2012年10月18日

ホールボディーカウンター検査、全部が分かるわけではない

ECRRの提言では、今後、10年以内に原発から半径100キロ以内の住民の約10万人が原発事故により放射能汚染により、事故がなかった時より多く、がんになり、同じく原発から100キロから200キロ圏では12万人が、事故がなかった時より多く、がんになると予想しています。

 そこで、栃木県県北地方は、8月30日に文部科学省が発表した、放射性セシウムの土壌汚染を踏まえた最新の航空機モニタリングによれば、7月当初の発表より高濃度に汚染されていることがわかりました。 チェルノブイリの第V分類の中間から上限を超え、一部は第U分類に該当することがわかりました。 チェルノブイリ第V分類は、居住してもよいが定期的な健康チェックが必要な地域、第U分類は選択的移住権が認められる地域、すなわち出来るだけ移住したほうが良く、移住するなら国が保証をするという地域です。(旧ソ連の政策) 那須町や那須塩原市の空間線量は、おおむね0.5から1.0μ㏜/hrくらいですので、外部被ばくは大きな問題ではありませんが、内部被ばくに対しては、十分な対策を取らなければ、がん患者の大量発生がありえます。

 空間放射線量が1.5μ㏜/hrを超える地域となった栃木県県北では、すでに大変危険な量の放射性物質の汚染があります。除染を行っても住民が住めるようになる見込みは低いので移住をするべきで、それ以下の地域は、除染により空間線量を3分の1以下に下げる効果が認められ、内部被ばくを少なくできて居住可能地域とできることから、除染を行うべきと考えられます。

 放射性物質が、放射線を放出し人体にぶつかるとき(外部被ばく)、これはガンマ線でもベータ線でも、現在の栃木県県北の量では大きな健康被害は起きません。 しかしながら、放射性物質が呼吸や飲食で体内にいったん入ってしまうと(内部被ばく)、ベータ線とアルファ線が主体となり、体内にとどまる限り、ごく少量でも極めて危険なもの、即ちがんを発生するものとなります。
 

■さらにショッキングな事実!?
 ホールボディカウンターの検査が行われるようになりましたが、これはNaI(TI)シンチレーション検出機を使って全身を検査するものです。しかし、ECRR(ヨーロッパ放射線防護委員会)のバズビー博士は「そもそもセシウムしか重要視していないホールボディカウンター検査は意味がない。こんなものにお金を使うより、食の安全にお金をかけるべきだ。」と言っておられます。基本的にはガンマ線を放出する核種、セシウム134、137、カリウム40、ヨウ素131などのγ線を出す核種を検出するですが、ベータ核種のストロンチウム90やアルファ核種のプルトニウム239などの最も危険な核種は検出できません。また、正確に測るには、30分以上かけて、データの分析に熟練した技師が行う必要があり、とても2〜3分の流れ作業的検査では正確な被曝の証拠は出ません。
 
 昨年、福島県では、住民のホールボディカウンター検査を始めていましたが、被曝の検出率は数%と低いようです。栃木県でも、18歳以下の住民を対象に検査を行うように予算が付けられるようです。おそらく内部被ばくが証明できるのは、検査人数の1%以下なのでしょう。

 事故から1年が経とうとしており、つまり、時期的にホールボディカウンター検査をしても、ヨウ素131は全く検出できませんし、もともとプルトニウム、ストロンチウムは全く検出できません。実際は、当時にヨウ素131の大量被ばく、プルトニウムとストロンチウムもかなりの量を内部被ばく、セシウムもそれなりに大量に被曝しているのに、検査の際には半減しているということになります。

 栃木県や福島県の住民を検査したが、ほとんど内部被ばくは検出されなかったことからも言えます。 1年がたった現在においては、検査費用に補助金をかけるより、“食”の安全の方にお金をかけるべきとの声もあるわけです。

■何種類もの放射性物質が拡散した
 3号機の爆発のあった3月14日と2号機と4号機の爆発のあった15日は、公開されているSPEEDIのデータによると、南向きの風が吹いており、死の灰の塊であるプルトニウムを大量に含んだ放射能雲は、千葉、東京、神奈川を直撃しました。

 幸い、この日は雨は降っておらず、風向きが北向きへと変わり、大量の地上降下は避けられました。しかしながら、相当の放射能汚染がされてしまったはずです。その後、南の風に押し上げられた放射能雲は、15日の午後には栃木県県北、群馬県県北、福島へ到達し、残念ながら小雨の降っていたこれらの地方には、大量の地上汚染となりました。つまり、これらの地方の放射性物質による放射能汚染は、巷で言われているセシウムだけではなく、大量のアルファ核種〜プルトニウムなどや、ベータ核種〜ストロンチウムなどによる汚染があるということになります。

 ガンマ線は、市販のガイガーカウンターやシンチレンションカウンターで簡単に測定できますが、アルファ線、ベータ線は、特殊なガイガーカウンター〜その他の機器を使用しないと測れません。特殊なガイガーカウンターで那須町、那須塩原市の土壌を測定したが、やはり大量のアルファ線〜すなわちプルトニウムと考えられるものを検出しています。

■千葉の汚染のもう一つの理由!!
 昨年3月11日の東日本大地震による東京湾を襲った津波で、千葉の石油会社のコンビナートが火災を起こしました。隣接地にチッソの工場があり、触媒として劣化ウランが約780キロ保管されていました。石油会社の火災が延焼して、この劣化ウランは、ほとんど燃えてしまいました。

 劣化ウランというのは、天然ウランからウラン235を抽出した後のウランで、チッソ工場に保管されていたものは、ウラン238が99%以上で、ウラン235は0.3%であったと発表されています。マスコミ報道では、放射性物質は0.3%であるから、つまりウラン235だけが危険なものでその量は少ないから、健康被害の心配はないと報道されていました。しかし、本当は・・・。

 ウラン238も放射線を出します。アルファ線と中性子線です。原子力発電用の濃縮ウランは、ウラン235が3〜5%で、残りはウラン238、劣化ウランは、ウラン238が99%以上です。放射線を出す比率〜放射能は、半減期に反比例すると考えられます。ウラン238の半減期45億年、ウラン235の半減期7億年を成分比率で加重計算すると、放射能は、濃縮ウラン:劣化ウラン=100:87.3となり、大きな違いはありません。

 この劣化ウランが燃えた煙が、東京地方を汚染したと考えられ、大量のアルファ線と中性子線を放出していると考えられます。つまり、この説によると、東京地方の中性子線源は福島原発事故由来ではないということになります。

  中性子線検出器で、福島県中通りと栃木県北部の合計30か所を測定した人がいました。使用機種は、RAE systems社のNeutronRAEUです。この機種は、原発職員用&原子力研究施設職員用のもので、30万円位するものです。アメリカのパーソナル用の放射能測定器の評価レポートでも、高い評価を受けていました。中性子線については、秒刻みの検出、カウントパーセカンドという単位での表示で、1秒ごとに中性子線が何回検出されるかを表示します。また、リセットするまでの間のピーク値をガンマ線と中性子線の両方測定し表示してくれます。ガンマ線はリアルタイムで表示されますが、中性子線は大量にある場合を除けば、そこにとどまって何分か経ってから検出され、表示されるようです。結果は、5か所で1分以内に1cps、6か所で5分以内に1cps、8か所で10分以内に1cps、5か所で30分以内に1cpsでした。6か所では、30分間では検出されませんでした。2cps以上の中性子線が検出されたところはありませんでした。

  1cpsは、中性子線の空間線量としては、約0.5μ㏜/hrに相当します。自然界でも、ごく少量の中性子線は検出されています。2004年の全国調査による平均値は、4nμ㏜/hrです。nは、ナノ単位であり1/1000ですから0.004μ㏜/hrとなり、比較すれば一目瞭然で、今回検出された中性子線は、自然のものではありません。福島原発事故の放射能汚染によるものです。

  自然界で中性子やその他の粒子などの衝撃なしで核分裂を起こす“自発核分裂”の確率の高い代表的物質は、確率順に挙げると、プルトニウム240(489000回/sec・kg)、プルトニウム239(7回/sec・kg)、ウラン238(6.9回/sec・kg)、ウラン235(5.6×10マイナス3乗回/sec・kg)です。これらの物質は、自然界で“自発核分裂”を起こして、原子炉内部の核分裂と同じように、中性子線を放出します。

  昨年8月26日に経済産業省から発表された放出核種の試算表によると、この4つの核種の中で、ウランについては全く発表がありません。

 プルトニウムがゼロでウランのみからアルファ線と中性子線が検出される状況は、原発事故による放射性物質の飛散では考えにくいことから、この地域にプルトニウム汚染があることは、間違いないと思われます。この地域がアルファ核種のプルトニウムで汚染されていること、そして、それなりの程度の汚染であることが、中性子線検出からも裏付けられました。

  また、3号機の爆発は使用済み燃料プールの即発臨界による核爆発を伴っていること、使用済み核燃料にはウランがプルトニウムよりもずっと多く含まれていることから、実際はプルトニウムよりもウランで汚染されている可能性の方がずっと高いと思われます。

  東京での測定では、1cpsの地域が多いとのことですが、最高8cpsの中性子線が検出されるところがあるということです。局所的には、福島県中通りや栃木県北よりも高濃度汚染地域があることが分かります。
これにはいろいろな説があるかと思いますが、現時点で一番有力なものは、以下の説です。

  この劣化ウランが燃えた煙が、東京地方を汚染したと考えられ、大量のアルファ線と中性子線を放出していると考えられます。つまり、このような点から東京地方の中性子線源は福島原発事故由来ではないことが考えられます。日本政府は、意図的にセシウム汚染を強調して、他の放射性物質、特にプルトニウムやウランの汚染に目を向けないように仕向けている可能性があります。いずれはこれらの物質による「関東から福島県の汚染」は隠せなくなり、妊婦や子供はもちろんのこと、30歳以下の若い人はこの地域を離れるべきだと明らかにされた時には手遅れの人たちも多くなってしまっている・・・。

■内部被ばくと外部被ばくの違いとアルファ、ベータ、ガンマ、それぞれの核種の特徴

 まず、アルファ線について、空気中では、せいぜい3センチから45ミリくらいしか進みません。
 ベータ線は1メートルから最大10メートル進みます。ガンマ線は100メートルくらい到達します。

 外部被ばくについて、これは人体が外部から受ける放射線による被曝です。
したがって、アルファ線は無視してよく、一部ベータ線も影響しますが、ガンマ線が主体です。ガンマ線は、鉄筋の建物ならば防護できますが、木造では防護できず、ガンマ線源から遠ざかること〜近寄らないこと、疎開や移住することで防護できます。今回の事故で問題になっている核種は、セシウム134と137です。

 内部被ばくについて、これは人体が呼吸や飲食によって、放射性物質を取り込んで生じる被曝です。アルファ線、ベータ線、ガンマ線、すべての放射線が関係します。この中で特に影響の大きいものが、アルファ線とベータ線です。この2種は、人間の2本鎖DNAを2本とも切断します。障害細胞の修復困難の可能性〜すなわち発ガンの可能性が高まります。ガンマ線は1本だけです。前述のようにアルファ線は、人体の中では、ほんの数ミリしか進みません。たった数ミリしか進まないから力が弱いのではなく、その短い距離で猛烈にエネルギーを消費して細胞を傷害しますので、人体には特に悪い放射線です。今回の事故で主として問題になる核種は、プルトニウム、ストロンチウム、ヨウ素、セシウム、キセノンなどです。

 この中で、ヨウ素131は呼吸で吸い込むと、すぐに甲状腺に集まってきます。日本人は海藻をよく食べるから大丈夫などという程度のことではすみません。甲状腺内でベータ崩壊が起こり、ベータ線を出して甲状腺を傷つけます。ベータ崩壊に伴って出てきたキセノン131のうちの一部がガンマ崩壊して、ガンマ線を出して2度甲状腺を傷つけます。ヨウ素131の物理学的半減期は8日で、8日で吸い込んだヨウ素131の半分は、キセノン131に変わります。一方、生物学的半減期は80日であり、これは吸い込んだヨウ素131が体の中から半分が出て行く時間です。いずれにせよ、80日目に調べたのでは、ヨウ素131は体の中にはほとんどありませんので、ホールボディカウンターなどの被曝したかどうかの検査をしても全部がわかるのではありません。セシウム137の場合は、物理学的半減期30年>生物学的半減期70〜100日であって、一気にはベータ崩壊とガンマ崩壊が起こりませんが、体から排泄されるまで連続して放射線被曝を生じて発ガン性が高まります。ホールボディカウンターで検出されるものは、この核種です。

 兎に角、よく覚えておいた方がいいのは、物理学的半減期が短い放射性物質は、一気に崩壊が起こり、放射線が一気に出て細胞障害がおこるので、発ガン性が高いということです。 


  プルトニウムとストロンチウムは、いずれも物理学的半減期、生物学的半減期ともに、2万4千年と数十年(プルトニウム239)、29年と数十年(ストロンチウム90)と半減期の長い放射性物質です。いずれも人体に入ると長期間にわたり細胞を傷害して、しかも近くの細胞を執拗に障害するので、発ガンの危険の特に高い放射性物質です。ホールボディカウンターでは全く検出できない核種です。 もう一つ言えば、アルファ核種やベータ核種の内部被ばくを正確に測定できる機械で測定せず、しかも短時間での測定で、内部被ばくの実態をしっかりとらえられるとは言い難い検査です。

 まかり間違うと、内部被ばくを考慮しないICRP(国際放射線防護委員会)の考えるような、「外部被ばくだけの放射線障害の結論〜チェルノブイリ原発事故では、原発職員が約50名急性放射線障害で死亡したが、がん患者が増えても、原発事故によるものではない」と結論づけるなどの姑息な対応はしてほしくないです。

 このレポートをされた、那須塩原の医師・川口幸夫氏は「野外で0.5μSv/hrを超える場所は、移住するべきであると考える。」と言っています。どう判断するか、母親たちの第六感に頼るのも、やはり必是です。

 福島原発事故後の調査では、わずか12カ月で、福島県内の3万8千人の18才以下の子供の甲状腺エコー検査で、36%に甲状腺のう胞または結節が見つかっています。潜伏期間がこれほど短いということは、この子供たちが、昨年3月に福島原発事故による放射性ヨウ素を、呼吸で超大量に吸い込んだことは、間違いありません。これは、また、さらなる多種多様のがんの発症を予測させる非常に悪い前兆です。

なぜならば、放射性ヨウ素は、現在ほとんど検出されませんが、それ以外の放射性物質のセシウムやストロンチウム、さらに、チェルノブイリ事故との決定的な違いであるアルファ核種の広範な飛散〜プルトニウムとウランなどが、福島県から関東全域で大量に飛散していることがはっきりしており、食物で、そして呼吸で、毎日人体に取り込まれて濃縮されているからです。

現在の避難政策や放射線防護の実情では、早ければ3〜4年後、遅くとも15年以内に、原発から100キロ以内の10万人が、放射能汚染によるガンを発症し、同じく半径100キロから200キロに住む12万人が、放射能汚染によってガンになるというヨーロッパ放射線防護委員会の試算は、かなり確率の高いものと言っています。

■福島の一か月半後
東京電力福島第1原発事故による放射線の影響を調べている福島県の「県民健康管理調査」の検討委員会(座長・山下俊一福島県立医大副学長)が11日開かれ、事故発生当時18歳以下を対象とした甲状腺検査について、1人が甲状腺がんと報告された。/甲状腺検査の対象は約36万人で、これまで結果が判明したのは約8万人」

(共同通信 2012/09/11)。
    http://www.47news.jp/CN/201209/CN2012091101001721.html

「これまでの調査で425人が『一定の大きさのしこりなどが見られるため2次検査が必要』とされた。60人が2次検査を受け、うち38人の結果が判明。この中の1人ががんと判断された。」
(産経新聞 2012.9.11)

    http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120911/dst12091117360018-n1.htm



posted by Nina at 02:10| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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