2012年07月23日

国の認定遅れ、公害被害者の長引く闘い

 NHK「シリーズ環境」2回目(6/24)で、日本の「公害の原点」といわれる水俣病を取り上げた。公式確認から56年、この7月末で未認定患者救済の申請が締め切られる。なぜチッソは有機水銀に汚染された廃液を流し続けたのか、ゲストの姜尚中が語る。チッソの企業内部の技術者の告白を描いた1995年のNHKスペシャルを見て、やはり考えるのは福島の原発事故に通じる問題だ。今月11日に亡くなったチッソ問題に関わった医師・原田正純さんや作家・石牟礼道子さんのメッセージを交え現地・水俣で収録された。

 また、最近の報道では国の水俣病被害者救済策の対象地域から外れている熊本県天草地方で、水俣病の検診を受けた住民の症状が、対象地域内の同県水俣市などの住民と酷似していることがわかった。地域外にも多数の水俣病被害者がいる可能性を示しており、本来救済されるべき人が、取り残される恐れがある。

 潜在被害を掘り起こす集団検診に取り組む民間医師らと朝日新聞社が共同で約700人の検診記録を分析した。

 水俣病の救済策は、一定の症状があっても原則として地域や年齢で対象が限定される。国は7月末で申請を締め切る方針。今回の分析で対象地域の「線引き」が実態に即していないという救済策の根本的欠陥が明らかになったといえる。

 集計したのは、2005年1月〜10年6月に民間医師による水俣病かどうかを調べる検診を受けた天草住民728人分の記録。「手足のしびれ」「痛みを感じない」「まわりが見えにくい」など水俣病に特徴的な自覚症状50項目と、感覚障害や視野の狭まりなど医師による診断所見(他覚症状)18項目について、居住歴などの属性ごとに現れ方を調べた。

 天草地方は不知火(しらぬい)海を挟んで水俣市の対岸にある離島で、一部が救済対象地域に含まれている。天草の728人のうち地域外の160人の症状の現れ方は、天草の地域内の568人や、水俣市など九州本土の対象地域内の470人の集計データとほぼ重なった。一方、福岡市や鹿児島市など有機水銀の影響を受けていない「非汚染地域」の118人とは明らかに異なっていた。

 例えば、診断所見で「両手足の痛覚が鈍い」とされたのは、天草の対象地域外86%、対象内98%、水俣市など本土の対象内84%と高率だったのに対し、非汚染地域は1%だった。

 こうした検診は6月にも1400人規模で行われ、受診者の約9割に水俣病の症状が確認されている。

 分析した協立クリニック(水俣市)の高岡滋医師は「水俣病被害の有無を対象地域の内外で区別することはできない。地域外の人の症状は地域内と比べて決して軽くない」と指摘する。

 環境省の大坪寛子・特殊疾病対策室長は「取り上げられた症状や所見は主観的なものが多い。データ解析や評価の手法を詳しく知らないので一概にコメントできない」と話している。

出典:朝日新聞 6月30日

posted by Nina at 00:00| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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