本の雑誌にもっとも頻繁に登場した著名人」とされている。





「裸足の季節」でレコードデビュー、CMタイアップで火が付き、続けざまにヒット曲を連発。トレードマークであったヘアスタイルの「聖子ちゃんカット」や、「ぶりっこ」などの言葉がうまれ、結婚後も仕事をする新しいアイドル像として、女性の生き方にも興味をもたれて多くの話題を集めてきた。さらに、1988年2月14日、東京都目黒区の自由が丘に現在も営業中のブティック「フローレス・セイコ」をオープン。「フローレス (Flawless) 」とは "(宝石が) 傷のない、完璧な" という意味で、ダイヤモンドの最高級を表すというが、常に屈託がなく最高のものを目指してモノにしようとどん欲に最前線に出るのである。男尊女卑の伝統が強い九州・福岡の生れだそうだが、その分男性の扱い方がうまいのかもしれない。
1990年代のアルバム『1992 Nouvelle Vague』から『FOREVER』までの6枚はセルフ・プロデュース、全曲作詞作曲が基本となり、ヒットさせる。特に、1996年発表の「あなたに逢いたくて〜Missing You〜」は、オリコンチャートで彼女自身シングルで初めてミリオンセラー(100万枚突破)を記録し、最大のヒット曲(2013年現在)となった。シンガーソングライターとしての才能も極めつけの評価を得たのだ。
俳優の神田正輝と結婚した1985年以降、1997年に神田との離婚後も、学業半ばの娘の姓が変わらないようにするため婚氏続称を選び、民法上は神田姓であった。最初の離婚のニュースは、芸能報道の枠を超えて各局とも一般ニュース枠でも報じ、号外が出された。 しかも翌年5月には、6歳年下の歯科医と交際2か月で結婚。会った瞬間「ビビビッと来た」というコメントが流行語にもなった。 歌手デビュー20周年を迎えた 2000年9月、かつて交際していた郷ひろみとのデュエット曲「True Love Story」発表の話があり受諾・発表し世間を驚かせたのもつかの間、 同年12月に再婚相手の歯科医と離婚。昨年6月13日には、自身の公式ホームページにて大学准教授の一般男性と再々婚を発表していた。
2004年、オリジナルアルバム『Sunshine』が、7月21日付のオリコンアルバムチャート(週間)で初登場6位を獲得してアルバムトップテン入りは通算39作目となった。女性アーティストでは松任谷由実に並ぶ歴代1位に輝いた(その後松任谷由実が記録を更新したため現在は歴代2位)。 同年、10年ぶりに出演(障害児童の母親役)したテレビ・ドラマ『たったひとつのたからもの』(日本テレビ)が関東地区で平均30.1%、関西地区で平均23.6%(ビデオリサーチ調べ)の高視聴率となる。なおのこのドラマはアジア・テレビジョン・アワード2005 単発ドラマ部門 最優秀作品賞を受賞する。 同年 6月5日のさいたまスーパーアリーナを初日に、歌手活動25周年にあたる全国ツァー『fairy』を開始。台湾のファンからの強い要請に応え、デビュー初の海外公演(8月20日)を最終公演日に台湾の新荘市にある新荘体育館で行った。観客5000人から熱烈に歓迎され、中国語でも歌った。
翌年は、オリコン・アルバムチャート(2006年 7月31日付)で10万円の74枚組CDボックス『Seiko Matsuda』が96位にランクイン。このボックス・セットは週間売り上げ金額で2億1500万円を記録し、2位を2倍以上引き離していた。これまで、アルバムでチャートイン(トップ300)した最高額作品は、1989年8月の美空ひばりの6万円の35枚組『今日の我に明日は勝つ』(9位)だったが、松田聖子は美空ひばりの記録を16年11カ月ぶりに更新した。その後、当初の発売予定の1万セットを完売し、売り上げだけで約10億円となる。他方、『ディナーショーの女王』としもて知られ、全歌手の中で最も値段が高いチケットの部類に入る。東京のグランドプリンスホテル新高輪やホテルニューオータニ大阪の48,000円のチケットは即日完売で、ヒルトン名古屋ではでは4人セットで220,000円という価格のものも存在するほど人気が高いアイドルとして活躍中の女性企業家的スターである。
10代で上京、51歳になった今も変わらない元気な笑顔で、世界的なアーティスを目指して走り続けている女性であることが、支持される理由の一つではないだろうか。目いっぱい出る釘になるのは、そうはないからだ。
ここ数年、AKB48や少女時代、KARAなどの「女の子」ではない「女子(じょし)」の流行になっている。たぶんこれからは、女性の感性を生かした事業や、女性に支持されることが伸びていく基準になるのだろう。我孫子の町が女性たちの感性にアピールするところなら、あらたな賑わいが生まれる可能性がある。
参考: Fresh eye Pedia
【関連する記事】