朝の気温が氷点下になることもあるこの頃、今年最初の新年会でお会いした女性から、「全国樺太連盟」なる樺太引揚者のホームページの運営をボランティア委託されて運営しているとの話があった事を思い出した。http://www12.ocn.ne.jp/~kabaren/dantai.html
「我孫子の文化を守る会」のお一人だったが、こうしたボランティアも引き受けておられるなどは流石だとおもったものだった。災害やまして戦争での痛手は心に深く残り、何年たっても癒えることはないが、語るのを憚る思いも一方で強いものだ。その為に、知られざるまま封印され、風化してしまう側面がある。
今、私の娘はこの冬をモスクワで過ごしている。そして、向こうで『ダスビダーニャ わが樺太』という本を読んで知らなかった史実に衝撃を受けたとメールしてきた。
本の筆者は、当時三歳だったが、父の遺した克明な記録を手がかりに、母親・兄姉たちの証言をまじえて、知られざる事実を明らかにしたノンフィクションの衝撃の内容だ。当時のソ連軍の進駐、恐怖の体験、そして北海道への帰国までを50年の歳月を遡って事件の真相を浮き彫りにしている。
1945年8月20日、樺太の港町真岡にソ連軍が突然侵攻、一瞬にして町は殺戮略奪の修羅場と化したことにも触れている。8月15日の日本降伏後に、なぜこのような悲劇が起こったのか。一般にもほとんど語られることがなく、関係者の胸の奥深くに秘められたままになっていた。筆者の執拗な質問に母や姉、兄たちが声を発するようになり、50年前の癒されることがない記憶が語られるの聴き取った本だ。
五木博之、梅原武らの推挙、蓮如上人滅後五百年記念・ノンフィクション文学賞。第二回蓮如賞優秀作。
出版社:河出書房新社 (1996/01) 188ページ
著者:道下匡子 ウイスコンシン大卒NY国連本部勤務。翻訳家。
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この本のあとがきには、
民主主義とは時の権力による不当な政策、不公平な世の中の仕組み、はては徴兵に応じなければ刑が科された。「日本を真に民主的な国にするための出した答えの一つが民主主義で、それが根付いていると知れば、
父親も浮かばれるだろうし、民主的な社会をつくるために自分も民主的な樹分を作り続けるための努力をし続け、それが大切であることを皆さんも気づいてくださるなら、亡くなった人々も本望でしょう。」と結んでいる。
現在、アルジェリアの日揮プラントでの日本人、および多国籍従業員人質事件が起きているが、アルジェリアのテレビ局が人質が撮影したとみられるかなり不鮮明な映像を放送していたとして、TBS系(JNN、 1月22日(火)19時20分配信)の動画が掲載した。赤い丸印で囲ったのが犯行グループのメンバーだということで、このテレビ局は、殺害されたとみられる人質の遺体の周りを歩いているところだと伝えた。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20130122-00000050-jnn-int
他方、北朝鮮が「人工衛星」と主張する長距離弾道ミサイルの発射問題で、国連安全保障理事会は22日午後(日本時間23日未明)、発射を安保理決議違反と非難し、制裁強化決議案を全会一致で採択することにした。新たな発射や核実験を強行すれば、安保理として「重大な行動を取る」と強く警告している。北朝鮮のミサイル発射に対する制裁決議は初めて。安保理の対応は事実上、米中に委ねられており、関係者によると、中国は当初、決議よりも法的拘束力の弱い議長声明を求めたが、米国が(1)昨年4月のミサイル発射後の安保理議長声明で「さらなる発射」に「相応の行動を取る」と明記した(2)米本土が北朝鮮のミサイル射程に入りつつある、と主張。「格上」の決議にこぎつけたという。22日午後(日本時間23日未明)に採択となる。
世界は犯罪、戦争、紛争、災害によっても影響が広がっている。昔と違うのはインターネットによる報道が可能になってきたことだろう。私たちは、幾らかでも不幸に見舞われている人々の実情を知ろうと努力して、声を発し、行動しなくてはいけないと思う。ほんの少しでも周り(海外)と関わり、考えを集めれば解決の糸口が見つかるかもしれないからだ。
2013年01月22日
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