国際通貨基金のクリスティーヌ・ラガルド専務理事は来日した際、「日本の活性化には、女性の力がいる」と述べた。ところが、日本の女性議員の割合は際だって低い。衆議院議員の女性比率は、3年前にやっと1割を超したものの、10.8%にとどまる。政治に多様な民意を反映させるのは民主主義の基本である。今の日本には、さまざまな個性や能力が必要だ。
世界経済フォーラムは9月、各分野での男女差を指標化した「ジェンダー・ギャップ報告」を発表した。日本は2年連続で順位を下げ、135カ国のなかで 101位だった。健康状態や教育の程度はまずまずなのに、経済分野での参加にくわえ、とりわけ政治への参加が110位と低い。
ドイツは、各政党が独自に規則を定めた。比例代表の女性の比率を一定以上にしたり、名簿では奇数順位を女性にしたり、というもので、女性議員の割合は32.9%にまで増えた。
日本でも、各政党がこうした目標を定めることから始めるべきだが、これまでは女性の側からもそうした声はあまり聞かない。日本は男女格差のひどい国だという認識は、女性の間でも、あまり強くないのではなかろうか。団塊の世代には、専業主婦が多く、生活上は差別されず、夫の失業や災害に出会うまで問題に気付く機会がなかったことも要因なのかもしれない。
世界では、議員やその候補者の一定割合を女性にするよう決めることで、女性議員の割合を増やしている国が多い。クオータ(割り当て)制と呼ばれる。
将来にむけて、必要なら法律で定めることも含めて議論を始める必要がある。原発や領土の議論でも多様な意見が出ても、男女半々に近くなるのが自然だろう。
韓国では、まもなく女性大統領が誕生しそうだ。
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