「類は友を呼ぶ」と言われ、似通った者同士は自然に集まる。だからこそ、日頃、「人の気持ちを明るくする言葉」、「喜びを与える言葉」、「勇気づける言葉」、をアウトプットし続ける必要がある。
まさに、会う回数が多ければ多いほど好感度がアップするという現象である、「単純接触の効果」や「熟知性の効果」だ。だからこそ、現代では、SNSで頻繁にアップすることが、親密性を増す上で、必須となる。しょっちゅう、その人の記事や、名前を見ることで、親密性が増し、リアルでは会っていなかったとしても、なんとなく近しい気持ちがわいてくる。それが、好きになる瞬間をつくると言えそうだ、大谷翔平さんしかり、幼い頃より野球に親しむ環境があった、沢山見る、沢山試す、下手な玉も数打てば当たる、当たると嬉しくなる、嬉しくなるとまた頑張れる、励まされる。今、世界が彼に励まされて、益々好きになっている、世界野球のヒーローだ!
アメリカの心理学者ザイアンスの「単純接触の効果」あるいは「熟知性の効果」は、「嫌い」を「好き」にさせるものではない、という。
ザイアンスはある学校の卒業アルバムからランダムに選んだ女子学生の写真をペアにしてA~ Fの6組に分け、何人かの男子学生に見せ、好感度の変化を検証した。
一般に、人は初対面の人に対しては不安を抱くもの。どんな人なのかわからない未知の存在を相手にするのは、たしかに不安である。
A組は1回、B組は2回、C組は5回、D組は10回、E組は25回というように、 見せる回数に違いをつけ、F組については1回も見せなかった。
しばらく時間をおいて、もう一度それぞれの写真を見せ、女子学生についての印象をたずねてみた。すると、男子学生たちは、多く見せた組の女子学生に、より好感を抱いているという傾向がみられたのだ。
男子学生の写真を女子学生に見せる場合や、写真ではなく実際の人物と会う場合でも、同じような実験結果が出ることが知られている。
つまり、ただ単に接触する回数が多ければ多いほど、その人に好感を抱くようになるということだ。印象が悪いまま(嫌いなまま)、接触回数を増やした場合には、「嫌い」がどんどん増大してしまうということになる。つまり、ストーカーとしてますます嫌がられる、ということになる。
つまり、それは新製品が出るとテレビで繰り返し繰り返しコマーシャルを流したり、鉄道の車両を一両借り切って、同じ製品の広告だらけにしたりするのは、この単純接触の効果を狙ったものだ。短い時間に何度も繰り返されるコマーシャルには、正直いって嫌気がさすという人も多いだろう。しかし、人間の心理は一般にはそうなっていない。
例えば、スーパーに洗剤を買いに行って、大量の商品を目の当たりにしたとき、私たちのとる行動は、驚くほど単純だ。どれも同じように見えるのなら、なるべく「有名な」「よく知っている」商品を選んでしまう傾向がきわめて強い。そして、「有名」「よく知っている」とは、すなわち、広告を大量に目にした結果なのである。
「嘘も百回言えば本当になる」という言葉がある。どんな荒唐無稽なことでも、たびたび耳にしていると、それを真実だと思いこんでしまうことがある。その内容は、なるべく単純で覚えやすいものであることが望ましい。
『人を動かす 心理テクニック』PHP文庫
「ストックホルム症候群」という言葉がある。誘拐事件や監禁事件などの被害者が、犯人と長い時間を一緒に過ごすと、犯人に対して過度の好意的感情や、連帯感を抱くことをいう。ストックホルムで起きた人質立てこもり事件で、人質が犯人に協力する姿勢を取ったことからついた言葉。つまり、長く時間を一緒に過ごすと、犯罪者であっても、共感を示したり、好意を持ったりする、ということだ。