「脱原発」 京大・原子炉実験所助教・小出裕章
「原発推進」東工大助教・澤田哲生
チェルノブイリは建屋がなかったことから、ベクレル数の1/10で、数十万人の労働者を投入しなければなかった。福島4号機の爆発後の作業はロボットは無理だとわかったが、今は放射能は各段に下がってきたので、これから時間をかけて取り組んでいくしかない。
この福島第1原発事故発生からの1年-を振り返って、脱原発の運動をしてこられた小出教授が種まきジャーナルへの生出演(初めて)で、しかも推進派の専門家・澤田教授と生対談する-のは、番組史上初の試みだ。原発の過去と、現在、そして未来について、"希世"の研究者に意見を交わす。
再稼働ありきの政治判断に任せると言う前に、国民に意思を問うべきではないか。現場技術者として働いた方、菊池洋一さんなどは岩盤の問題などから浜岡を止めたほうがいいという声があがる。
しかし、澤田教授は原発の17か所の立地条件は違う、地震、津波についても、工学からの考え方で対応する場合に、新しい断層が後から見つかったとか、耐震補強が間に合うかというのが問題になるので、耐震設計をしていない浜岡1,2は止めている。今から耐震補強したら、高額な費用がかかるので稼働は断念したが、それ以外の原発はは止める必要がない。地震の対処は、計測の感度を高めて、崩壊の予測前に停止作動するようにすれば安全な原子炉にしていける。
これから韓国と中国がどんどん原発を建てていくから、そこにどう貢献出来るか、日本の知見を生かして積極的に関与していくべき、安全な原子炉として経験をいかせる。一基作れば3000億円以上の相当なお金が動く、ビジネス・チャンスを他国に渡したくはない。
こんな時だからこそ、国民の知見も問うべき時期ではないか。異論を唱えるジャーナリストの発言を干し、住民目線の判断をする知事を落としめ、冷夏かもしれない夏を前に、余裕電力も無視して、再稼働への決定をしようとするのは国民の意識より、経済界の圧力・組織票を重視するからだろうか。
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