我孫子のさくら祭りも、佳曲に入ってきました。水の館周辺で楽しいイベントが各種行われるので、行ってみよう!
今、全国各地の公共施設の建て替えで問題になっている建設費の高騰。1966年に開場した国立劇場は、歌舞伎を始め、文楽、日本舞踊、邦楽など伝統芸能の保存や継承を目的に、数多くの舞台が上演されてきた。ここも老朽化による建て替えのために2023年10月末に閉場。すでに1年以上が経ち、再建のメドが立たないでいる。入札の不調が続き、再開場のめどが立っていないのは、我孫子にも似た事情がある。
他方、新国立劇場では、大野和士(65)が現代オペラでも多くの実績をのこしている。間もなくのゴールデンウイークでの公演も控えて、奮闘中である。
GWの「こどものためのオペラ劇場2025」(5月5、6日)で上演されるブリテンの「オペラをつくろう!小さなエントツそうじ屋さん」も新制作。イギリスの作曲家、ブリテンは日本の能「隅田川」に影響を受けたオペラ「カーリュー・リバー」などで知られる。
クラシックを若い人に聴いてもらうことにも熱心で、オーケストラの楽器を紹介する管弦楽曲「青少年のための管弦楽入門」がある。この作品の初演から3年後の1949年に作曲されたのが「小さなエントツそうじ屋さん」。煙突掃除をしていた男の子サムは体が挟まってしまった。叫び声を聞いたその家の子供たちが助け出す。サムのつらい境遇を知り、逃す作戦を立て始めた。加藤直が訳詞・脚色を行う。第1部はオペラ作りの過程を見せ、第2部がリハーサル、第3部に皆で作ったオペラの上演という構成。子供たちが生のオペラの感動に触れる機会となるだろう。
ほかのラインアップはプッチーニ「ラ・ボエーム」(10月)、グルック「オルフェオとエウリディーチェ」(12月)、ヨハン・シュトラウス2世「こうもり」(2026年1月)、ヴェルディ「リゴレット」(2〜3月)、モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」(3月)、ヴェルディ「椿姫」(4月)、ドニゼッティ「愛の妙薬」(5月)、マスネ「ウェルテル」(5月)。
■有料入場率トップは「魔笛」
また、新国立劇場第3回理事会が開かれ、令和7年度事業計画などが承認された。7年度予算の収益は81億8400万円。内訳は受託収益43億200万円(53%)、公演事業収益26億100万円(32%)、寄付金・協賛金収益6億7000万円(8%)、施設使用料収益2億8000万円(3%)、受託事業収益2億4200万円(同)。費用は公演事業費37億5500万円(46%)、給料手当など16億4900万円(20%)などとなっている。
そして6年度事業の現況が報告された。オペラの有料入場率は「椿姫」(84.1%)、モーツァルト「コジ・ファン・トゥッテ」(71.6%)、プッチーニ「トスカ」(91.1%)、ベッリーニ「夢遊病の女」(新制作、77.4%)、ロッシーニ「ウィリアム・テル」(新制作、89.1%)、モーツァルト「魔笛」(93.2%)、ワーグナー「さまよえるオランダ人」(73.7%)、ツェムリンスキー「フィレンツェの悲劇」/プッチーニ「ジャンニ・スキッキ」(67.3%)だった。
参照 産経新聞(3/29 江原和雄)つづき