警察庁の資料によると、2024年の上半期において、ロマンス詐欺の被害件数は5,068件、被害総額は660億2,000万円に達しました。この数字は前年同期の約4倍に相当し、特に高齢者が多く巻き込まれています。またロマンス詐欺の被害者の約80%は40代以上であり、特に65歳以上の高齢者は全体の25%を占め、被害額も大きいのが特徴です。
また株式会社Parasolが行った調査によると、60代以上の会員1.2万人について、80%は婚姻歴あり、さらにそのうち8割が「再婚目的」で利用。またシニア世代は恋愛に積極的で、「マッチング後にまずは会いたい」という人は20代の3.8倍だったといいます。
このようなシニアの特徴を悪用したロマン詐欺。今後も増加の一途を辿るだろうと、警鐘が鳴らされています。
一例ですが、マッチングアプリで、メッセージのやりとりを始め、共通項があり、男性が思いを寄せるまでなると、女性のほうから告白してきたといいます。20歳も年下の女性からの告白。戸惑いつつも有頂天になった……この流れ、他人であればすぐに怪しいと感じるかもしれませんが、当の本人は思わないもの。ここからはよく耳にする通り。初めは「故郷の母が病気で」と少額の金銭の要求から始まり、次第に高額になっていきました。しかし、何十年ぶりかの恋心には、疑いなどは一切起きず、そして女性に貢ぎ続け6ヵ月。その総額は男性の退職金がなくなるほどに。そしてある日、突然女性はネット上から姿を消えてしまいました。――騙されたのでしょうかと、男性はいまだ状況を認識できません。