(以下、内容書き出し)・・・・・・・・・・・・・・
今夜(10/12)は環境問題に精通する文筆家田中優さんをお迎えしています。
ピーターバラカン:
田中さんというとやはり原発問題を連想するもんなんですけれど、今週僕はスケジュールが異常な感じでね、
2,3日前の新聞のトップにね、見出しだけ見たんですけど、「福島の格納容器、水2.8mで11シーベルトの線量が出てる」っていうのを見たんですね。これ、どういうことでした?
田中優:
要は核燃料が、まともな状態にまとまっていなくて、もうこぼれ出てしまっていて、そうすると、40分で即死ですね。それぐらいのレベルになってしまっているというのが、先日の数字ですね。
バラカン:要するに近づく事はまだ誰も出来ないんですか?
田中:
不可能ですね、だからロボットかなんか使って遠隔操作でやらない限りは…っていうレベルになっているという事ですね。
バラカン:これはこの先、ど、どうすればいいんですか?
田中:
これはね、本当は僕は東京電力に任せておいちゃまずいと思っています。
やっぱりその専門の人達で、みんなで頭を詰めてそれで考えてやらないと解決できないと思いますよ。
バラカン:んーー
田中:
原発を動かすことは東京電力は出来たかもしれないけれど、収束させるための会社じゃないですからね。
無理だと思いますよ。
バラカン:
あの、普通の状態で停止したとしても、実際に安全な状態になるまでは何十年かかるんでしたっけ?
田中:はい、大体本当の、バラカン:40年とか?
田中:そうですね、それぐらいかかっちゃいますけれども、熱が下がるのにまぁ、2〜3年かかるっていう事ですかね。
バラカン:
いやぁ、これからね、日本の政府が脱原発、原発ゼロって話も出たんですけど、結局これもなんかお茶を濁したようなものでしたよね。これは、どういうふうに考えればいいですか?
田中:
今の時点ではせめぎ合っているというのが実態だと思いますけど、要は原発をこれまで進めてきた人たちは全く諦めていないので、今度選挙になれば返り咲くかもしれないという事で、今、上関原発というのが中国電力のところでつくられようとして、で、県知事が、
バラカン:祝島の向かいの、あそこですね。
田中:そうです。
県知事が今、水面埋め立て許可を出さないという事で止めたんだけれども、実は丁寧に読んでみると、「今は出さない」って言ってるんですよね。だからこの後でもし政権が代われば、「出したいなぁ」というところにいるのかなと、だからまだせめぎ合いは続きます、ずっと。
ですんでね、まだまだはっきりしたことは何一つないような状態かなという感じですね。
バラカン:で、福島県を中心にまだまだ汚染が続いている訳ですよね。
この汚染が続く間、その、「放射能対策」っていうのかな?これは何かできることはあるんですか?
田中:チェルノブイリの時の事を見るというのが、本当は一番重要で、チェルノブイリではやっぱり住まわせなかった、「ここには住んじゃダメだよ」という範囲をつくったのに、日本では今もそのレベルのところに沢山の人達が住んでいますから、だから、やるべきすべきことを、まずきちんと学んで出さないと、「手遅れになっちゃう」という心配をしていますね。
バラカン:ん・・
田中:
実はごく最近出てきたのは、カナダの科学者が出したというデータで、10ミリシーベルト/年間。それでちゃんと被害者は増えるというレポートが出てきたんですよ。そうすると今日本では「100ミリシーベルト以下は影響が出ないんだ」「はっきりしていないんだ」みたいな事を言って、20ミリシーベルト/年以下のところには人を住まわせることにしちゃったわけですよ。それは十二分に危険になっちゃう。
それを考えていくと、ま、とにかく線をきちんと引くというところから始めげもらわないと、いったん、今回のやつ、対策は失敗しているんで、だからもう一度作りなおして、線を引くというところから始めないと難しいと思いますよね。
バラカン:政治家たちがそういう気にならなければ、どうやって圧力をかけることが出来ますか?
田中:
それはとても厳しいところですけれど、ただ、期待を感じているのは、従来と違うメディア、要はSNSインターネット、これの力がものすごく強くなってきていて、メディアは今、その後追いをしているような状態ですね。
ですので、そちらがもっと強くなってしまえば、「人々の意思というのがもっとダイレクトにいろんな社会に影響を及ぼしていくだろう」という期待はしています。
バラカン:
つい先日本が出たんですね、「原発問題に無関心なあなたへ」これは田中さんも参加している、かなり多くの人達の、これ、文章を書いたものですか、原発トークメッセージという、副題が付いていますけれども、
田中:ええ、文章を書いて、それで、
バラカン:あ、みんなで
田中:書いて送って、それで「無関心な人に」っていう事でつくられた本なんですけれど、無関心な人が手に取るかどうか?が問題ですけれど(笑)
バラカン:そうなんですよね。その無関心を防ぐためには我々メディアに携わっている人間の問題もあると思うんですけどね、
田中:そうですね、確かに。
バラカン:もっともっと、田中さんのような方に発言の機会を与えるって、田中さんはどうですか?いろんなメディアにも出ていますか?
田中:はい、もともと、あまり出ていないというかね、実はそこを言いだすときりがないわけじゃなくて、実は資源エネルギー庁というところが「要監視リスト」というのをつくっていたんですよ、日本のなかで。
バラカン:「いた」っていう事はもうそのリストはない?
田中:先日やっと廃止になったんですが、それまでの間、僕もその一人にノミネートされていたんですが、日本中で60人。
山内トモコ:60人…
田中:この人達がもしメディアで発言したら、クレームを付けてくるんです。資源エネルギー庁が。
山内:それは内容に関わらずという事ですか?
田中:原発にかんして。で、「この人の言っていることは間違っている」というクレームを付けてきて、
バラカン:政府が一方的に放送局に対してそういう事を言うんですか?
田中:はい。そして放送局はそのクレームを受けて、ちゃんと訂正放送をしなければいけない。
バラカン:この事はメディアに出てますか?
田中:はい、一応出ています。そういう形で対応策を資源エネルギー庁が作っていて、その中の一人に選ばれちゃっていますから、そうすると、僕を呼ぶと面倒になるわけですよね。
バラカン:なるほど。じゃあ誰も呼ばなくなっちゃうわけですよね。
田中:そうでしょうね(笑)
山内:それは長くあったものなんですか?
田中:長くありました。
バラカン:何年位?
田中:多分、10年位あったと思います。
バラカン:えっ!本当?!
それ、「あなたはそういうブラックリストに載っていますよ」というのは、話しは来るわけですか?
田中:いや、あとからね、
311の事故以降に、情報公開でそれを引きずり出した人がいて、その人がUPしたんですね、インターネット上に。その中に、よーく見てみたら、「あれ、俺の名前が載ってるわ」って気付いたんですね。
バラカン:ほんと!?ちょっと許せないねそれは。
田中:そうですね、だから民主主義を、まず日本の場合は作ってもらわないとね。
バラカン:本当!民主主義は成立していない っていう事ですね。
田中:まだですね。はい。
バラカン:メディアに対するそういう規制があるっていう事は、
田中:そしてメディアの方もそれに唯唯諾諾と乗っちゃっているというところが問題で、
バラカン:ま、電力会社がね、最大のスポーンサーって言う事はよく聞いていたんです、311以降の話なんですけど。もう、いまの電力会社はそういう立場じゃないでしょ?
田中:今はそうではないです。って言うのは以前はね、オール電化のコマーシャルは、全部原価に上乗せして、電力会社は3%の利益を上乗せしてみんなから取っていい んですよ。だから、使えば使うほど儲かるんです。
バラカン:その話もね、原発事故の後に出てきたものだからね〜
田中さんは番組の冒頭でちょっと話が出たAPバンクフェスティバルなんですけど、もともとそのAPバンクについて、ちょっと話していただけますか?
田中:僕自身が、実は18年前に市民で勝手に作るバンクをつくろうという事で、8:45
ー略ー
12:10
バラカン:
田中さんは原発以外にもいろんな環境問題にも関わっていると思うんですけど、今一番気になるものは何なんですか?
田中:今はやっぱり原発が一番大きくって、つい最近、ま、これから出版なんですが本を二冊分書きましてね、放射能の話が一冊と、今後のエネルギーの話が一冊、両方ともちょうど書き終えたところで、そのために徹底的に調べたんで、今は割と頭の中はその事がいっぱいですね。
バラカン:じゃ、ちょっと伝えていただけることがあるとすれば、なにが一番?
田中:非常に簡単に面白く言うと、男の人と女の人と、興味のジャンルが違うんですよね。で、面白い事に前半で放射能の話をすると女性が一生懸命で男が寝てて、後半でエネルギーの話をすると、今度は男が一生懸命で女性が寝てて、っていうパターンになっていますね。
だからやっぱり、お母さんとか、命に近いところにいる人は圧倒的に「放射能をどうしたらいいの?」これは一言で言うと内部被ばくが圧倒的に怖いので、気を付けてほしいというのが一番重要かな。で、エネルギーの方をもし一言で言うと、原発を止めるには発電所じゃなくて、節電が圧倒的に効果が大きいのね。しかも努力忍耐じゃなくて、その装備そのものを省エネ製品を選んでいくことで解決してもらうっていうのが一番いい気がします。
バラカン:なるほど。さて、最後に女性のリスナーが寝てしまうかもしれない事を覚悟して、是非、エネルギーのお話をちょっとお聞きしたいですね。
田中:そうですね、最近決まったことで、実は2015年よりも手前あたりに、完全に電力が自由化されるっていうのが決まってましたね。
バラカン:ああ、噂は聞いていましたね。これはもう確実になるんですか?
田中:それがね、まだひっくり返される余地はあるんだけれども、一応は決まりました、いったん。
それで言うと携帯電話の買い替えみたいに、我々が電力を選べる時代が3年後。そういう状況になってきましたんでね、
バラカン:待ち遠しいね。
田中:本当に。社会は転換期を迎えました、やっと。
バラカン:それに備えて、なにをどういうふうに進めたらいいかはちゃんと、勉強というか、情報を集める必要はありますね。
田中:主体的に考えてもらえるようになれば、解決策は見いだせると思います。
バラカン:この辺のお話は田中さんも講演会では詳しくされていますか?
田中:はい、してます。
バラカン:分かりました。年間300回あるというので、みなさん聞く機会があると思います。
ありがとうございました。
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