2012年10月15日

県議会、原発関連の問題意識に市民とのズレ

11日、静岡県議会では、浜岡原発(同県御前崎市)の再稼働の是非を問う住民投票条例案が否決された。市民団体が約16万5千人の署名を集めて県民投票条例案制定を請求しており、川勝平太知事は「16万人の署名は重い」などとして、賛成する意見を付けて県議会に提出していた。

提出された条例案には、不備があるとして全会一致で否決された。また、民主系や公明党の一部県議が修正案として、投票資格は18歳を20歳以上と修正し、投票期日は「浜岡原発の津波対策工事が完了し、国が再稼働の検討を始めたとき」として、成立を目指し提出していた条例案も賛成少数で否決となった。県議会は、最大会派の自民党が過半数を占めており、これら多数が反対したためだった。3.11後、原発再稼働の是非を問う住民投票条例案が否決されたのは、大阪市議会と東京都議会に続き3例目。

■たび重なる事故、データ隠し
東日本大震災より9年前の2003年4月、その前年に発覚したデータ改ざんとトラブル隠しが発覚して東京電力の原発17基”(福島第1が6基、第2が4基で、残り7基は新潟県の柏崎刈羽)が全て止まったことがあった。

ところが、すぐ夏場の首都圏の電力危機を心配する声が出始め、自民党都議団と連合東京は、福島県の自民党、連合の組織へ再稼働に理解を示すよう求めた。日本商工会議所も緊急アピールで「早期再稼働」を要請。柏崎刈羽6号機は翌5月に再開し、全基停止はほどなく終わったが、「次は福島の再開を」と矢の催促も飛んできた。電力消費地の圧力に屈するように7月、福島第1原発6号機が再稼働した。

当時の佐藤栄佐久知事(72)は、国に原子力を含めたエネルギー政策全体の見直しを求め、再稼働にも否定的だった。「電力供給を人質にとっている」と、佐藤前知事を社説で批判した新聞もあった。9年前、安全の徹底を求めた地元の訴えは、電力危機を叫ぶ首都圏の声にかき消されてしまった。「首都圏のために、立地県の安全を曖昧にしてもいいという(再稼働を求めた側の)考えがおかしかった」と佐藤前知事は振り返る。

それまでも、東京電力は1980年代から90年代、福島第1、第2、柏崎刈羽の3原発で炉心隔壁(シュラウド)のひび割れを隠したり、原子炉格納容器の気密性データを改ざんしたりするなどしていた。

経済産業省原子力安全・保安院は、この事実に関する内部告発を2年近く放置した上、告発者の情報を東電に伝えるなど、監督庁としての姿勢が厳しく批判された。

こうした、過去のトラブル隠しなど実態が事故の遠因でありながら、今年6月、野田佳彦首相は周囲の驚きをものともせず安全宣言を出した。福井県議会は、原発の安全対策や防災対策などの一層の充実を国に要望するよう提案した上で、知事の判断を支持する意向を示し、共産党議員、無所属の女性議員のみが再稼働反対を明言したのみ。地元のおおい町では、主要産業が原発関連であり、町議会は再稼働を容認したなどから、関西電力大飯原発の再稼働が決まった。

■侮辱の安全宣言
福島県郡山市のフリーライター人見やよいさん(51)は、今年6月に大飯再稼働の記者会見で野田首相が語った言葉を「最大級の侮辱と感じた。福島第1原発事故で苦しむ人たちの気持ちを、本当に分かって話しているのだろうか。本当に分かっているなら、再稼働はあり得ない」と人見さんは批判する。心のない欺瞞に満ちた首相の言葉を聞き、怒りに体が震えたという。人見さんにとって、安全性を置き去りにして経済優先の理屈がまかり通ったことは、9年前と変わらないという。2003年の事故の終着点は昨年3月11日の破局の日だった。
しかし、福島県内でも再稼働問題はくすぶっている。福島第1の5、6号機と第2の1〜4号機をどうするかということだ。

■曖昧なまま
事故を起こした第1の1〜4号機は既に廃止が決まったが、ほかの6基は福島県が廃炉を求めているにもかかわらず、曖昧なままだ。ことし6〜7月、就任あいさつで福島県内を回った東電の広瀬直己社長は各地で全基廃炉を求められた。だが、そのたびに「国の議論を見守りたい」としか答えなかった。

南相馬市の桜井勝延市長は、「態度をはっきりさせないのは、国と東電が裏で手を結び、再稼働させようとしているからではないか」と東電と国への不信感を強めている。

原発立地県は、雇用の多くを原発依存している地域性があった一方で、電力消費地は企業側の要請が議会を取り巻いて圧力になっている。3.11以降、原発関連で住民らによる何十万もの署名運動が起きる議会もあるが、議席構成には大きな偏りがあるため、結果的に、住民の声を汲み取れない仕組みになっていたことに、改めて気がつくのだ。千葉県の議会も、放射能焼却灰や除染にからむ問題が起きているが、地元住民の声を真摯に聞くなどは重視されていない感がある。

茨城県議会では、保護者団体などが「日本原子力発電東海第二原発の廃炉を求める請願」を17万人以上の署名を集めて提出していたが、6月議会で反対多数で不採択とした。東京電力柏崎刈羽原発を抱える新潟県でも、住民投票条例制定を求める直接請求の手続きが進んでいる。

posted by Nina at 00:00| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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